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シンプルな人の引き算の美学。

引き算の美学ってあると思うんです。「ミニマリスト」とか「無印良品」などが好きな人は、引き算の美学をもっていると思います。今日は、そんなお話です。
※以前投稿した記事ですが、少し書き直して、再アップしました。

 僕は「算数で一番好きなものは?」と聞かれたら、真っ先に「引き算」と答えると思います。引き算の美学をもっているからです。

 世の中には、足し算を使っている人が多いです。ごはん屋さんに行ってトッピングをしたり、ネックレスやピアスで自分を着飾ったり、話が一言二言多かったり。何かにつけて足していきます。

 もちろん、足すことが悪いと言っているわけではありませんが、多数派を占めているのは確かです。

 世の中には、かけ算を使っている人もいます。彼らは聡明で、物事を掛け合わせ、新しいアイデアを生み出します。

 スティーブジョブズの有名なスタンフォードのスピーチで話題になった、connecting the dots (点と点をつなぎ合わせる)と通ずるものがあると思います。

 これは、一見関係のない点でもそれをつなぎ合わせれば線となり、新しいアイデアを生み出すことができるという考え方です。よく、新しいアイデアはゼロから生み出すものだと言われます。しかし実際は、かけ算の美学から生まれるものなのかもしれません。

 また、世の中には、わり算を使っている人もいます。彼らは、何でも分け与えてくれる奉仕の精神をもった人々です。今風な言い方にすれば、ギバー(Giver)と言えるかもしれません。

「ごはん作りすぎたから、おすそ分けするよ」と家にやってくるご近所さんも、割り算の美学の持ち主です。

 僕もこの考え方は好きです。「好きな食べ物は?」と聞かれたら、いつも「鍋」と答えています。僕は、夏でも鍋を食べたくなります。それはおそらくみんなで一つのものを作って、分け合いながら食べるからだと思います。

 それでも、一番好きな計算は何かと聞かれたら、「引き算」と答えます。それは、シンプルな生活にあこがれているからだと思います。

 僕は、ごちゃごちゃしたことが嫌いです。服は単色の物が好きで、アクセサリーはつけません。いつも同じお気に入りのボールペンを使います。頭の中がカオスと化し、考えが堂々巡りを始めたときはnoteにまとめています。

 引き算の美学の良いところは、物や情報の数を減らすことにより、生活が洗練されるところにあります。

 現代社会は、物質が満ち足りた情報過多の時代です。簡単に手に入るからこそ、たくさん身につけてしまいます。人々が安価な服を大量に買い、インターネットを通じて様々なニュースにアクセスできる。そんな世の中です。

 物や情報の数を減らすということは、大切な物や情報に目を向けることになります。物事を取捨選択をし、人間としてよりよく生きる。これが、引き算の美学だと思います。

これは、以前から僕が大事にしている考え方のひとつです。昔からシンプルな物が好きだったのですが、「引き算」という観点から見つめ直してみると、面白い考え方だと思いました。

村上春樹氏の引き算の美学

 ちなみに、小説家の村上春樹さんも「引き算」について著書『職業としての小説家』でおっしゃっていました。

自分の体験から思うのですが、自分のオリジナルの文体なり話法なりを見つけ出すには、まず出発点として「自分に何かを加算していく」よりはむしろ、「自分から何かをマイナスしていく」という作業が必要とされるみたいです。
(『職業としての小説家』p107より引用)

 まさに引き算の美学ですね。村上さんいわく、足し算をしていくと荷物をたくさん抱え込むことになり、身動きが取れなくなるそうです。

 村上さんは、著書で小説を書く上でのオリジナリティの見つけ方について言及していましたが、他の分野でも生かせそうです。

 ぜひ、皆さんの身の回りで生かせそうな「引き算」を考えてみてはいかがでしょうか。

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