ピオフィオーレの晩鐘1926感想2

サブキャラについての別記事を書きます、と言ってから3年経っていることに慄きました。時の流れが早すぎて恐ろしいです。有言不実行になっていて申し訳ないです。
これは言い訳なのですが、あの後、すぐに記事を書こうとはしたものの、うまくまとまらない上に面白くないような気がしてずっと放置していました。
どうしようかなと思ったのですが放置したままというのも気がかりですし、だからといってゲーム終了直後と同じような熱量で語ることも難しいので、ゲームプレイ当時の感想メモを抜粋して載せてみようと思います。
プレイしながら備忘録的に書き残していたもので、完全に自分用(私は初見感想を読むのが大好きなので後の自分のためにセルフ初見感想をよく書いています)であり、感想メモというよりは読む実況という感じなのですが、お付き合いいただけるという方はよろしくお願いします。
ひとつ注意事項として申し上げておきますと、こんなすまして書いていますが実際私の言葉遣いはまぁまぁ荒く、ゲームプレイ中はテンションも上がっているので、メモの内容はここまでの文体とは似ても似つかない状態になっております。お見苦しい点も多々あると思いますので、ご了承頂ける方のみお読みいただければと思います。
余談ですが、割と真剣にピオフィのFDを望んでいたものの、可能性がなくなってしまい悲しいです……しかし最後に出たドラマCDが最高だったのであれがFDだと思って過ごしています!ステラワースの特典の小冊子も最高でした!今でも何度も聞き返し読み直して大切にしています。ファンレターみたいになってしまった。本題に戻ります。

万が一純粋な感想を求めてこの記事にたどり着いてしまったという方がいらっしゃいましたら、こちらの記事をご覧いただければと思います。この記事は私がとあるサブキャラに狂わされた話を切々と語り、雄叫びを上げているだけなのでご注意ください。

※ネタバレしかありません。万が一プレイ予定がありプレイしていない方がいらっしゃいましたら、是非未読のままゲームをしていただくことをおすすめします。この記事は本編の重要なネタバレを多分に含んでいます。





前回の記事を読んで下さった方は薄々お気づきかとも思いますが、私を狂わせたキャラというのは、テオです。
公式HPのキャラクター紹介ページでも、今作から登場するサブキャラとしては説明が最も少なく2行しかない、事前情報がほぼ入らず何もかも謎めいている彼です。
繰り返しになりますが、万が一未プレイでこの記事を読まれている方は、これ以上読み進めることはせずぜひご自分でプレイしていただければと思います……事前に知ってしまうと楽しみが半減してしまうかなと思うので……彼については公式の情報以外何も知らずにプレイしていただければ…………
以下、メモ抜粋部分は太字で書いています。


私がテオに気を狂わされたのは2周目、ニコラルートをプレイしていた時です(因みに私はギルバート→ニコラ→オルロック→楊→ダンテ→alternativa→アンリの順でプレイしています)。

テオの第一印象というのは酷いものでした。ギルバートルートでどうやら怖い男らしいという片鱗だけ掴んでいたので……
テオが登場した時のメモがこちらです。

テオが出てきてギャーーーーー!!!!って叫びそうになったわ オメーがヤバい奴らしいことは知ってるんだからな 教国ヤベー奴多すぎじゃない? イヤーーーこわ

とまぁ出会いは散々だったのですが、ニコラルートでは度々テオと遭遇することがあります。優しい顔をして話しかけてくるものの、腹の底は読めないし、何考えてるか分かったもんじゃない……怖い……と終始身構えていました。絶対腹黒キャラだと思っていたので、ちょこちょこ実はいい人だったりするのか……?という言動が挟まっても警戒は解きませんでした。

実際プレイヤーの私たちがテオの内心を窺えるタイミングって結構少ないんですよね。まぁそれは主人公たちも同じなんですけど……
主人公のこと気にしてるのかな?と思いつつ、ニコラとの仲を裂くようなことをしてくるし、もう何?考えてることテロップとかでずっと表示しててくれない?て思ってました。
妹に似てるから放って置けない、と言われても信用できず、本当に妹いるのか?とまで疑っていました。

