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『スローフード宣言ーー食べることは生きること』公式マガジン

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『スローフード宣言ーー食べることは生きること』(アリス・ウォータース著/小野寺愛訳)に関する記事
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2022年11月の記事一覧

100年続く美味しさ:文化を作るということ

レイチェル・カーソンは「知ることは感じることの半分も重要でない」と言いました。それはまさに、子どもたちを毎日見ていて感じてきたことだったけれど… それ、子どもだけの話じゃなくて、大人も結局、同じなんだよなーと、最近よく思います。 どんなに大切なメッセージでも、説教されるよりも「体感」したときに腹落ちするもの。だから、視覚も嗅覚も全開にして自然の中に身を置いたり、大切に育てられた食材を大切に料理したものを食べたりすると、ハッとすることがある。 そんなことを考えていた折、その

枠を超えろ、五感に響け

先日、『スローフード宣言〜食べることは生きること』出版記念トークの第2弾で、シェ・パニース元料理長のジェローム・ワーグさんにお話を伺いました。 そんな風に語ってくれたジェロームは、アリスが息子のように大切にしている人。「アリスが最も愛した料理長」という表記を読んだこともあります。 まずはアリスとの出会いを聞きました。 ジェロームは、シェ・パニースで25年間働いていましたが、途中からは理事会にかけあって、料理人としての勤務を週3回に減らしたそうです。理由は、「食と政治をつ

#文化の日 『スローフード宣言』

このごろ、食べることばかり考えている。 もともと食いしん坊なのもあるが、今長期的に挑んでいるプロジェクトのなかで、より多角的に食と向き合うようになった。 そんななか、縁あってとあるサンプル本をいただいた。 アリス・ウォータース著、小野寺愛訳、『スローフード宣言 食べることは生きること』だ。 島根県の離島にある「海士の風(あまのかぜ)」という小さな出版社から出されたこの本。著者の価値観に近い出版社と組みたいという思いからここに決まったそうで、なんだかその成り立ちを思うだけで