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庭仕事なんて絶拒…ものぐさ主婦が感謝するお庭ケアの解説書『ずぼらガーデニング』

問題:あなたの自宅には美しい庭がある。もしもそこにいる植物たちに1ヶ月間、水を与えなかったらどうなるだろうか。

答え:花は枯れ、枝葉は生気をなくし、ふかふかだった土はカラッカラになる。

「植物には水をやる」
そんな常識中の常識ともあろう日課を怠り、美しい木々や花々を見事に枯らしてしまった人間がいる。そう、それがわたしです。

近所の庭、誰も水やりしてなくない?(※してます)うちもしなくていいんじゃない?という安直な考えで、園芸屋さんが植栽を植えてくれてからの1ヶ月間まったく水やりをしませんでした。

もはや形容する言葉が見当たらないほどの醜態。ずぼらなんて生ぬるい。非常識!人外!鬼!悪魔!脳みそ空っぽやろう!!!

そもそもわたしは「植物の世話なんて絶対無理!庭なんて全部コンクリで埋めちまえ!」というタイプの人間なのに、なぜか自宅の庭には四季を彩る様々な植物たちが植えられている。葉っぱが色づくやつとか、花が咲くやつとか、球根から咲く花とか、実のなるやつとか…。

自分と子どもの世話で手一杯の人間が、こんなに多種多様な植物たちの世話をする…だと…?一体いつから「自分はマメで細やかで自然を愛する心の豊かな人間」だと錯覚していた????

最初の1ヶ月で植物たちを枯らしてから丸2年、そんなわたしもいまではゴミ捨てついでに雑草をちゃちゃっと抜いたり、枯れた花を摘んだり、枯れ葉をきれいにしたりしている。

それもこれも、この本を読んだから。『枯らしまくっていた私がたどり着いた!ずぼらガーデニング』。

「植物の世話はみんな一緒」日本で1番勇気がでる言葉

本書は、庭を彩る植物たちをどうケアするかの解説書だ。

ガーデニングコーディネーターでもある著者が育てている植物たちを参考に、四季のどのタイミングでどんなお世話をしてあげたらいいのかが分かりやすく書かれている。植物の本って、品種ごとに分けられた育成書的なイメージが強かったけれど、本書は「庭のケア」に重点が置かれているからすぐに生活に取り入れやすいなと思った。

前書きには「植物のガーデニングが難しいなんてもう言わせません!」という心強いメッセージも。

「植物の育て方には共通点がある」「植物の世話はみんな一緒」「悩まない」という著者なりの考えのもと、とにかく手をかけない育て方を「ずぼらガーデニング」と名付けて紹介していく。

スタートは春から。3月のずぼらガーデニング作業・4月のずぼらガーデニング作業…と毎月やっておくべきケアが大体5〜6ヶずつ12ヶ月分、シンプルに紹介されていく。3月なら「花がら摘み、枯れ葉取り」「肥料やり」「切り戻し」「ヒヤシンスを埋める」「園芸店チェック」「バラの消毒」、といった具合だ。ちなみに、切り戻しって何をすることか知ってますか?「伸びすぎた茎や枝を切り、株の姿を整えると同時に新芽の成長を促すこと」なんですって。わたしはこの本を読んで初めて聞いたよ…。

いつ、どんなことをするのか=1年間の見通しが立つこと、が初心者以下のわたしにはとにかくありがたく、ページをめくっては「ほ〜〜〜〜ん、これもこれも…やったことないわ…」とお尻を叩かれている。1ヶ月単位っていうのもいい。なんとかその月のうちにやれればとりあえずオッケー感がある。翌月の月初なら、ぎりリカバリーできそうじゃない?(いいのか?)

なにより、知らなかったことをざくっと知れるのが便利だ。「花がらを摘む」とか「夏は葉っぱにかけないように水やりする」とか「球根の花は育てやすい」とか、いっさい知らなかった。枯れた花(花がら)、つけっぱなしだったもん。

著者の自宅は、バラを中心にスモークツリーやミモザ、クリスマスローズなど、外国っぽい繊細でおしゃれなお花たちで彩られている。反対に我が家は、花というよりも背の低い木などが多いし、どちらかといえばいかついなりをしているけれど、「植物の世話はみんな一緒」という言葉を信じて我が家なりに活用させてもらっている。

我が家の数少ない人様にお見せできるショット

何百枚と登場する写真は、著者の実際のお庭で撮影されたもの。世の中にはこんなにも美しい庭を作り上げられる人がいるものなのか、と感心してしまう。

最近の温かさのおかげか、気づけば我が家の植物たちもぽつぽつとつぼみを開きかけている。庭仕事なんて絶拒!!!だったわたしも、植物たちの成長や変化がこころに元気をもたらしてくれることに気がついた。ありがとう『ずぼらガーデニング』、今年もこの本を読んでがんばります。

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