それが一変するのが、ニコラルートでのテオ最後の出番、1人でファルツォーネの屋敷に襲撃に来るシーンです。
というより、その直前、MS「圧力3」にてテオ側の内情が垣間見えるシーンから。
どうやら上司らしき存在に主人公の恋人・ニコラが属しているマフィアの一派を逮捕せよと急かされている様子のテオ。もう待ちきれないと痺れを切らしそうな相手に、テオはもう少しだけ待ってほしいと懇願します。
テオが逮捕を躊躇しているのは、マフィアの恋人である主人公を慮っているからであろうことはわかるのですが、つい最近会ったばかりのはずのテオがどうしてそこまで主人公のことを気にかけるのか、真意が分からずに疑問を抱えたまま読み進めました。
そこで回想が入り、以前主人公とテオが会話をした時のワンシーンをテオが振り返ります。
テオはオッドアイで、右目は主人公と同じ鮮やかな緑色、左目は金色なのですが、主人公がその目の色を褒めたことがあります。

あなたの右目と私の目の色はお揃いでしょう?あ、でも私の瞳よりテオの──飴色の瞳のほうがずっと綺麗だけど。

ピオフィオーレの晩鐘1926 NICOLA Chapter06 cantabileより

主人公にかけられたこの言葉を思い出し、会うべきではなかった、知ってしまったばかりに今俺はあの子に害が及ばないようにしたいと思っている、と考えるテオ。そして何かを決断した様子で、シーンが移り変わります。

テオの決断というのは、自らの手でファルツォーネのカポであるダンテと、アンダーボスであるニコラを葬る、ということでした。逮捕という形を取られると、ニコラの恋人である主人公にまで危害が及ぶからです。この時の政府は過激派で、マフィアを根絶するために本人だけでなくその恋人や家族もろとも拷問にかけるという手段を取っていました。そして、テオは単身で彼にとっては敵地とも言えるファルツォーネの屋敷に乗り込みます。

さすがにここまでされれば彼の主人公に対する思いが本物らしいということがわかり、私は読みながら混乱と疑問でいっぱいでした。どうやらテオは本当に主人公の助けになりたくて動いていたようだということはわかったものの、その理由が全くわかりません。本当に妹に似ているからというだけでここまでしてくれるのならば、中々の狂人です。何がそこまできみを突き動かすんだと思っていたら、テオの元(正確に言えば襲撃されたダンテの元)に主人公が駆けつけます。

テオは諸々の事情がありとても強いので、護衛たちを軒並み引き倒し、あと一歩でダンテに手がかかる、という瞬間、主人公に名前を呼ばれて動きを止めます。
どうしてこんなことをするのかと問う主人公に、テオは遠回しに主人公の安全のためだ、という旨を説明します。しかし当然ながら主人公にその主張が受け入れられることはなく、私のためだと言うならこんなことはやめて、と言われてしまいます。

まぁそりゃそうだよな、と思った次の瞬間、視点が切り替わり、テオのモノローグが始まります。その時初めて知るテオの本心に、私の心がめちゃくちゃにされたのです。

この子は俺じゃなくてニコラを選ぶ。……それは当たり前のことだ。俺は、自分が誰なのかさえ話してない。……話せない。(中略)【家族】として、名乗り出ることもできない。(後略)

ピオフィオーレの晩鐘1926  NICOLA Chapter06 cantabileより

全ては書きませんが、とにかくもう、このテオの独白で、これまでの行動の全てが腑に落ち、感情の波が一気に押し寄せました。その時のメモがこちらです。

えっっっっっっっっ
まってまってまってまって
え………………え????? ておテオ……………え????? ちょ……………え??????マジで?????
まってくれ テオ 泣くんだが ほんとに泣きそう お前……………お前そんな……………お前……………妹ってそんな……………泣くが…………ほんとに涙出てきた えぇ………………
疑ってごめん……………テオ………………テオ…………………;;;;;;
今後テオの救済ルートはあるんですか???? お願いだから…………お願いだから存在しててくれ……………テオぉ…………………;;;;;

