村上春樹の音の世界。
村上春樹さんの小説には、たくさんの音が登場する。たいていは、ジャズやクラシックだ。たまに、ビートルズも出てきたりする。
なんと、「村上春樹のレコードコレクション」というのがあるらしい。
これは、Spotifyで聴ける。全3442曲が収録されており、合計時間は238時間もある。
村上さんの小説には、様々な音であふれている。しかし、小説に出てくるのは、音楽だけではない。
文章自体が音だし、音楽だし、リズムがある。これは、村上さん自身も以前から言っていることだ。
5年くらい前に、「村上さんのところ」という期間限定の企画があった。村上春樹さんに質問したいことをメールで送ると、本人ができるかぎり答えてくれるという趣旨のものだ。
その中で、「村上さんの文章は、グルーヴが他の作家さんと違うが、村上さんはどのように考えていますか?」という内容の質問があった。その質問に、こう答えている。
やはり、ご本人も意識されているとのこと。文章の書き方を音楽から学ぶ。
はじめて、この文章を読んだとき「音楽のような文章ってどういうこと?」って思った。でも、今は少しだけ分かったような気がする。少しだけですよ。
本を朗読していると、この本は読みやすいけど、あの本は読みにくいという本が出てくる。
もちろん、文章が下手と言いたいわけではない。読みにくい文章をあえて書くことで、意図的にゆっくり読ませて、一つひとつの文を考えさせながら読むことをさせている本だってあるのだ。
いっぽうで、村上春樹さんの文章は読みやすい。長編作品でもすらすらと読めてしまう。僕は、IQ84を読んだとき、あまりにもはやく読めるので、速読が身についたと勘違いしたほどだ。
2021.5.24
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