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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて拾参

皆さん、こんにちは! 自称作家の あまおう まあお です!!
このシリーズも地味に13回目となりました。

特に人気は出てません;^ ^

まあいいでしょう。毎日じめじめしてる方にほんのひととき爽やかな恋の歌をご提供していこうという、ただの善意100%ですよ~^ -☆
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恋歌二 紀貫之
津の国の難波のあしの めもはるにしげき我が恋 人しるらめや

難波津の葦が芽ぶくように、見渡す限りに茂って騒ぐ私の恋よ。このこころを、知っていますか。
#いちご訳

復活! 古今集は久しぶりですが、ずっと万葉集をやっていました。というわけでさらっと。
「めもはる」が掛詞で葦の「芽が張る」、「目も遥(はるばる)に」だそうです。
そんなことより、普通は津の国の葦は西行法師ですね。
津の国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風わたるなり
#比べるな危険

恋歌二 紀貫之
手もふれで月日へにける白まゆみ おきふし夜はいこそねられね

あの頃は君に手も触れられなかった。勇気を出して恋の弓を射ればよかったのにと、いつまでも寝付けずに夜じゅう後悔しているんだ。 #いちご訳

白ま「ゆみ」と「い」こそねられねが縁語。
ということを考慮して、その意訳になりました。失恋の歌がやたら似合う歌人、貫之さんらしい一首。
いつまでたっても恋の矢は~あなたの胸にはささらぁない~♪
……長渕剛さんですが、何か?
#いい歌ですよね #どっちも好きです #つらたん

恋歌二 紀貫之
人知れぬ思ひのみこそわびしけれ わが嘆きをば我のみぞ知る

人知れぬ恋の炎 そっと投げ入れる僕の嘆きで燃え上がるけどその声は誰にも届かないのだ
#いちご訳

えらくシンプルなと思ったら「なげき」が嘆きと投げ木、の掛詞だそうで……? ほんとかな。
どちらかというと「わびし」に一人泣き的なイメージがあるのかなあとか思ったり。奥山の鹿みたいな?
どうせ分かってくれない系。
思ふこといはでぞたゞにやみぬべき我とひとしき人しなければ(業平様)

恋歌二 紀友則
言にいでていはぬばかりぞ みなせ川 したにかよひて恋しきものを

この恋心、言葉には出さないでいよう。一見枯れている水無瀬川にも、地下には水脈が通ってあなたへと流れてゆくのです。
#いちご訳

久しぶりに #tomonori ! 「下にかよひて」は友則さんでもう一首ありますが、そのうち出てくるのでその時にでも。
言わない系の歌多すぎて数え切れないんですけど、基本全部、言えばええやん? と思います。身分とか役職の関係なんでしょうかね。
MIYABIよく分かんない!
#YOU言っちゃいなYO

恋歌二 凡河内躬恒
君をのみ思ひねにねし夢なれば 我が心から見つるなりけり

あなたのことだけ考えて眠ったのだから当たり前のこと。夢にあなたが出て来たけれど、私の心が見せた幻。
#いちご訳

これ、現代と前提が違うんですよ。現代って夢に知っている人が出て来ると「あれ私、あの人のこと好きなのかな?」的な解釈かと思いますが。
いつまでか知りませんが、平安は逆です。生霊が出て行って寝ている人の夢に強引に出演する方式です。
この歌は、時代を先取っているんですよ!(ね?)

