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コロナという大義名分.2

最近の葬儀のキャッチフレーズ(←言い方古いか?)に多いのはなんだと思いますか?

・お葬式を家族のものに(株式会社 家族葬 ファミーユ)

・全てお任せで手間を取らせないお葬式(どこかで見た)

・地域最安値宣言!(どこかで見た)

・高額な葬儀はいらない!(これもどこかで見た)

少し前までは、「あたたかな心で送る・・・」とか「真心」とか「大切な家族にありがとう」とか、そんな雰囲気のフレーズが多用されていました。

最近は、ずばり!!「お安いですよ」「適正価格ですよ」っていう、葬儀代金が他と比べて低価格ですよ!っていう雰囲気を暗に匂わせているものが多いと思う。

「家族葬」というフレーズが出てきたのは2003年前後からだったと記憶している。それより以前は、身内だけの少人数での葬儀のことを「密葬」と呼んでいた。

本来の「密葬」の意味合いとはかけ離れた使い方で、お金をかけたくないとか、お金がかけられないとか、親族を集めたくないとか、そういう含みを持たせつつも、そうではない葬儀、というスタンスを保つような、なんだかよくわからない意味を持たせたフレーズとして使われていたように思う。

しかし、一人歩きし始めた密葬という形態は
密葬=お金をかけずに執り行う葬儀というイメージが強く刷り込まれてしまい
密葬でやります!→お金をかけたくないの?古人に想いはないの?ケチなの?などなど、後ろ暗い感覚がつきまといはじめた。

葬儀を簡単に簡素に簡略に済ませたかったんだよ、と思われ兼ねない「密葬」は嫌われはじめました。


そこに登場したのが「家族葬」というフレーズです。
これが大ウケ!
家族が心を込めて温かく見送る葬儀形式。。。
いいじゃん?家族葬!超いい感じ~!

内密に簡素に簡略に簡単に簡潔にササッと済ませてしまう安上がりで背徳感たっぷりの密葬と比べたら雲泥の差!中味はおなじなんだけどね。

イメージ先行で大衆から迎合された家族葬。

ちょっとした後ろめたさとか、罪悪感のようなものを一掃し、お葬式としての体裁を保ち お坊さんにも納得してもらえて 儀式としても成立するし 家族が一丸となって見送りの責任を全うする達成感と満足感を味わうこともできるスペシャルなものとなりました。

葬儀社の側からすると
人数が少なければお花もでない 返礼品も出ない お料理も少ない もしくは無し。何より、人目を憚るわけではないが見た目に囚われることも見栄を張る必要もない。
柩も祭壇も気張らなくて良い。

そもそも「家族葬プラン」ていうものは安価な設定で提供している業者がほとんど。実際、ただの価格競争ですよねー。手間とかかる人手は一緒だから利益率が低い。薄利多売の論理。自分で自分のクビを、締めたも同然。

聞こえが良くて安価で煩わしい問題もあらかたクリアできる家族葬はアッという間に定着しました。

街のお母さん食堂を作りたい!シングルマザー専用のアパートを運営したい!障がい者雇用を産み出したい!人生100年!社会とのコミュニケーションがないと人生つまらない!夢は壮大です。生きづらい世の中ではあるけれどもまだまだ捨てたもんじゃない!小さくても1歩目がなくちゃ未来は始まらない!