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セナのCA見聞録 Vol. 38 パスポートは2冊分の厚さ

国際線のパイロットとCAは、海外渡航が仕事。

国を出たり入ったり、の繰り返しです。

例えば、フライトスケジュールが以下のような場合、

午後 成田 ✈️ ソウル、 夜 ソウル✈️ マニラ、(一泊)

翌朝 マニラ✈️ソウル、 午後 ソウル✈️成田 

成田を出てから同じ飛行機でソウル経由でマニラまで行きます。

ソウルで一旦乗客を降ろし、清掃、食事の入れ替え等をしている間、私たちクルーは空港内で数時間待ち、用意が整うと、また乗り込んで新たに別の乗客を乗せてマニラまでサービスします。

翌日はその逆。マニラを出発してソウル経由で成田に戻る路線です。

こういうスケジュールでは、一回の乗務でパスポートには8個の出国、入国のスタンプが押されます。

この1回の乗務が4レグ(路線)ある場合、これが月に10本組まれていると、ひと月で80個の出入国スタンプが押されることになります。

これは多い方ですが、一月に数十個のスタンプを1年、2年と毎月続けていたら、パスポートの査証ページにはスタンプを押す余白がなくなってしまいます。

入管の人たちも、そこら辺はよく分かっているので、キチキチに詰めて、一ページにぎっしりスタンプを押してくれるのですが、それでも余白は激しく減っていきます。

すると、どうするか。

査証ビザのページを追加してもらう申請をします。

もともと40ページ余りある査証欄に、さらに40ページほど追加してもらうことができます。

外務省の使う言葉ではこの手続きを「増補」というそうです。

私は飛び始めて3年目で、この査証欄増補申請を行いました。

戻ってきたパスポートは厚さが二倍になって返ってきました。

空港で分厚いパスポートを持っている人を見かけてたら、パイロットかCAかもしれません。

(*注 2000年当時)






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