恋歌二 壬生忠岑
命にもまさりて惜しくある物は 見はてぬ夢のさむるなりけり

命を取られてもかまわなかったのに。この夢が醒めてしまうなんて惜しくてならない……
#いちご訳

訳すまでもない名歌ですね。いい歌って、訳つけなくても誰にでも分かるものが多いなあと感じます。ストレートな表現で勝負できるというのが、強いんでしょうね。
千年も経つのに、不思議ですね。
千年後の日本でも詠まれていて欲しいです。流石、忠岑!
選者の実力を見せつけた一首。
#さすただ

恋歌二 春道列樹
梓弓ひけばもとすゑ我が方に よるこそまされ こひの心は

弓を引く。この弦のように素直に引き寄せられてくれないかなあ、あの人は。特にこんな恋心の募る夜は。
#いちご訳

よるが「寄る」「夜」のパターンですね。弓のイメージが女の子を思い出すんですかね。ちょっとエロス?
ところでこの方、列樹と書いて「つらき」さんなんですが、百人一首に収録されている歌人ですね。
山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり
春道列樹……ペンネームみたい!

恋歌二 凡河内躬恒
わが恋はゆくへも知らずはてもなし あふを限りと思ふばかりぞ

果てしない恋、僕は迷子になってしまうばかりだ。ただあなたに会えるその場所がこの恋の終着点と信じて。
#いちご訳

うっわ、めちゃくちゃ文学的ですね……! 会えたかどうかは分かりませんが、こんな歌一首遺せたらもう、それで充分ではないでしょうか。
え? 文学的でなくていいから、普通に幸せになりたい?
いやー、そう言われるとぐうの音も出ませんね;^ ^
#さすみつ #歌うまお #これは文句ないでしょう

恋歌二 凡河内躬恒
我のみぞかなしかりける 彦星もあはですぐせる年しなければ

こんなに悲しいのは世界広しといえど僕だけだろう。彦星だって織姫に逢えずに過ごす年はないのだから……
#いちご訳

シンプルというか素直なお歌ですね。どっかになんか技法があるのかと調べてみましたがとくにないようです……。そんなに悲しかったんですね。ん? 一個前の歌……あ……そういうことか。
#残念#もうすぐ七夕か #ところで雨が降ると七夕は中止と聞いておりますが #また来年

恋歌二 清原深養父
今ははや恋ひ死なましを あひ見んと頼めしことぞ命なりける

恋しくて今にも死んでしまいそう。でもあなたが約束してくれたから、逢えると信じて、その日まで生きてゆきます…… #いちご訳

男性の歌なのか女性の歌なのか分かりませんが、深養父さんは男性だと思います。
直球だなあと思いますが「今ははや」のあたりが切迫感があっていいですね。雅というより、近松門左衛門を思い出しましたが。
いつまでいうてせんもなし。はやはや殺して殺して。
サア只今ぞ南無阿弥陀南無阿弥陀。#南無

恋歌二 凡河内躬恒
頼めつゝあはで年ふるいつはりにこりぬ心を 人は知らなむ

期待だけさせておいて、幾年過ぎてもあなたは逢ってくれない。あなたの偽りをまだどこか信じてしまう僕を、せめて知ってほしいものです。
#いちご訳

「あはで」なんとかシリーズ続編ですかね! まだ諦めてはいないご様子。人は知らなむ。
「なむ」はたくさんあって見分けづらいですが、未然形にくっついている終助詞で願望、と考えていいと思います!
知ってほしいなあ(圧)、という若干の嫌味を感じますね。
#逢うかも詐欺 #ご立腹

恋歌二 紀友則
命やは何ぞは 露のあだものを あふにしかへば惜しからなくに

命? それがどうした。所詮は露と消えるもの。あなたに逢えるなら惜しいわけもないのに。 #いちご訳

恋歌二は友則さんで〆です!
命とは何か、と問いかけてからの惜しからなくにへの流れ、巧みな感じがしますね。何ぞと露と言えばこれ。
白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを(業平様)
たぶん中学とかで習うはずですが、伊勢物語で一番有名な歌。似てるかな?
#そうでもない

さて。今回でついに恋歌二が終了、次回からは恋歌も三に入ってきますね。
え? 全部で……恋歌は五まであります……。まだまだネタが尽きなくて、安心だね!

というわけで、自称作家の あまおう まあお でした! またどこかでお会いするかもしれないんで、ぜひ覚えてね!

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