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ソウルでの惨劇、次の日の渋谷―当日の様子と現地の語り、そして、SNS―

 10月29日夜、韓国ソウルの梨泰院にて、ハロウィーンのため集まった人々が狭い路地で折り重なるように倒れ、圧迫、すなわち「群衆事故」により153人が死亡103人がケガを負う(18:52現在)という、あまりに悲惨な事故が起こりました。

 この悲惨な事件の翌日である10月30日、渋谷では大規模なハロウィーンが行われています。現地の状況はどうなっているのでしょうか?夕方ごろの渋谷センター街を歩き、確かめてみました。

〈渋谷の様子〉

17:00:渋谷メイン通り外

まだ、夕方前ということもあり、メイン通り外ならいつもの人混みと変わらない印象です。

17:20: 渋谷メイン通り付近

20分ほどで急激に人の流れが増えました。少しづつですが、歩くスピードを遅くせざるを得なくなっています。キョンシーやドラえもん、看護師など、ハロウィーンの仮装をしている人もかなり増えてきました。

17:30:渋谷 109付近


まだ夕方でピークには程遠いですが、昨年と比較しても、多くの人混みが確認できました。ソウルの一件があったからでしょうか、非常に多くの警察車両がスタンバイし、DJポリスも群衆に対し、注意喚起を行っていました。人混みを歩いていると、「昨日の韓国のやつ、見た?ヤバくない?」や「今日、普通に怖くない?」といった声が聞こえてきました。

18:00: 渋谷 スクランブル交差点

JR口の方から多くの人々がセンター街へと向かっているようです。30分前と比較して、急激に人の数が増えたように感じます。ただ、18:00時点では大きな混乱は起こっていないようです。

<渋谷の人々の語り>


渋谷の街にいた方々にお話を伺ってみました。プライバシーの観点より、個人名等の情報は記述しておりません。また、掲載に関しては全員の方より承諾を頂いております。

・20代(大学生) 女性たち(3人) 

筆者「受けてくださり、ありがとうございます!コロナ流行後、初めての大規模な渋谷ハロウィーンですが、いかがでしょうか?!」

20代女性「はい、久しぶりのハロウィーンなので、危なくないように楽しみたいです!」

筆者「危なくないように、というのはどういうことでしょうか?」

20代女性「昨日、韓国の事故があったじゃないですか。今日、来たには来たんですけど、友達と『人混みがヤバくなってきたら帰ろっか』ていう話をしていました」

筆者「なるほど。やっぱり、昨日のソウルの事故はかなりショッキングでしたか?」

20代女性「SNSとかで動画が流れてきたんですけど、心臓マッサージとか押しつぶされてたりとか、見てて普通にめっちゃ怖くなりました」

筆者「私も見てたんですけど、目をそむけたくなるものでしたね。今日のハロウィーンが無事なものだといいですね!良いハロウィーンを楽しんでください!」

・30代 飲食店の男性(1人)

筆者「お受けしてくださり、ありがとうございます!2年ぶりの大規模な渋谷ハロウィーンですが、いかがでしょうか?」

男性「まあ、何もないのが一番だよね。昨日の韓国みたいな事件は起こってほしくないね」

筆者「昨日のソウルの事件を受けて、渋谷の人の流れは例年より減っているように感じますか?」

男性「うーん、どうなんだろう。まだ、18時半ぐらいだからわからないけど、すこし少ない、、、、、、、のかな?けど、警察車両とかはいっぱい来ているよね」

筆者「確かに文化通りの方とか、とんでもない量の警察車両が来ていますよね。久しぶりの大規模な渋谷ハロウィーンですが、お兄さんのお店にプラスになっていますか?」

男性「それはないね(笑) あいつら(渋谷ハロウィーンに来る人々)は行くとしてもコンビニかラーメンくらいだろ。俺の店なんかには来ないよ。むしろ、いつもより少なくて困ってるぐらい(笑)」

筆者「あー、そうなんですね。お店によって、ハロウィーンに対する見方も違いますよね。ありがとうございます!」

・20代 外国からの観光客


筆者の言語能力の関係で一部間違い、または、聞き間違いがあるかもしれません。ご容赦ください。

筆者「Thank you for acceptting my interview !! How do you feel about Shibuya-Halloween, which is held for the first time in 2-3 years ? (インタビューを受けてくださり、ありがとうございます。2-3年ぶりに開催される渋谷ハロウィーンをどのように感じますか?)」

観光客の方「I come here for the first time, but it’s really awesome !! (私はここ(渋谷)に初めて来たけど、とってもいいね!!)」

筆者「It sound good. I’ll be glad for you to enjoy this Halloween in Shibuya. Actually, yesterday, big serious incident happened in Soul, South Korea and about 150 people, espeacially the young died. Did you check this News? (それは良いですね。あなたがこの街のハロウィーンを楽しんでいただけると嬉しいです。実は昨日、韓国のソウルのハロウィーンイベントで約150人の若者が無くなる事故がありました。このニュースは知っていましたか?) 」

観光客の方「Of course, I watched this news this mornig. It’s really terrible incident. I hope such a terrible incident wouldn’t happened here. (もちろん、今朝、見ましたよ。とってもひどい事故だった。私はここ(渋谷)であのような出来事が起こらないことを祈っています)」

筆者「I hope so, too. Thank you for cooperating with me ! Please enjoy today ! (私もそうなることを願っています。ご協力ありがとうございます!楽しんでください!)」

・写真を撮っている筆者に話しかけてきたおじいさん

おじいさん「やっぱり人がいる渋谷のハロウィーンはいいね。渋谷はこうじゃないと。何事もなく、みんなが楽しめるといいね(笑)」

<梨泰院の事故とSNS
―私たちの身を守るために―>

 今回のソウルでの悲惨な事故の様子というものはSNS、とりわけTwitterを通じて、急速に拡大し、意図とせず目にする機会があるかと思います。実際、Twitterの投稿を分析してみると、「梨泰院 事故」というキーワードで「話題」のカテゴリーで検索し、表示された投稿30件の内、10件に事故の瞬間・最中のあまりに痛ましい動画が添付されていました。Suicide Awareness Voices of Education(2017)も指摘するように、人の死などが関わるショッキングな映像の閲覧はその人のメンタルヘルスや健康に深刻な影響を与える可能性があります。ですので、ご自身の健康と相談したうえで,SNSの情報に触れましょう。もし、仮に動画を閲覧し、とても悲しい気持ちになってしまった場合は、抑え込むのではなく、周りにいる人に打ち明けてみましょう。仮に近くに話せる人がいなくても、そのような状況に対応しているホットラインなどもあったりします。下記にURLを貼っておきます。

特定非営利活動法人あなたのいばしょ
(https://talkme.jp/about#summary) 
(最終閲覧日:2022年10月30日)

今も死者数が増え続け、被害がどこまで拡大するのかは見当がつきません。1人でも多くの命が助かることを祈っています

参考文献
・Suicide Awareness Voices of Education (2017) recommendations for reporting on suicide, Suicide Awareness Voices of Education
(https://www.reportingonmassshootings.org/_files/ugd/a0415f_6771148fa5e24d16a0f9da3f764a03c1.pdf) (accessed on 15 September 2022) .

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