三点リーダとハテナの多さから動揺っぷりがよく窺えます。
妹に似ているどころの話ではなかったのです。まさかテオが主人公の実兄だったとは…………

私が衝撃を受け止めきれずにいる中、テオは反撃を受け、殺されてしまいます。死に際につい視線を向けた先は主人公のところで、しかしテオは伸ばしてしまいそうになった手を堪えます。真実を知ったら主人公は悲しむだろうからと、これでいいんだと自分に言い聞かせ、何も告げないままテオは死んでしまいます……

その後どうにか持ち直してニコラルートは存分に楽しんだのですが、頭の片隅にずっとテオのことが残って消えなくなりました。いてもたってもいられずスタッフブログを見に行き、テオが登場するルートを検索に行きました。どうしてもテオの救済ルートに出会いたかったのです。テオと主人公が仲睦まじく兄妹として過ごす様子が見たい、その一心で必死でした。この時点で、テオが主人公とは敵対する立場にある人間だ、という部分は考えないようにしています。テオの救済ルートなんて存在するのだろうか?と考える冷静な自分を黙らせ、理屈はいいから幸せな2人が見たいんだよ!!と感情120%の自分でスタッフブログを読み漁りました。
調べた結果、どうやら他にはダンテとオルロックのルートで主に関わりがあるらしいとわかり、次は楊のルートをやろうかと思っていたところを急遽方向転換し、オルロックのルートに進むことに決めました。テオの幸せを求めて(目的が間違っている)。

しかし、意気込んで始めたものの、オルロックとハッピーエンドを迎えても、テオには殆ど会うこともできませんでした。あれれ〜?おっかしいな〜?と首を傾げつつ、ひとつ別のお話を読んだことで冷静になり始めます。

ニコラ√のさいごの衝撃で薄れてたけどこいつ基本ヤベー奴なのよな……

終わりよければ全てよしとは言いますが、テオがこれまでやってきたことを冷静に考えると、幸せになってほしいと無条件に言えるキャラクターではなかった、
ということをようやくここで思い出します。

しかしスタッフブログにはオルロックルートで出番があると書いてあったはず。じゃあまさかとバッドエンドに進んでみた途端。現れました、この男…………
ドウシテ…………

しかもめちゃくちゃ恨まれているし、ニコラルートでの主人公を気にかけまくる彼はどこへやら、最終的にオルロックBADの2人はテオに殺されてしまいます。ドウシテ…………(2回目)
事実を並べるとただただ恐ろしい男ですが、ニコラルートを通ってきた私にはテオに対して何重ものフィルターがかかっているので、大分舐め腐った感想が書かれていました。

BAD読んだけどもテオこっちに出てくんじゃね〜〜か………… なんなんだお前のその骨折感情は お姉さんに教えてみ?ん?

殺された人間の発言とは思えません。恋は盲目とはよく言ったものですね。この場合テオに感じているのは恋ではなく推し感情ですが。

先ほどまでとは打って変わったテオの態度に、戸惑いを隠せないまま楊のルートへ向かいます。ダンテのルートは最後にやると決めていたので、テオはしばしお預けです。

楊のルートでもちらほら出てきてはくれたのですが、やはり私の知るテオ(ニコラルートで出会った彼)とはイメージがかけ離れています。以下、楊ルートでテオに会った時の戸惑いのメモです。

マジでテオは何を考えてどういう目的で動いてるの???

テオめちゃくちゃな奴なんだが ほん こいつはぁ!もう!何考えてるの!言いなさい!

