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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて弐拾

ご無沙汰してしまいましたが、古典大好き自称作家の あまおう まあお です^ -☆
いやあ、二月入ってからありえないほど事件が目白押してきまして(全部プライベート)まだ片付いてはないんですが、とにかくてんてこ舞いでしたToT

まだ収束してないんですが、一応筋道くらいはつけたので、一息、いつものやつやっときますね! ソォイ!!

恋歌四 詠み人しらず
陸奥の安積の沼の花かつみ かつ見る人に恋ひやわたらん

福島の安積の沼に咲くというかつみの花のように。かつ見るあの方を、このままずっと思い続けるのでしょうか。#いちご訳

「かつみ」という花がどんな花なのか、決着がついていないそうです。菖蒲じゃないか説が人気の模様。
「かつ見る」も意見が割れています。私は「ちらりとお見かけ」だと思うんですが、注は「一方で」が採用されているので、もうそのままにしました!(逃)
とにかく、恋の始まり。四章も始まります!

恋歌四 詠み人しらず
あひ見ずは恋しき事もなからまし 音にぞ人をきくべかりける

いっそ逢わなければこんな恋しさに苦しむこともなかったんだ。噂で聞くだけにしておけばよかった……。#いちご訳

いいねえ、何もヒネらないど恋愛の歌!
ただこれ、よく考えると遠回しに人気者を射止めたことを自慢しているのかな、という気もしないでもないです。
「いやぁ彼女モテるから、君らみたいに噂してるくらいがいいと思うよぉ?」みたいな。考えすぎでしょうか#^ ^
#ひがんでいます #なぜそうよむ

恋歌四 紀貫之
石上布留の中道 なかなかに見ずは恋しと思はましやは

いそのかみふるのなかみちと申します。なかなか中途半端に逢えないというのも恋しさがいや増すものですねぇ。#いちご訳

たびたび申しておりますが、おっさんのダジャレみたいの、あんまりよくないと思います。
当時のヤングな女性たちのウケも、良かったとは思い難いですよね。明らかな女性作でここまでダジャレっぽいの見たことないし。
でもおっさんからの支持があるので、残っているのかなと思います。品はあるし。

恋歌四 藤原忠行
君といへば 見まれ見ずまれ 富士の嶺のめづらしげなくもゆる我がこひ

あなたのこととなると僕は。逢えても逢えなくても変わることなく胸に恋が燃え続ける。まるであの富士の山の内に密かに燃える炎のように。#いちご訳

見まれ見ずまれ。見もあれ見ずもあれ、ということでしょうね。最後の「恋」が「こひ」とひらかれているのは「火」が入っていますよ、という意味かと。
和歌に詠まれる「富士」はだいたい火山の意味ですね。記録からしても平安時代にガンガン噴火しているようです。現在の区分「活火山」……。#噴火注意

恋歌四 伊勢
夢にだに見ゆとは見えじ 朝な朝な我が面影にはづる身なれば

現実は言うまでもなく、夢にだって。あなたに見えないでいましょう。朝見るたびに恥ずかしいのよ。恋わずらいでやつれ果てた私の面影。#いちご訳

どうも解釈割れするらしく。もうひとつの解釈は「夢の中でもあなたにお逢いできなかったに違いない。このやつれた面影を見るに」というもの。
見えじの「じ」を打消意思ととると、いちご訳に、打消推量にすると、その訳になります。
単純に意固地な伊勢さんがかわいいと思って、意思で訳しました^p^

恋歌四 詠み人しらず
石間ゆく水の白波 立ち返りかくこそは見め あかずもあるかな

石の間を流れる水の流れには何度も清い白波が立ちます。どうかいついつまでも僕と繰り返し逢ってくださいね! 絶対に僕、飽きたりしません!#いちご訳

かわゆい^p^
なんか全体的に若く爽やかな感じがしますね。立ち返る波の歌って他にもありますが
立ちかへりあはれとぞ思ふよそにても人に心をおきつしらみ(元方)
比べると、背伸びして和歌を詠む少年のように感じます。年上の女あてに計算してやってたら悪魔だな? #かわいい #初恋少年

恋歌四 詠み人しらず
伊勢のあまの朝な夕なに潜くてふ みるめに人をあくよしもがな

伊勢の海人は毎朝毎夕潜ってミルメを取り飽いている。僕もあなたを見る目に飽いてみたいものだなあ……。#いちご訳

いつもの「ミルメ」の掛詞か。むしろもうそれに飽きたわ……と思ったら、小技が効いていました。
まあ確かに伊勢の海人はミルメには飽き飽きしているでしょうからね!
意外性があって面白い歌。でもまあ、何度か逢ってりゃ、すーぐ飽きますよ(鬼)。
#ミルメの歌はもうこれで決めましょう

恋歌四 紀友則
春霞たなびく山の桜花 見れどもあかぬ君にもあるかな

いくら見ても見飽きないもの。霞たなびく山の桜。それからお美しいあなたです。#いちご訳

tomonoriさんらしからぬ素直なお歌。なんか、ここまでするとヨイショ感出ちゃってよくないですね。
山ざくら霞のまより ほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ(貫之)
こっちの方が真剣な感じが伝わると思う。女性の皆さん、どうですか?
#ひとによるだろ #個人の趣味です #tomonori

恋歌四 清原深養父
心をぞわりなき物と思ひぬる 見るものからや恋しかるべき

心とはなんと理屈に合わないものか。あなたに逢っているのに恋しくてたまらないなんて。#いちご訳

いいねえ! 素直でいながらキラリと光る知性。そして知性も歌の才能もあるのに、制御できない熱いパトスが思い出を裏切ったりなんかするんですねぇ!
「ものから」受験で出てくるやつ。逆説と順接両方ありますが、ここでは逆説ですね。基本的に中世までは逆説で訳せばだいたい当たるハズ(裏技)。

恋歌四 凡河内躬恒
かれはてん後をば知らで 夏草の ふかくも人の思ほゆるかな

枯れるときのことなど思わずに深く生い茂る夏草のように。あなたと離れる時のことなど考えもせずに恋は深みにはまるばかりだ…… #いちご訳

「かれ」が「枯れ」と「離れ」の掛詞になっています。
この時代だと遠距離恋愛なんてほとんど無理でしょうから、なんだか重みのある歌ですね。
と同時に夏草のやつは、今も昔もノーテンキにもりもり生い茂ってたんだなあと思うと、それもある意味「深い」話です。草の歴史も長いですからねwwww #草

ついに恋歌も「四」まできましたね。だんだんとゴールが見え始めています。
自分のプライベートがゴタゴタしているときに、こういう優雅な言葉に触れるとなんとなく心が落ち着いたりするようです。

イラついたときとか、焦っているときなんかは「仮名序」を朗読したりします。いやあ、ほんとすごい名文ですからねToT

いつの日か、私もそんな素敵な文章を書いてみたいものです……!

ま、無理だろけどねー;^ ^ というわけで夢はでっかくあまおう まあお でした! ^ ^ノ フォロー大歓迎だお!



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