堀江貴文さんの『2035 10年後のニッポン』を読了

堀江貴文さんの『2035 10年後のニッポン』を読みました。

結論、めっちゃ面白かったです。
面白かったのでnoteを登録してこうやって今拙い文章でブログを書いています。
そんなわけで、今回はこの書籍について紹介したいと思います。

ちなみにこの本を読んだきっかけは、中田敦彦さんのYoutube大学です。

中田さんの動画は面白くて勉強になるので定期的に拝聴しております。いつもありがとうございます。

日本産業の衰退の実態

未来予測系の話は時々見かけるものの、「先のことはよくわからんなあ…」なんて感じで正直当事者意識が薄かったのですが、10年後と割と近い未来に大きな変化が起こるのだと知り、衝動に駆られてその足で書籍を買いに行きました。

動画の中で衝撃的だったのが、今日本で安定性の高いと考えられているあらゆる産業が衰退の危機にさらされているということ。自動車、テレビ、銀行、電力。それらが今すべて、新たに登場するテクノロジーによってどんどん縮小の方向に追い込まれている。

電気自動車(EV車)の登場によるトヨタの危機自体は以前から聞いてはいましたが、その中身を改めて知り、今大きな転換が迫られているのだなと感じました。

日本経済を牽引してきたトヨタ。その自動車メーカーとしての技術力は間違いなく世界トップクラスで、それは揺るがない事実ではある。ただ、その根底が覆されてしまったこと。EV車は、ガソリン車やハイブリッド車と全く異なる技術が必要で、近年はテスラを始めとしたEV車が一気に普及したこと、またEUで2035年までにエンジン車の発売を禁止すると発表したことなどが重なって、トヨタが危機にさらされているということ。

同じ車でもガソリン車とEV車では必要な技術が全然異なることを今回の動画と本の中で知りました。また、海外がトヨタを潰しにかかっているという思惑があるのも衝撃でした。(実際どうなんでしょうか)

そんな感じで、日本を支えてきた大きな柱である自動車産業の衰退をはじめ、日本の経済危機が起こっていることを知り、気になって書籍を買いに行ったわけです。

技術革新とこれからの日本について

現時点で、中田さんの動画はまだ①しか上がっていないのでネガティブ寄りな話がメインでしたが、実際の書籍の中身は、どちらかというとワクワクする話が多かったように思います。(②は多分そっちの話がメインになるんでしょう。また更新されたら視聴したいと思います)

面白かった話がいくつもあり全部紹介したいのですが、「新テクノロジー」と「アイデア」の2つに区分していくつか抜粋して紹介したいと思います。

<新テクノロジー>

  • 仮想発電所

  • 低軌道衛星

<アイデア>

  • ビデオ授業の導入による教師不足の対策

  • テレビのサブスク化

仮想発電所

今回の書籍の中で一番メインだったのがこの仮想発電所の話なのかな、と私は勝手に思っています。(中田さんの動画でイーロン・マスク氏の話が前半で大きく取り上げられていたのでそのバイアスもあるかもしれませんが……)

電気自動車の代名詞ともいえる「テスラ」は、その技術や真新しいアイデアが注目を集めています。しかし、実はその真骨頂はバッテリーのマネジメントシステムであるということ。

先に紹介した通り、電気自動車とガソリン車は必要な技術が大きく異なり、電気自動車で課題となるのが、いかにバッテリーを強化するか。つまり、高性能なバッテリーの開発がEV車での他社と差をつける肝になるということ。

テスラのEV車で培った技術を家庭用の蓄電池として応用できるようにしており、これが仮想発電所に繋がってきます。

現在の電力供給は、発電所が存在し、そこから電力を供給する仕組みになっています。しかし、テスラの研究を進める蓄電池の技術を用いることで、発電所が無くても同様の役割を果たすことができるとのこと。

「電気自動車」は単なる新しい車というだけではなく、その技術自体が新たなるビジネスへと発展していくのだなと。10年以内くらいには、まさにガラケーがスマートフォンに置き換わったときのような大きなインパクトが起きそうですね。

