No.36 ゾイサイト
カーキとイエローのグラデーションが趣のあるゾイサイトである。色は地味だが透明感もあり輝きもある。目立ちはしないが奥深い原石だ。
この標本についていたタグには「加熱前のタンザナイト」「加熱するとタンザナイトになる」と言った説明が書いてあった。実際そうなのだろう。
だが未処理の状態でもこれだけ魅力的なのだ。それをわざわざ青くしてしまおうというのは少々無粋な気がするのは私だけだろうか?
もしかしたら市場に出回っているタンザナイトには今回の原石のように、否これ以上に味わい深い原石があったにもかかわらず、「色が地味」という理由で青くされてしまったゾイサイトがあるのかもしれない。
そうだとしたら少し物悲しい気がする。
【補足】
「タグ」
産地カードのこと。原石の標本においては産地情報の有無が価値の有無に直接つながってくるため、タグの存在は超重要である。
店によってタグのデザインが違ってくるのでその辺りも面白い。
初心者はこれを捨てて失敗することが多い(著者もやった)。
【参考書籍】
「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社 2016年
よろしかったら、支援していただけるとありがたいです。支援していただいた皆様のご厚意は、創作活動に使用させていただきます!