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練習の優先度を決める際に重視しているポイント
このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周(Twitter→@Amapenpen)が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。
今週からリーグ戦が開幕します
今週末からいよいよリーグ戦が開幕します。東大は開幕戦で早大と戦います。応援よろしくお願いします。
リーグ戦が近づくにつれてやるべきことが多くなり、なかなかこのブログも更新できていませんでした。書きたいことは山ほど溜まっているので、順番に書いていけたらなと思っています。
今回は、練習の優先度を決める際に考えていることについて書いてみます。
僕は学生コーチという立場で、練習の時間配分や練習内容の考案に携わることがあるのですが、その時に考えるべきことは主に2つあるのかなと思っています。
何かというと、1つ目が「その練習によって磨かれる能力が試合においてどのくらいの重要度を占めるか」で、2つ目が「時間あたりに期待できる能力向上の大きさと確実性」です。
全体練習の時間は限られているし、できる限り個人練習の時間を長くとったほうが良いと思っている派なので、この判断基準は個人的にはすごく大切にしています。
試合における重要度
まず1つ目の「その練習によって磨かれる能力が試合においてどのくらいの重要度を占めるか」という点ですが、これは当たり前のようでいて意外と見落としがちなところだと思っています。
例えば、東大の入学試験では、センター試験と2次試験の点数配分が1:4になっています。なので、勉強時間の比もセンター試験と2次試験で1:4くらいのイメージを持っておくのがいいのではないか、と個人的には思っています。
野球でも同じで、ブルペンでピッチング練習をするにしても、試合ではクイックで投げるのにブルペンでは全然クイックの練習をしていない、ということがあったりします。
1塁にランナーをおく場面が試合中の2割くらいを占めると仮定するなら、そのくらいの比率でクイックを練習しておいても良いはずです。
しかも、ランナーがいる場面のほうがランナーがいない場面よりも失点のリスクが高いわけですから、より試合中における重要度も高いはずですね。
攻撃面で考えても、試合でスクイズを使うのに練習では時間を割いていないいないとか、逆にバントを使わないスタイルなのにやたらバントの練習をするとか、そういった細かい部分のミスマッチは探してみるとたくさんあったりします。
なので、「その練習によって磨かれる能力が試合においてどのくらいの重要度を占めるか」という観点はシンプルでありつつ、結構役立つなーと思っています。
時間あたりのリターンの大きさと確実性
2つ目の「時間あたりに期待できる能力向上の大きさと確実性」という点は客観的な評価が難しいですが、1つ目と同じくらいの重要度を持っているのでは、と思っています。
また勉強の例になってしまうのですが、例えば国語と英語だと英語のほうが努力量に比例して着実に成績が伸びていくなー、と受験生時代に感じていました。
英語と比べると国語の場合は、勉強量に比例して成績が伸びていくというよりも、「たまたまうまくいくかどうか」みたいな運の要素が強いように思います。
なので、長期にわたって成績をあげていくには、頑張れば報われやすい英語の勉強を頑張りつつ、国語ですごく低い点数を取らないように最低限の勉強をする、みたいなほうがうまくいきがちです。
逆に短期で一発逆転を狙うときは、英語だと時間がかかりすぎるので国語にフルコミットして大きな上振れを期待したほうが可能性が高いかもしれません。
野球でいうと、技術的な要素は短期で改善することが可能かもしれませんが、筋肉をつけるのは少なくとも3ヶ月くらいの期間が必要になるでしょう。しかしその分、トレーニングは技術練習よりも安定して努力が報われやすいといえます。
「不確実だが短期で大きなリターンを期待できる練習」をするべきか、それとも「確実だが時間をかけて少しずつリターンが期待できる練習」をするべきかは、そのときどきのチームや選手の置かれた状況によって変わってくると思うので、この観点も忘れずチェックしなければ、と思っています。
小さな改善の積み重ねを大切にしたいですね
全体練習のメニューとかって惰性でなんとなく決まってしまいがちですが、探してみるといろんなところに改善できるポイントがあったりするものです。
練習はほぼ毎日行うものですから、こうした細かい改善ポイントを1つ1つ着実に最適化していくことで、積もり積もって大きな差が出てくるはずです。
野球に限らずあらゆる場面で「その練習によって磨かれる能力が試合においてどのくらいの重要度を占めるか」と「時間あたりに期待できる能力向上の大きさと確実性」を気にしてみると、大きな変化が生まれるかもしれません!
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