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【読書日記】「深い河」

「インドに行ったら人生が変わる」

 今のところそのチャンスは残念ながら巡ってきていないが、この川はガンジス川のことだという。
 パンデミックになって、ニュース映像で遺体を焼いているのをみたので、想像しながら読み進めることができた。
 
 行き着くところまで行きつかず、ちょうど良いところでやめて、壁があったら引き返す。そんなふうに暮らしてきているなあと思うことがある。
 もしも、私も大津のような人に出会ったら、それがかわるのだろうか。

 そうなるには時間が足りないと思ってしまうのだ。自分の手の届く欲望の範囲内で今を暮らしていければいいのかなと思っている自分がいる。
 けれど、世界は広く、流れる川のように、その川も自分の知る川ではなくて河がある。
 そのことを自分の目で見て知った時に、怖くなって逃げ出してしまうだろうか、それとももっと深く知りたいとその水に身を浸したくなるだろうか。
 
 とりとめなく思い巡らせてしまう、そんな物語だった。

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