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「支配」

私に支配欲は無い。管理もしたくない。
だけど、私と離れたあと、私に教え込まれた知識で他の女性と交わり、思うような反応が得られず自信をなくして欲しい。通用しないこと、貴女仕様だったことを思い知り、這い上がれない穴底へ落ちて欲しい。暗く深いそこで、一人しくしくと泣いてほしい。

「幸せも悲しみも、全部全部支配してもらえたら、どんなに幸せだろう」

終わってしまう。終わっても良い、このまま終わりたいと望むはずよ。
だってそうでしょう。
君の幸せは私に殺められたいと望んでいるし、私に与えられる絶望で悲しみながら穏やかに死んでしまうから。
だから支配はしないのよ。支配されず、天にも地にも属せない。
この孤独が、君には一番つらいことだとわかっていても。

「僕が全てを投げ捨てる時、最後に名前を彫らせてください」

じゃあその光景を見届けましょう。
グズグズと泣き崩れながら、彫刻刀で彫り続ける君の姿を。
次から次へ溢れ出る血液で滑り、彫り途中の文字が見つけられない。
それでもがむしゃらに彫り続けて、気づけば当たり一面血溜まり。
我に返り振り返ると、大丈夫、私はすぐそばで見守っている。
涙と鼻水と唾液と血液でくちゃくちゃになった君の姿を。

「彫り終えたら」

彫り終えたら。全てを手放した君はどうなる。
わずかに残った君の成分が全て浄化される。
手放したはずの何かが、まだその手の中に残っている。

支配も管理もしません。
全ては君が決めましょう。
辛く苦しいなら、愛を問いなさい。
ここは、暗く深い底なのだから。

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