奇妙な春〜Nevertheless, life goes on.

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今年も春が来た。例年になく奇妙な春となっている。
なにせ、「ずっと家にいる」。

ここ8年ほど、短くて2,3日、長くても1週間〜10日単位で移動する生活をしていた。ところが、なんと、3月半ばから明日でまる3週間、鎌倉の自宅にいる。首都圏から地方に移動することは極力控えるように、という状況なので、いつまでいることになるのか、全くわからない。

しかも、通常であれば、鎌倉の家に滞在している期間は、仕事のための買い出しや、地域のイベント参加や、市民活動などで、料理教室の時間以外はほとんど家にいない。しかし3月・4月の料理教室もその他の仕事もほぼ全てがキャンセルになり、あらゆる集まりが公私ともになくなり、#STAYHOME ということなので、とにかく今回は、家にいる時間が長い。

もちろん仕事が減って、いつまでこれが続くのか・・・という不安は大きいし、これから日本は&世界はどうなってしまうんだろうと、何をしていても頭のどこかに漠然とした怖れ感が。そして、気分が落ち込み、「でも私なんかよりもっと大変な人がいるんだから」と思ってますます落ち込む・・・・ あれ、これは3.11の後と同じパターン?と気づいた。進歩がない・・・。

そして、一歩外に出れば平日でさえも人でいっぱいの鎌倉が、週末なのにひと気がなく、からっぽの街全体がなんだか奇妙に白っぽくくすんで見える。

でも、いいこともある。まず、本がたくさん読めます。本当にありがたいことに、(東京や他県の図書館は完全閉鎖しているところが多いのに)鎌倉の図書館はウェブサイトから予約した本の受け取りが出来る。とにかく時間があるから、スーパー読書天国。それから、レシピの試作もたくさんできる。食べ過ぎと光熱費の増加がネックだけれど、いままで試作の時間が足りないといつも焦っていたのがいっきに解消しつつある。あとは、半身浴しながらiPhoneで映画を見たり壊れた革財布を修理したりダーニングしたり冷蔵庫の整理をしたり日頃ゆきとどかないところの掃除をしたり・・・することはたくさんある。新しく始めようとしていたプロジェクトのいくつかが、形を変えてスタートできるかもしれない。結局、実はかなり楽しい。不安で楽しい毎日。へんなの。

そして、急にずっと家にいるようになったので、いままで私を遠巻きに眺めていた、同じ敷地内に住む女の子たち(小1,小3、小5)が急接近してきた。1日数回、玄関のドアをトントン、と叩いてなにかと声をかけてくる。いちばん最初にトントン、と来たときに、びっくりして「どうしたの?」ときいたら「遊ぼう」だって。近所の大人、というより、遊び相手として認識されたのか?

とにかく、世界がどうしてこんなことになってしまったのか、あれよあれよというまに何もかもが変わってしまって、あっけにとられている。この奇妙な春が自分の人生にとって、あとから見てどういう意味を持つものになるのか、今はまったくわからないけれど、それでも人生は続く。

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