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かもすぞー!日本と世界の発酵食あれこれ『もやしもん』

騒がしく自由な学校生活といえばこちらも外せない、某農大での学びが実地的すぎる日々。
久しぶりに読み返すと本当に濃厚でおもしろくて寝不足になりました。
石川雅之『もやしもん』です!

タイトルからは題材がわかりにくい…かわいい菌がわらわら出てくる あの漫画です。
菌はあれこれカビさせたり腐らせたり、身体に入れば命にかかわる細菌やウイルスもいますが。
食物を発酵させ、かもしてお酒に変えたりもします。おいしくなって役に立つ、菌たちの働きのことを人は「発酵」と呼び、活用してきました。腐敗と発酵は表裏一体、同じ現象だそうです。


物語の序盤は、キビヤック・ホンオフェ・シュールストレミング等々 世界の強豪揃いの発酵食が登場。臭いが強くて特濃です。嗅げませんけど画面から伝わってくる強烈な刺激臭が…。異質なノリに引き込まれます。

発酵蔵の完成後は、ワイン作りにビール作り、味噌に醤油も仕込みますし、日本酒の醸造も始まります。馴染み深い発酵食を自分たちで作るのは楽しそう。仕込みの作業はどこか苦役っぽさもありますが、菌や酵母たちはやる気で満ちています。

人間たちの都合や言い分はお構いなしに元気いっぱいはぜてかもして のびのび生きているのが、作中の菌たちです。かわいいです。いっぱいいます。


主人公の沢木君だけが、不思議な能力で菌を見ることができます。
何でか会話もできます。
実家の種麹由来のオリゼーには世話を焼かれ、青春的場面では全力応援されるわ罵倒されるわで…種族を超えた仲です。おはようからおやすみまで。いただきますからごちそうさままで一緒です。菌たちはいつもそこにいるので。
はじめてのひとり暮らし、お味噌汁の仕上げ方を菌に教わっているのに和みました。


菌には懐かれ、異性の友達もできて、ゼミの先輩たちからは重宝されつつもかわいがられて、かわいくなった幼馴染みがいて…盛りだくさんの大学生活。
自由な校風から学生主体で盛り上がる学校行事は、春祭に収穫祭、圧巻のオクトーバーフェスト。学生らしく道中お金に困るフランス旅行。アメリカにも行きました。

どのエピソードも見どころいっぱい 賑やかでおもしろく、日常回もやっぱり変でおもしろい。納豆を作ってみんなで食べてるだけでもうおもしろい。教授の長台詞は為になり、読み応えを増し増しにします。


それから、おいしいお酒が飲みたくなります。適量をおいしく飲みましょう。
12巻限定版の発酵食品事典は必見です 楽しく読みながら飲めます。カドカワBOOK WALKERでは限定版冊子付きの電子書籍が購入できてとても便利です。余談でした。

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