東京電力などの企業が大きなダメージを受けそうですが、私たちの生活はどう変わっていくんでしょうか。

低軌道衛星

もう一つ面白かったテクノロジーの話が、低軌道衛星

この話が面白かった理由は、最近楽天モバイルの話を、同じく中田さんと堀江さんの動画の中で拝見したためです。

低軌道衛星は、簡単に言えば「空飛ぶ基地局」。ドコモやソフトバンク、auが地上に基地局を持っていますが、それには土地代や設置費用など莫大な費用が掛かります。最近では楽天モバイルがこの基地局を新たに設置し3大キャリアの中に4キャリア目として参入しようという話が話題になっていました。

そんな中で登場したのが低軌道衛星。基地局自体を衛星で飛ばして空に浮かべてしまえば、限られた土地を使って必死に基地局を設置する必要もないというわけですね。頭の良い人はとんでも無いことを考えるものです(笑)

私は個人的に楽天を応援しているんですが、これの登場によってどうなるのでしょうか。今後の行く末を見守りたいところです。

ビデオ授業の導入による教師不足の対策

ここからは少し前の2つとは異なる切り口で。

日本では近年「教師不足」が問題となっており、令和3年度始業日時点における小中学校の教師不足は合計2,086人にも及ぶそうです。(教師不足に関する実態調査教師不足に関する実態調査:https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020293-1.pdf

新型コロナの影響でリモート授業なども多く取り入れられるようになりましたが、ビデオ授業はこうした教師不足の問題を解消する大きな一手となるだろうと。私もこの考え方には大賛成で、今の教師への負担はやはり大きすぎるうえ、知識を持っていること、それを教える技術、さらには生徒を育成するスキルは全く別のものだと思っているので、授業自体は教える技術に特化した人材に一任するのが一番良いのでは、と思います。

堀江さんも書かれていましたが、やっぱり中田さんのような教え方が上手い人の授業をビデオで見せて、教師はビデオを見ている間に別の仕事をし、ビデオを見終わった後に生徒からの質問に答えることを主な仕事にするとかすれば、一気に負担は軽減するのでは、と。

一斉導入は難しいにしても、一部の地域からお試しでやってみてほしいなと個人的には思っています。

テレビのサブスク化

最近ではYoutubeを始めとしてインターネットの媒体に広告が移りつつあり、テレビ業界は苦戦状態を強いられています。インターネットの広告費については、2019年にテレビの広告費を上回り、2021年には2兆7,052億円で、マスコミ4媒体の広告費を初めて上回ったそうです(https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html)。今後もインターネットの広告費が増え続けることはまず間違いなく、テレビ業界は制作費用を捻出するのが難しい状況。

そんな中で堀江さんが提唱しているのがテレビのサブスク化です。いわゆるNHKのような感じですね。広告費で収益を取れないなら、サブスク化すれば良いのでは?という発想。とはいえ、もちろん有料にしたらテレビ離れが一気に加速する可能性もありますし、そこに踏み切るのは難しいかなと思っています。

ちなみに私はこの件で前から考えているのが、「テレビの投げ銭システム」です。私自身は投げ銭をやったこと無いのですが、配信動画?とかで投げ銭システムってありますよね。あれをテレビでやってほしいなと。

私はアニメが好きなのですが、「こんなハイクオリティな作品をタダで見させてもらって申し訳ない。もっと貢ぎたい!」という気持ちになります。もちろんグッズを買って応援することはできますが、アニメ業界の経営難の事情について耳にするたび、視聴者側から金銭的援助ができるシステムがあれば良いのになと思っています。

払いたい人だけ払う仕組みだからサブスクのように強制でも無いし、きっと私と同じような考えを持っている人はたくさんいるはずなので、いつか導入されないかなと期待しています。


最後少し話が逸れましたが……。

他にも、テクノロジーでは人工太陽や人工冬眠(コールドスリープ)の話とか、ビジネスアイデアとしてマッチングアプリを使った社会負担の軽減、沖縄の観光地化などの話も面白かったです。

テクノロジーの発展によって日本の産業は今後衰退の一途を辿るのか、あるいはそのテクノロジーによって日本も生活が豊かにのか、はたまた日本企業が新たなイノベーションを起こすこともあるのか。
気になるところですね。


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