No.62 ラズライト

深く濃い藍色のラズライトだ。一見色が濃すぎて黒っぽく見えるが、光に当てると夜空のような美しい藍色がくっきりと現れる。それだけでなくところどころ緑がかった部分もあり、まるで宇宙をぎゅっと凝縮して固めたような美しさがある。ちなみに和名は「天藍石」きっと宇宙のような神秘的な美しさから名付けた和名なのだろう。
この個体、かなり美しいのだが色が濃すぎて非常に写真写りが悪い。そのまま撮ると真っ黒になってしまい、持ち味である藍色が全く表に出てこない。表面がシャープで光を反射しやすいからなおさらである。まさにインスタ映えの逆を行く鉱物である。
今回の写真はそんな中で光の当て方や背景、更に置く位置や撮る角度にもこだわってようやく撮影することができた奇跡の一枚なのだ。この写真を撮るのにだいぶ苦労したイメージがある。個人的にはラズライトの美しい色味が存分に表現できていて大満足の一枚だが、もう一度同じような物を撮る自信はまったくない。
思えば鉱物収集を始めてから妙に写真に凝るようになった。美しい標本を見るとどうしても美しく撮影したくなってしまう。現在は写真をすべてスマートフォンのカメラで撮っているが、機会があればデジタルカメラもいいかなと思っている。しかしそれ以上にほしい物やしたいことがあるので、当分買うことはないだろう。鉱物写真にこだわってしまうのは鉱物コレクターの性なのかもしれない。