テオからの殺意を感じても、主人公を守ろうとする気概は一切感じられません。
おかしいな、と首を傾げた私は、ここでようやく気づき始めます。

テオが何したいのかほんとによくわかんないんだけどなんとなくリリィをころしたいのかなぁとは思ってる これあれですか 逆ロベルトパターン起こったりします? 

意味不明かと思いますので説明します。
まず、ロベルトとは、第一作目のピオフィから登場しているサブキャラクターの1人で、ブルローネの刑事です。主人公にひっそりと想いを寄せていて、一作目のニコラルートではその恋心が暴走し、ストーカーと化した彼がラスボス的立ち位置に君臨するのですが、その他のルートでは至って真面目な刑事さんです。主人公への恋心を暴走させることもなく、なんなら手助けをしてくれたりもします。
しかし、私は一番最初に攻略した相手がニコラだったので、ロベルトの第一印象が完全に『危険な男』になり、その後どのルートでも彼と出くわす度にいちいち身構えていました。最後の1人まで攻略を終えてようやく、ニコラルートで会った彼があまりに特殊な状態だったのだと気づいたのです。
要するに、逆ロベルトパターンとは、最初の怖い印象から一転して悪い人ではなかったと気づくパターン、の逆、なので、”最初にいい印象がついてその後ずっと期待していたのに最後まで怖い人だった”、というパターンのことになります。

残すところ個別ルートはダンテのみ(アンリもありますが、少し特殊なので除きました)、となったところで、悲しい仮説が浮上し、テオの救済ルートは拝めないのだろうかと諦めが入り始めます。
この説が正しいとすると、ロベルトもテオもニコラルートで特殊な印象づけをされたことになるので、ニコラに八つ当たりもしていました。

ニコラ、サブキャラに特殊な印象づけをするのはやめてくれ

今後テオに救済が訪れることはあるのか?ドキドキハラハラしながらついにダンテルートに突入します。
ダンテルート、開始してすぐにテオと出会い、めちゃくちゃドッキリしました。一般人を装うテオ……ココアブラウンのジャケットがよく似合っています。

所々でテオが何か企んでいるらしい描写が挟まれ、救済ルートへの望みがどんどん薄くなっていくのを感じつつ、しかしまだ諦めたくないので一縷の希望にかけて読み進めていきます。

再びテオと街で出会います。とても優しく話しかけてくれるので、怯え半分このまま仲良くならない?という気持ち半分。知ったかするテオかわいいね。
ここでテオは再び「君は妹に似ているんだ」論法を持ち出してきて、盛大にダメージを喰らいました。その様子がこちらです。

 アーーーー!!!!その妹ムーブやめてください!!!!!私に効く!!!!!

しかも今回あろうことか、主人公は兄と言われてニコラのことを思い浮かべるのです。ダンテルートの主人公にとって、ニコラは兄のような存在だと明言されてはいたのですが、だからってテオの前で自身の兄として別の男を思い浮かべるなんて……なんてむごいことを……
この記事を書くためにテオの登場シーンを中心にプレイし直しているのですが、テオへの感情がぶり返して再びダメージを受けています。3年経っても新鮮に辛い。
さらに主人公はテオに対し自分を妹みたいに思ってくれる人がいる、という話をしてしまいます。酷い。テオの相槌が一気に冷たいものに聞こえます。やめてあげてくれ……
テオはその話を聞いて、結構大事にされてるんだね、と呟きます。もう嫌な予感しか感じません。はじめに声をかけてくれた時とは、声色からして全然違います。もう辛い。
ここで終わるかと思った兄妹話、なんと主人公が深掘りしていきます。もうやめてくれ。妹はどんな人なのか聞かれ、君に似てるかも、と答えつつ、はぐらかして早々に質問を終わらせようとするテオ。もう本当に辛い。
このシーンを初めてプレイした時の感想がこちらです。

お兄ちゃんみたいな人がいて……のくだりやめたげて……と思ったしそれが後の火種にならないでほしいしこんなに兄妹の話題押してくると思わなくて気づいてほしいの………?(震)って思いながら読んでる今 若干気づけよオラムーブしてるんだったら泣く

