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最近読んだ漫画5タイトルまとめ『艦これ ケッコンカッコカリアンソロ』『俺が童貞を捨てたら死ぬ件について』『田中くんはいつもけだるげ』『Venus Versus Virus』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

記事にしなかった漫画を含む5タイトル分まとめます。基本的にネタバレ無し。


①艦隊これくしょん-艦これ- ケッコンカッコカリアンソロジー

キツい。

  • 作者:多数

  • 巻数:全3巻

  • 個人的な点数:42点

タイトルの通り艦これでケッコンカッコカリまでの過程やその後、周辺の話を描いたアンソロ。そもそも自分がヘテロが苦手なので普通に地雷だった。なんで買ったんだ。
艦これのもつ構造上の問題が浮き彫りになっていると感じた。ゲームだとケッコンカッコカリはステータス向上の役割があり、かつ重婚可能なので奇特なオタク以外は基本的に重婚しまくるが、物語に落とし込む以上そうもいかず、指揮官が特定艦娘1人と結婚している鎮守府に多数の未婚艦娘も在籍しているという形になるのでかなり気まずい。また、結婚は練度が最大まで上がらないとできないので、例えば弱い艦娘でもケッコンカッコカリするために何度も出撃させないといけないのでシナリオ上難しい。
構造上の問題だけでなく、シナリオも、「指揮官は自分のこと嫌ってるから出撃させるんじゃ…→ケッコンカッコカリのためでした」のテンプレ化したものが多く、どれか一篇だけならいいかも知れんがテーマ絞ってこう書籍としてまとめられると食傷気味になる。
ケッコンカッコカリというシステムと漫画という媒体がイマイチ噛み合わない作品だと思った。

どうでもいいけど僕は龍田さんがめちゃくちゃ好きです。


②俺が童貞を捨てたら死ぬ件について

主人公が童貞を捨てたら死んでしまう一見バカ漫画に見せかけたミステリー漫画。

  • 作者:もりた毬太、若林裕介

  • 巻数:全4巻

  • 個人的な点数:55点

伊藤真レベルで高校生の頃から出会う女とヤリまくってきた32歳の主人公が高校当時の親友に殺され、高校時代までタイムリープする。親友の想い人と寝たことが殺害の原因になったと考えた主人公は、童貞を貫くことを決意する。
タイトルからコメディ漫画臭がするがいたって真面目でシリアスなミステリーもの。主人公が殺された理由は本当に童貞を捨てたからなのか、主人公の行動で未来を変えることはできるのかを主軸に物語が展開していく。なんとなくヒロインが『いちご100%』っぽい(地味読書家巨乳とサバサバ金髪ボブ)。「なぜ親友は主人公を殺したのか」というか、「ほんとうに親友が主人公を殺したのか?」という謎を何度も突きつけながら話が進むが、結局意外性のない真相に落ち着き、結末もそれほど面白いと思えるものではなかった。なんというか硬派なミステリーものだと思ってレンタルしたのに結局ヒューマンドラマで終わった邦画を見終えたような気分。伝われ。


③田中くんはいつもけだるげ

けだるげ男子と女子力高い高身長男子のカップリング漫画。12巻までしか読んでない。13巻まで読んだ。

  • 作者:ウダノゾミ

  • 巻数:全13巻

  • 個人的な点数:67点

なにもしないことに全力な高校生田中くんとパッと見ヤンキーにしか見えないのに中身は乙女でスイーツ大好きなクラスメイト太田の日常を描いたカップリング漫画。

太田はありのままの田中を愛しているし、田中は田中で自分を甘やしてくれる太田を嫁にすると公言していて良い。BL目で読むなら普通に萌える。

『田中くんはいつもけだるげ』13巻

だが、普通にメインヒロインが田中くんのことを好きなので度々カップリングに亀裂が入る。ヒロイン自体は普通に好きだし良いキャラしてるけど、「興味がないわけではないけど恋愛に払う労力がもったない」スタンスの田中くんが普通に恋心に気づきだすと途端に個性が平坦化された画一的なキツさを感じる。

