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やまとのショートストーリー|短編小説

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自作の短編小説をまとめています。 どれも短いお話なので、手軽に読めます。
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2022年5月の記事一覧

超短編小説|大人のぎんなん

 ある晴れた秋の日。 僕は公園のベンチに横になって、読書に勤しんでいた。積み重なった本を枕にして、心地の良い風をたくさん浴びていた。  あまりの気持ちよさに、時間を忘れて何時間もそこにいた。僕の右手だけがせわしくページをめくっている。そんな読書の秋。  通りすがる人たちは、明らかに僕を避けていた。まるで透明人間になったみたいだ。試しにじっと睨みつけてみたが、頑なに目を合わせてくれない。  彼らは上を見ている。 僕の頭上を覆ういちょうの木には、ぎんなんの実がなっていた。