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No.28 ユークレース

28.ユークレース

クールなユークレースだ。透明感があって非常に美しいのだが、クラックが多くそこから輝きが溢れてくるため写真を撮るときピントが合わせにくく苦労する。
ユークレースは青や無色、黄色などのカラーバリエーションがあるが、一番人気は青と無色のバイカラーな個体である。この個体はほんの少し青い部分がある。小粒であるが個人的には大満足なユークレースだ。
ユークレースは鉱物コレクターであれば一度は憧れる代物だ。日本最大級の鉱物販売会「東京ミネラルショー」でも常に人気の品で、良いユークレースは初日でほとんど売り切れてしまう。このユークレースも2018年の東京ミネラルショー二日目で会場内を駆けずり回り、やっと手に入れた苦労の品なのだ。
何故、ユークレースはここまでコレクターを魅了するのか?
第一にユークレースは美しい。ユークレースの屈折率は1.652~1.671だ。これはタンザナイトやペリドットなどと大体同じ数値で、透明感を保ちつつ輝きも楽しめる丁度良い数値なのだ。そのため多くの人に受け入れやすいのだろう。またユークレースは派手な色が少ないので輝きと透明感を存分に味わいやすい。
第二にユークレースは非常にもろい。硬度こそ7.5と高いのだが靭性はとにかく低く割れやすい。例えるならカチカチに凍った氷のような状態で、硬いのだがそれゆえに力を加えると簡単に割れてしまう。そのためジュエリーには不向きでカットも難しい。そんな儚さも人気に拍車をかける一因なのかもしれない。
無論、ここまで私が述べてきた話は私の経験に基づく仮説だ。そのため根拠は全くない。しかしユークレースが鉱物コレクターの憧れの品であるのは事実だ。だからユークレースには人々を魅了する何かがあるのだろう。

【参考書籍】

「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社  2016年


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