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あいさつを返されなかったのは、商店街の裏通りにある和菓子屋さんの前を過ぎたときだった。そんなことは、初めてだった。わたしは怒りを抑えきれずにいた。 「あなた達は、なんであいさつを返さないの?」 わたしは不機嫌そうに質問をすると、彼らは一言も発さず、不思議そうな目つきでわたしの顔を覗き込んだ。 わたしは戸惑ってしまい、皮肉まじりに「ねぇ、あいさつって知ってますか?」と訊いた。すると彼らの一人が少し考え込んでから、「あいさつって何ですか?」と返した。あきれた。