見出し画像

NHKあさイチで本書の訳者が登場

12月8日のあさイチで「ワクチンを打たないという選択をした人は今、何を思う?」というコーナーで、訳者の鈴木重子さんと安納献さんがワークショップに登場しました。ワークショップの中で、お二人はワクチンを打たない派とそれに疑問持つ派の、家庭内の分断について話を聴きあう場の進行役を務められました。

その中で使われていた「NVC(Nonviolent Communication)」という手法について語られた書籍『「わかりあえない」を越える』が発売中です。良かったらお手にとってみてください。

(訳者による本書の紹介)

「わかりあえない」を越える
目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC

対話への勇気がわいてくる
「どちらが正しいか」の先へー
家族とのささいな揉め事でも、集団同士の深刻な対立でも、
自分と相手の「奥にある大切にしているもの」に寄り添うことで、
新たな選択肢をつくりだす。

原著『SPEAK PEACE in a world of conflict』は2005年にアメリカで出版され、著者が亡くなった現在でも、大切に読み継がれています。著者が体系化した「NVC」という手法は、今やアメリカだけでなく、世界中で共感を呼び、企業・政府・学校・家庭などあらゆる場面で、本質的なつながりを形成するために役立てられています。

訳者まえがきより一部をご紹介します

本書の著者であるマーシャル・B・ローゼンバーグが、NVC(非暴力コミュニケーション)を形にしたのは1970年代のことでした(NVCを学ぶ人は彼のことを親しみを込めて「マーシャル」と呼んでいます)。
マーシャルは幼い頃から、他者に対する非難や批判だけでなく、もっと暴力的な行動に向かう人たちがいる一方で、おもいやりをもって与えあうことを喜びとする人たちがいることに気づきます。
その体験から「人とはどんな存在なのか」という問いを探究するようになりました。そして、私たちが日々使う「言葉」が、自分自身や相手・世界の捉え方に影響を及ぼしていることに注目し、NVCを考案します。

私たちが暴力的な言動をとる背景には「何が正しく、何が間違っているか」という捉え方があると、マーシャルは指摘します。「間違っているものは正されるべき」という考えが暴力を正当化し、それが言動に表れるというのです。

この考えは他者にのみならず、自分自身にも及びます。「自分はもっとこうすべきだったのに」「なぜ自分はこんなこともできないのか」と自分を攻撃する心の声を、誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。自分の至らなさを埋めるためにさまざまな行動を起こすけれど、内面が満たされることがなく、果てには消耗してしまう。そんな人も少なくないのではないかと思います。多くのものを手に入れても、内面がどこか満たされない。

マーシャルがNVCを通じて提供しているのは、このような捉え方をがらりと変えるまなざしです。「自分の内面で何が息づいているか(What's alive in me)」に意識を向けると、そこから自分や相手とつながりをつくることができる、という視点です。

私たちの言動の源には、自分自身のいのちが満たそうとしている大切なもの(ニーズ)がある、とマーシャルは伝えています。私たちが心地よいと感じる(つまり快の感情をいだいている)ときは、ニーズが満たされている状態です。一方で、不快の感情をいだいているときは、何らかのニーズが満たされていない状態です。あらゆる感情は、いのちが何を欲しているのかを知るための重要な手がかりだというのです。

人生を豊かにするために大切なものは、自分の内面に意識を向けることによって気づくことができる。自分自身に耳を傾け、寄り添うことによって、人は本当の智慧と強さを思い出すことができる。この画期的な視点に、私たちはそれまで捉えていた世界観ががらりと変わるほどの衝撃を受けました。
……
NVCは今、世界中のさまざまな現場で、さまざまな人たちの個性が活かされながら実践され、伝えられています。本書を通じてNVCを生み出したマーシャルの想いに触れることで、みなさんの試みがより豊かなものになることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?