できる事から始めます。


#未来のためにできること
 薪ストーブのある家は、今では珍しいだろう。我が家の薪ストーブで薪を燃やす火の世話をした。堅木と言われる木は火持ちがいい。杉は、火持ちが悪い。すぐに燃え尽きじっくり燃えてくれない。
 ストーブに薪を入れれば簡単に燃えてくれるのかと思っていたが、簡単ではなかった。気をつけて火の世話をしてあげないと良く燃えてくれない。火の勢いが強く燃え続けるだろうと安心していると、いつのまにか火が消え燃え切らない薪がくすぶっていたりする。
 間伐材や老木を薪にするが、早々良い薪となる堅木は手に入らない。直径30㎝はあるような堅木をご近所からいただいたことがある。乾燥し良い薪にできる木だった。
 切り倒したばかりの生木は、乾燥させるのに1年かける。翌年の冬用の薪とする。生木は燃えにくい。煙をシューシュー出して燃え、なかなか温かくならない。生えている木を切るのはそんなに簡単ではない。その木を所有していることが大前提であるが、木を安全に切るのには技術がいる。
 薪ストーブのある暮らしに憧れて薪ストーブを買ったが、その薪の確保が課題だった。製材所で端材を買い、薪にしたこともある。端材はすぐに燃え、暖が続かなかった。
 火の世話をしながら、気づいたことがある。どんなに立派な堅木で十分乾燥させてあっても、その木1本では、燃え切らない。途中で火が消えてしまう。細い薪や小ぶりの薪を一緒に燃やすと太い堅木も良く燃えた。何度も実験的に薪のくべ方を変えてみたが、同じだった。
 たき火でも同じだった。たき火は市の条例等で禁止されている区域もあるが、里山にある我が家ではよくたき火をした。そのたき火の燃え方も薪ストーブとおなじ現象が起きていた。どんなに火勢が強くても、丸太1本だけでは燃えない。だんだん火勢が弱まって火が消えてしまう。
 ひとりの力が強く、優れていても、有能であっても、その力を発揮するには一緒に燃えてくれる人がいなければ、その力を十分に発揮できない。それぞれの役割を最大に発揮しあって、その太い堅木の薪は最大火勢となり燃える。そして燃え尽きる。
 それぞれがそれぞれの持ち場で最大の力を発揮できること、できるような環境にすることが大事だ。老若男女がそのおかれた時と場所で最大に力を発揮できる社会が持続的に発展可能な社会ではないか。
 特段の秀でた力がなくても、今ある場所、今持っている力を最大に発揮することが相互に影響しあい発展できるのだと思う。
 

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