次にテオと会ったのは主人公が教会の炊き出しに参加している時なのですが、その時は特別目立った会話もなく、挨拶程度で終わってしまいます。主人公のこと追いかけてきたのかな、と思いながら読んでいくと、なんとこのシーンで、テオがこっそりファルツォーネの組員を殺したような描写が挟まります……ここで深まる私の絶望……ですが、最後まで諦めることはしません。絶対にテオの救済ルートに出会いたい。

物語の中盤に差し掛かり、仕事でアメリカに行くことになったニコラが、留守の間のことを主人公に頼むシーンに入ります。
ダンテのことを支えてあげてほしいと言われ、頷く主人公。信頼されているのね、と言うと、ニコラはもちろん、と笑顔を浮かべます。そこまではいいのですが……問題はその後……

前にも言ったでしょ。ダンテの恋人なら、君は僕の妹みたいなものだって。(中略)かわいい妹のことは当然信じるよ。

ピオフィオーレの晩鐘1926 DANTE Chapter4 Dialogoより

気持ちは嬉しいけれども、テオが存在をアピールしてきているルートでその発言はやめてほしい。そしてこの後、これに対する主人公の発言の選択肢として、『……お兄ちゃん』というものが出現します。どうしてそんなむごいことを???テオのことを知っている今、とてもじゃないけどそんな選択肢選べない、と思っていたら当時の私は選んでいました。ドM?

ダンリリのリリィがニコラと兄妹のような関係を築いている事実にほっこりしつつテオのことを知っている今お兄ちゃんと呼ぶのはものすごい罪悪感があああとか思いながらお兄ちゃん、の選択肢を選びましたああ…………

我ながらすごい胆力です。今となってはその選択肢は選べない。若さ故の恐れ知らず。

そして、物語も後半に差し掛かり、Chapter5に入ったところで、唐突に視点不明のモノローグが始まります。どうやら劣悪な施設から優しい夫婦に引き取られたらしい男の子。母親に写真を見せられ、「この子はあなたの妹よ」と教えられます。あなたのその目と同じ色の目をしていた、と。
そして度々両親から「お兄ちゃん」と呼ばれ、「妹のことちゃんと可愛がるよ」と返す男の子……両親は自分を大事にしてくれていたけど、自分を通して違う誰かを見ているように感じることもあった、と。

もう……これは確定じゃないですか。お兄ちゃんってそういうことだったの……?と震えました。てっきり生き別れの兄妹かと思っていたので、真相には少し驚きました。当時の感想もありましたがあまりにも浅いことしか書いていないので割愛します。

その後もテオの回想が挟まります。子どもの頃、テオは、妹の話を聞くたび、少し不安になりながらも、会ってみたいと思っていました。この頃のテオは、純粋に妹を想っていたのです。少しの寂しさはあれど、両親にも愛されていて、幸せでした。しかし、幸せな時間は長く続かず、両親は何者かに殺されてしまい、どうにか生き残ったテオは再び過酷な環境に身を置くことになります……
過去を振り返ったテオは、自問し、しかし今更何も変わらないのだからと、何かしらの覚悟を決めてしまいます。もうこの辺りでとうとうテオ救済ルートという幻想を抱けなくなります。

テオとの和解が不可能そうで泣いてる 逆ロベルトパターンじゃんこれ…………;;

悲しみに暮れながら読み進めていくと、ついにテオが主人公の元にやってきます。ナイフを持って。
主人公に不幸になってほしい、と言うテオ。テオの目的は、主人公の前でダンテを殺して、主人公を不幸にすることでした。
困った妹だな、と発言し、全ルートを通してここで初めて主人公にそれらしいことを匂わせます。いきなりそんなことを言われた主人公は訳がわからず、混乱しているうちにダンテが助けに入り、テオは一時撤退していきます。