本作で一番可愛いキャラは誰がなんと言おうと兄にガチ恋しているけどそれを悟られまいと振る舞う田中くんの妹の莉乃だが、途中から莉乃のことが好きな猪突猛進な馬鹿キャラの男が現れて全てがキツくなった。正直この男が出てくるだけでキツい。他者から好かれることがスパイスとなって妹から兄へのガチ恋がより際立つことになっていると言えなくもなくもなくもなくもないけど必然的に「・・・って、なんで私があんな男のことなんか」的な少女漫画が挟まるのでキツイキツイキツイキツイ。太田の妹が莉乃とこの男をくっつけようとするのもキツイので太田の妹を全く好きになれない。良いカップリングは良いけどカップリングクラッシャーがキツイので安心して読めなかった。最終的に付き合わなかったので致命傷は回避だが正直出てこないで欲しい。


④Venus Versus Virus

新感覚ダークファンタジー(原文ママ)。3巻までしか読んでない。

  • 作者:鈴見敦

  • 巻数:全8巻

  • 個人的な点数:62点

ロングツインテゴスロリとボブニーハイが組んで魔人を倒すバディもの。明らかに作者の性癖で描いている。
見えざる者(=魔人)が見えてしまう視力を持つ「スミレ」は同じく幼い頃より魔人を見ることができる視力を持ち、また魔人を退治することを生業とするルチアと出会う。ルチアは、あるきっかけでバーサーク状態となり驚異的な力を発揮することがわかったスミレと協力関係を結び、表向きはアンティークショップを装った「Venus Vangerd」から様々な依頼をこなしていく。
キャラクターデザインは明らかに作者の性癖だが、ツインテゴスロリ女とボブカットニーハイ女のバディが嫌いな人間がいるわけないので好印象。しかし、3巻までしか読んでないのでほんとうになんとも言えないけど、強キャラ感あったルチアよりもバーサーク状態のスミレのほうが強そうだったり、バディものなのに速攻でスミレがヘテロ堕ちしたり、スミレが割と簡単にバーサーク状態をコントロールできたりと展開が早く、キャラ間の関係の深さがイマイチ描かれることのないままに本筋ばかりが進んでいくので思い入れが生まれなかった。敵との力関係や、力量もイマイチ推し量れなくて、ヒキにあまりわくわくできず、そんなに続きが気にならない。世界観とキャラクターデザインはいいので、cv茅原実里のスミレが喋るアニメ版を視聴したらまた違った感想を抱くかもしれない。とりあえず3巻までだと続きはいいかなといった感じ。


⑤ 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

青春物語でありミステリーでもあるライト文芸。詳細は下記note。

  • 作者:桜庭一樹、杉基イクラ

  • 巻数:全2巻

  • 個人的な点数:76点

生活困窮世帯に生まれた中学生・なぎさと自分のことを人魚だと自称する転校生・藻屑の謎と青春を描いたミステリー。元はラノベ、というか俗にいうゼロ・ジャンルに属するライト文芸であり「ラノベ三大奇書」と呼ばれたり呼ばれなかったりする。とんちきなキャラクターである藻屑の嘘と真実の書き分けが上手く、それに伴うなぎさの感情の変化の書き分けもまた心に残る。生活に直に食い込むあまりにも実用的な『実弾』を求めるなぎさと、自身を守るために嘘で塗り固められた『砂糖菓子の弾丸』を手にした藻屑はお互いを弾丸で撃ちあう中で、自身にとってなにが必要で、なにを選び取るべきかを学んでいく。描写がグロテスクで、二人の少女のリアルを克明に描くことに尽力している。一貫して『対比』を軸に進んでいくストーリーは謎の解明とともに手に汗握るものがある。全2巻しかないし、ブックオフでも110円ラインまで落ちているので、読んでみても損はない。原作も読んでみようかな。


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