行く末にまつものは。
運動の為、ウォーキングコースがある公園に行ってきました。
もともと街中を歩くのは好きではないし、今の時期は控えめに行動しなければなりません。
人との距離も気にしなくていい、大きな公園がちょうど近くにあったので、有難かったです。
のんびり歩いていたら
あらま、こんなところに桜桃が。
鳥さん、見落としてますね。
可愛い一輪の花も見つけました。
どんどん進んでいきます。
排気ガスのにおいや音、人の姿もないと、だんだん心が落ち着いてきます。
木々に囲まれながら悠々と散歩ができるなんて、ちょっと贅沢です。
青やピンクに色づく紫陽花の咲く道。土や草が湿る匂いと虫の気配。
静かで心地いいです。
舗装された道は途切れ、茂みの深い方へ歩き続けていくと、
立派な松の木が目の前に立っていました。
このあいだ、松の実の日記を書いたところだったので興味津々。
生長が良い松の木です。頭上を高く見上げると、新鮮な松の実が生っていました。(写真には載っていませんが、黒い毛虫、たくさんいました)
花言葉は、「不老長寿」。
ギリシャで発見、樹齢1075年。アメリカで発見、樹齢5000年。
すごいですね。
「ああ、健康って大切だなぁ……」なんて、一人突っ立って考えていたら、主人がいきなり「おい」と、呼んできました。
「え?」
「え?」のあと「何?」と返事する間もなく、
「おい! こっち見て見ろ」と。
あぁ、変な物体。 見つけましたね。
見つけてしまいました……。
「はっ」
ヌーです。 ヌートリアです!
初見っ! 感動っ!
巷でウワサの害獣ヌートリア!
松の木の横にあった小さな池で、一匹のヌートリアがぬくぬく泳いでいたのです。
南アメリカ原産、ネズミ目、ヌートリア科。
別名:沼狸!
またタヌキですよ!(夜にぎょっ。参照)
ヌートリア。
またの名を、舶来ドブネズミ!(舶来とついてドブネズミなんて……)
動物好きの主人が「こい、こい」と言うと、ヌートリア。逃げると思ったら、
……来ました。
……来ちゃいましたよ。
陸に上がってから、身体をゴシゴシもむように拭いてました。
念入りに両手で腹をもむ姿を見ていたら笑ってしまいました。
間抜けのようでいて、なんて可愛らしい動きをするのだろう。
主人と私、静かに見守っていたら、ヌートリア。
さっそくクローバーを食べ始めました。
すごい食欲!
何もかも食らい尽くすのではないか。そう思う程、食欲旺盛。
ヌートリアは一日中食べ続けます。意外と図体も大きかった。
田畑を荒らす、嫌われモノTOP10に必ず入るのがヌートリア。
でも、嫌われモノのヌートリアも、好きで日本に来たわけじゃありません。人間の都合でわざわざ連れてこられたのです。(日本では、毛皮を剥ぎ、軍服にするためだけに輸入された。戦後は需要が激減したため、野放しに)
事情を知っているので、見てると少し複雑な気持ちにもなります。
何せ、警戒もせず、人目も気にせずに夢中で食べ続けているのですから。
松の木の陰に隠れていなくても、接近してみても、まったく逃げません。
やっぱり、 ひたすら食べつづけています。
「……?」
気付きましたか? 奥にいる、黒い物体……。
猫です。野良猫が来ました! ヌートリアも気づいたようでした。
私ははじめ、ヌートリアを狙って猫が近づいて来たと、ハラハラ見ていたのですが、主人は「あれは狙っていない。猫は、あのヌートリアのことを知っている」と言いました。
私は理解がすぐできず、「猫だからネズミ狙ってるんじゃないかな」と返しました。でも、主人はすぐに「よく見ろ」とあごで指し、「手、おりたたんで座り込んだだろ。狙ってない」と言いました。
「う~ん……、本当だ。自分より体格が良いから狙わないのかな」と私。「お互いのこと、よく知っているから、あれが日常なんだろう」と言う主人。
散歩でたどり着いて、たまたま見た光景は、なんとも微笑ましかったです。
おわり。
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