もうダメです。このテオは、あの日見た主人公を気にかけるテオではなく、他のルートで何度も出会った主人公の不幸を望む怖いテオです。まさに逆ロベルトパターン。悲しすぎる。

主人公は、とある特別な使命を課されて生まれてきた子どもでした。そのため、身の安全を確保するために、マフィアが監視できる教会に有無を言わせず引き取られ、主人公の両親たちはその悲しみを埋めるためにテオを引き取ったのでした。しかし、その両親たちも主人公を狙った連中に殺されてしまいます。
テオは、自分の家族が壊されたのは主人公のせいだ、と強く思い、自分がこんなに不幸なのに、主人公だけがのうのうと幸せに生きているのは許せない、と思っていました。そのため、主人公の恋人であるダンテと、主人公の命を狙っていたのです。

後日、エミリオの仲介により、接触の場を設けられるダンテ・主人公とテオ。そこでテオは、自分が主人公の義理の兄であること、目と髪の色が主人公に似ているから自分が家族に選ばれたこと、両親が殺されたこと、その理由、全てを話します。そして、それらは全部、主人公が特別な存在として生まれてきたことが悪いのだ、と、剥き出しの悪意を主人公にぶつけます。
主人公が幸せでいることが許せなくて、それを壊すために動いていた、と言うテオ。しかし、最初からそのつもりだったわけではなく、もし今主人公が不幸な状況に身を置いていたなら、そこまで苦しめなくても許せる気がした、とも言います。けれど、実際に会ってみた”妹”は恋人もいて、酷い扱いを受けることもなく幸せそうにしていた。なので不幸を味わわせてやろうと思った、そう言います。
自分と比べて主人公はどれだけ恵まれた状況にいて、自分はどれだけ不幸だったかを、ダンテと刃を交わしながら叫ぶテオ。
そんなテオに、ダンテは応戦しながら言葉を返します。教会暮らしで、生まれながらに家族はいないと思って育った主人公はずっと寂しい思いをしていたことを話し、「よりつらく厳しい境遇に置かれていた人間しかつらいと言ってはいけないのか?」と問うダンテ。それに対し、テオは

「わかってるんだよ!そんなことは!」

と怒鳴り返すのです……。
わかっていても尚、理屈じゃなく感情で納得できなくて行動しているテオに号泣です。滅茶苦茶な理屈で動いていることも全部自分でわかってるのに、そうやって落とし所を見つけないと生きていられないくらい苦しかったんですよね……すごいわかったようなこと言ってますけど全部妄想です。

ダンテとの攻防の末、とうとうテオは銃に撃たれてしまいます。よろめくテオに、主人公が「あなたに死んでほしい訳じゃない」と声をかけると、テオは少し表情を和らげます。
自分が怪我をしたことに対し、主人公が傷ついた顔をしたのを見たテオは、自分が死ねばもっと苦しめることができるだろうと、屋上の柵から身を乗り出し、主人公の眼前で見せつけるようにして飛び降ります。
落ちていく最中、主人公への恨み言を呟くテオ。しかし、子どもの頃、純粋な気持ちで妹を想っていた頃のことを思い返し、脳裏に現在の妹のことを思い浮かべ、「わすれないで」と最期に囁いて絶命してしまいます…………。
以下はダンテルートを終えた直後のメモ抜粋です。

テオ………………………………………て、おま、テオ………………………………
テオ………………(泣いている) 救済ルートはないんですか!!?!?!?? おま、そんな、おま…………感情複雑骨折しすぎだろ………………そん………………テオ…………

ダンテの「より辛い立場の者しか辛いと言ってはいけないのか?」っていうリリィに寄り添ってくれる言葉に泣いたしその後のテオの「そんなこと分かってるんだよ!」に突っ伏した わかってて……全部わかっててそれでもなお…………そう思わずにはいられなかったんだよな…………………泣く…………………
最後の言葉が「わすれないで」なのもさ……………もうさぁ………………感情拗らせ複雑骨折大賞受賞でしょこんなん……………泣くが………………テオの救済√はないんですか………???(n回目)

