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春風高校での青春…のような日々『究極超人あ〜る』

ササニシキ、というお米をスーパーで見かけたことがないのです。
今店頭に並んでいる銘柄は、コシヒカリとそれを親に品種改良を重ねたお米がほとんどだそうです。コシヒカリ、すごいですね。
でも一度は食べてみたいですよ、ササニシキの塩むすび。

という感じで白米の印象が強いコメディ漫画
ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』です。


そこそこ最近、作中時間が繋がったまま復刻した続編を読んだのもあってか、昔の漫画とはあまり思っていないんです。終わりのほうとはいえ昭和の漫画。ですが懐かしさはあっても古さをほとんど感じません。
時事ネタはそう多くないからか、あっても古くなって伝わりにくくなることも見越して描かれているような。絶妙な間合いや掛け合いが見られます。
そしてR君は本当に…いつ読んでも飽きることがない。良いキャラしてます。


たっぷり炊いてもりもり食べる、ご飯が燃料。常時学ラン。首がもげる。目から光線が出る。ネジが外れて性格が変わる。錆びて風邪をひき、指折り十進法で計算をする。…何で?
バスケットで連続シュートを決めたり、有無を言わさず自転車で高速に乗り込んだり、フィジカルな面ではアンドロイドらしい性能をしているのですが、頭脳のほうは人並みというのはむしろすごい。謎に高性能。成績がふるわず、卒業できないまま高校4年生をやっていたりする。もちろん光画部も現役です。


季節ごとの部活動や学校行事はそれらしく 数々のエピソードがあるのですが、全体的に自由でマイペースな話運び。成原博士が場をかき乱すアレな回は思いのほか少なかったです。唐突にオチだけ登場とか。
カメラを下げて合宿に出かけたり、なんだかんだ日々の高校生活を楽しんでいる光画部の面々に和んだりします。


なかでも気に入っているのは、冷房がない部室でだらだらと過ごし 寝転んで床板で涼をとって終わる、夏休み最中の何もなかった一日。
R君は暑さを感じずちょいちょい変なことをしているのですが、基本的にはなんにも起こっていない回です。じっとり気だるい暑さを感じ、高校野球のラジオ中継が聞こえてくるような。

夏休みも冬休みも、部室に集まってきては何かしている場面が好きです。
冬は鍋です。当初の予定はうれしいすき焼きでしたが、色々あって鍋をつつきながらの年越し。おかわり鍋にはR君特製のお餅入り。あの手この手で米を加えようとしますね。



そんな自由な春高光画部に憧れて、小学生から中学生の時期に何度も何度も読み返し、いざ高校生。部室棟はあっても光画部というか、写真部はなかったのですが、春風高校のような自由が過ぎる校風…というのも、まあなかったわけですが。それはそうだ。なんやかんやとにぎやかで楽しい部活動ができたので良かったなあと思っています。
夏合宿もやりましたし。先輩もOBも部員の皆も何か濃ゆかった。光画部に負けず劣らず濃くて変ですよ高校演劇部。
漫画みたいな ゆかいな日常を過ごすのって呑気で、いい思い出です。

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