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No.30 ルチル
珍しいルチルの結晶だ。ルチルと言えばルチレイテッドクオーツという名でクオーツの中にインクルージョンとして入っているのがメジャーだが、単体だとこのような赤黒い色をしている。しかし不透明なわけではなく、光に透かすとワインのようなコクのある赤色が浮かんでくる。
この赤色は純粋なルチルの色ではない。またルチレイテッドクオーツで見られる金色もルチル本来の色ではない。
じゃあ純粋なルチルって何色なの?
答えは意外なことに無色透明である。
自然界ではどうしても不純物が入り込んでしまい、純度100%の鉱物は人工物でない限りほぼほぼお目にかかれない。ルチルの色味は不純物として取り込まれた微量な鉄が原因で、人工的に合成した純度100%のルチルは無色透明なのだ。
話は変わるが、私はこの合成ルチルがめちゃくちゃ欲しい。
ルチルと言う鉱物には2.62~2.9と言うダイアモンドをしのぐ驚異の屈折率を誇る。実際にこの個体でも光を当てるとギラリとした輝きが確認できる。もしこれが無色透明であればダイアモンド以上の輝きを存分に味わえる。可能であれば合成ルチルのルースを手に入れ、ダイアモンド以上の輝きを直で味わいたいと私は思っている。
しかし合成ルチルは意外と売られていない。
様々な鉱物即売会でも探しているのだが、全くお目にかかれない。謎だ。
いつかは手に入れたい。
切実に。
【参考書籍】
「プロが教える鉱物・宝石のすべてがわかる本」
下林典正・石橋隆 監修
ナツメ社 2014年
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