……ちなみにalternativaにテオ救済ルートはありますかね?(諦めない精神)

ネバーギブアップの精神が根付いています。この後alternativaとアンリルートを攻略しますが、テオと出会うことはできませんでした。悲劇。

テオの内情を知ってから読み返すと、また全然違った見方ができて、ニコラルートでの彼を思い返して1人で泣きました。

ダンテ√を終えた今ニコラ√でテオがリリィに「その瞳おそろいね」って言われた時の感情を何となく察することができるようになってしまい泣く 正直めちゃくちゃチョロいなこいつって思ってたんだけどそんな理由があるとは思わなんだ そりゃああんな反応にもなるわな…………テオ………………(泣)
だめだテオのことを考えると情緒がぐちゃぐちゃになってしまう まさか新規のサブキャラにこんなに思考持ってかれると思わなかった テオぉ……………;;

そして、全てのルートを終えた後、限定版についてくる小冊子を読んだのですが、テオの話が……本当に……すごくて……私のただでさえ荒れ狂った感情にとどめを刺されました。
簡単に言うとテオが妹と暮らす夢を見ている、という話なのですが、このフレーズだけでもう泣けてきます。もうこの夢の中が正史でいい。

小冊子読んで感情がぐちゃぐちゃになった テオ…………………;;;;;;
テ……………そんな…………………そんなことある……………????? これでテオの救済ルートないの????嘘でしょ??????
FDほしいよーーテオを攻略させてくれ……;;うぅ…………;;

あまり気が狂いすぎて、テオに対する感情を公式サイトに投稿したりもしました。今となってはFDは望めませんが、小冊子の夢の中の世界を脳内に住まわせることにより、兄妹仲睦まじく暮らすテオと主人公の世界線を作り上げることに成功しています。私の頭の中ではテオはシスコンぎみのお兄ちゃんで主人公はブラコンぎみの妹です。私は正気です。

小冊子を読んだ後、テオへの感情がどうにもならなくて、ニコラルートを再び読み返したりしていました。以下はその時の感情です。

ニコラ読み返してたけどこのルートのテオがリリィに肩入れしてたのは(事前の接触で情が生まれたっていうのもあると思うけど)リリィの現状(もしくは行く末)を幸せだと判断してなかったからなのかなと思った 幸せだったらお前も不幸になれって思うくせに不幸になるかもしれないと思ったら幸せにしてやりたいと思うんかな おま……ほんと……テオお前って奴は…………;;
他のルートではそもそも接触する気もなかったのとリリィが幸せだと判断したから愛憎に変わっちゃったんかなぁと ほんとにどうして兄妹仲睦まじく暮らすENDはないんですか…………;;

テオ、「不幸だったら許せる気がした」とか言っておいて、実際不幸かもしれない妹を目にしたら、彼女を守るために動こうとするんですよね……本当に……これ以上私の情緒をかき乱すのはやめてほしい。

気づいたらとんでもない長さになっており自分でも驚いています。今見たら本筋の感想より字数がかさんでおり、若干引いています。
書き終わってから気づいたのですが、ネタバレどころの話ではなくなっていて、これは大丈夫なのか今更不安になっています。もし問題があるようでしたらその時は削除します。

最後までお付き合いくださった方がいらっしゃったとしたら、本当に感謝しかないです……。こんな感情詰め込みオタク長文を読んでいただきありがとうございます。お疲れ様です。
ピオフィをプレイ済みで、テオにあんまり注目したことなかったな〜という方がいらっしゃれば、是非今度はテオに注目してプレイしてみてほしいです。そして私と一緒に情緒をぐちゃぐちゃにしてください。
本当に長々とお付き合いいただきありがとうございました!テオの救済ルートはいつでも歓迎しています。発見した方は是非ご連絡ください。

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