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幸か不幸か〈前編〉

私は前回のノートに記した通り、三国志オタクなのだが、先日、日本春秋旅行社による「三国志ツアー」に参加する形で5泊6日、中国を訪れた。
そこで、今回のツアーであった出来事を少しづつ書いていきたい。

今回のツアーのメインは『曹操高陵』であった。曹操とは三国志の登場人物であり、隋や唐など今後の中国にも繋がる業績を残し、歴史的に見ても重要人物である。だが、彼は本場中国では悪役のイメージが強く人気がない。この理由も次回以降に書きたい。

とにかく、すごくて、日本ではある程度人気があって、私が大好きということだけわかってもらえれば良い。

そんな人物のお墓は2009年から発掘が始まり、現在は博物館を作るため工事中であり、一般公開はされていない。だが、今回は早稲田大学の渡邉先生が頑張ってくれたり、ある程度の額を払い、特別に入ることができる。
金欠大学生の私は親に借金をしながらこのツアーに参加した。

安陽の街からバスに揺られ、気がつくと一面トウモロコシ畑になっていた。バスが停まると、目の前にはまるで工事現場かのような塀で囲まれた施設が現れた。

警備員の様な人がうろつき、一般人は入れない様になっている。

だが、今日は違う。扉は開かれ、40人程の日本人が中に入った。

敷地の中に足を踏み入れると、職員の女性から説明があり、それを現地ガイドさんが訳す。

「写真を撮ってもいいのはここまで、大人数で近づくと危ないから3回に分けて近くまで行きます。」

この言葉で40人の日本人がざわついた。

旅行社の社員さんは墓の中に入れるように手配したはずだと、現地ガイドと揉め始め、ツアー常連組も、思ってたのと違う!と嘆き始めた。

結果、近くに行って中を覗き込むだけしかできなかった。

私はこの時思った。『良かった』と

結論から言うと怒る人がいてもしょうがない理由で入れなかったみたいだが、
入れなかった理由と私が大好きな人のお墓に入れなくて良かったと思った理由は<後編>で述べる。

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