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インターネットの戦場でぼくらが生き延びること

遠い国で戦争が始まり、そのニュースが世界中を駆け巡っています。

ただ、今の時代においては、戦争というのはリアルな戦場のみで戦われるわけではありません。国際世論の支持を得るためにプロパガンダやフェイクニュースを流すという情報戦が、メディアのあらゆる場所で行われます。それは、このインターネットにおいても。

かつて社会不適合者の遊び場だったこの「インターネット」という場所も、大人たちにかかれば、立派な「戦場」となるのです。

では、そんな戦場で、ぼくらはどうやったら生き延びることができるでしょうか?まず大事なのは、偽情報とかにだまされないことでしょう。そして、その方法は、僕なんかが解説するより、ずっと詳しい人が居るので、そういう人の著書に任せます。

ただ、そうやって「事実」と「フェイク」を見分けることは、確かに重要なんですが、しかしそれだけでこの戦場を生き延びることができるか?というと、僕はどうにも不安になってしまうのです。

例え頑張って真実とフェイクを見分けたとしても、そもそも戦場で戦えば僕らの心は傷つきます。いくら「それは嘘だ」と見抜けても、嘘の情報で誹謗中傷されれば、やはり心はダメージを受けますし、例え「それは真実だ」と分かっても、真実の棍棒で誰かを攻撃すれば、メンタルは病んでいくわけで……

そこで今回の記事では、そうやって虚実が銃弾となって飛び交い、人々を傷つけ合う「戦場」と化したこのインターネットで、いかに生き延びるか、僕の考える3つの方法を考えてみたいとお思います。

1.世界は黒と白に分けられず、もっと様々な色のグラデーションに満ちているということを、忘れない

インターネットが戦場となるとはどういうことか。ごく簡単に言うならそれは、インターネットが二つの勢力に分断され、それぞれの勢力が相手を消し去る事によって自分たち一色に染め上げようとすることです。

そしてその過程で、それぞれの陣営は敵を殺し味方を増やすため、インターネットは二つの陣営に2分されそうになります。○○の国が好き?じゃあお前はこっちの方だ。××のキャラクターが好き?じゃあお前はあっち側だ、というように。

しかし本来は、例えば○○の国の政府は嫌いだけど文化は好きとか、××の国は嫌いだけど××国のあの人は好き、というように、世界って簡単に黒と白の二つに分けられないものなのです。そうやって曖昧な立場に心があることは決して異常なことでは無く、むしろ当然なことなのです。

もちろん、そういったことを分かった上で敢えて「でも自分は黒の立場に立つ」「自分は白の立場に立つ」「自分は白と黒両方とも選ばない」とするのはありです。しかし、例え自分がそうなったとしても、世界はそうではない、黒と白が混じったような人間もいる、むしろそういう人がいて当然だということは、忘れないで欲しいのです。

2.味方の罠にこそ敏感であれ

戦場にいて一番生き延びるのに大事なことは、とにかく戦わないことです。特に、相手の存在そのものを否定するような殲滅戦は、する側としてもされる側としてもできる限り避けなければなりません。

しかしそうはいっても、戦場では戦わなければならない場面もあるでしょう。どちらかの陣営の敵となったり、あるいは両方の陣営の敵になったりしたときに。

そのときにどうやって戦えば良いか、一応インターネットで様々な争いを居てきましたから、その術はあえて教えません。ただ、一つ忠告したいのは、戦うときは、味方の言葉にこそ気をつけろ、ということです。

敵の嘘や詐欺というのは、警戒しているから結構簡単に見破れます。というかインターネット上での争いというのは、敵の嘘をいかに即座に見破り、かつそのことを効果的に広めるかが戦いの大体を占めますから。

しかし、味方の嘘や詐欺というのは、味方だからこそ気づきにくいし、また、気づいても許してしまいがちです。相手の過失を針小棒大に語り、相手がいかに卑劣な存在か誇張する。そうやって、「私たちが正しいから、敵を滅ぼしても許されるんだ」と、周囲に認識させ、自分たちにも認識させるわけです。

しかし、その結果として生まれるのは、双方が双方の存在自体を否定する絶滅戦争であり、そしてその戦いは、勝っても負けても多大な犠牲を伴う者となるのです。

だから、戦場においては、敵を悪し様に表現する味方のプロパガンダにこそ注意をしなければならないのです。勝つためではなく、生き延びるために。

3.この戦争もいつか終わることを忘れない

上記のようなことに気をつけて戦場を生き延びても、きっと戦争はすぐには終わらないでしょう。戦争が長引く中で、人はどんどん病んでいきます。あなたが親しくしていたり、尊敬していた人も、戦場では正気を失い、敵としてあなたを攻撃してきたり、あるいはしつこく戦場に「兵士」として戦うことをすすめてくるようになるのです。

大げさに言っているように聞こえるかもしれません、しかし、インターネットという戦場はそういう魔力を持っており、僕は、その魔力に毒されてネットで戦うウォーモンガーとなってしまう人を多くみてきました。というか僕自身、そういう経験は多々あります。知識とか心構えをいくら持っていても、ちょっと歯車が狂えばそうなります。戦争とは、そういうものです。

さらに言えば、今のインターネットで起きていることは、国家や多国籍企業といった、この世の叡智が詰まったような集団が、総力戦で人々を戦争に巻き込もうとする図です。そんな中では、個人のちっぽけな知性や心構えなど、ほとんど無意味なわけです。

そして、自分が親しくしたり尊敬していた人たちが敵味方に分かれて殺し合うのをずっと見ていると、心が病んでいきます。人間に絶望したくなります。

しかし忘れて欲しくないのが、それが決して、その人の「真の姿」ではないということです。戦争は、確かに隣人を凶人へと変えます。しかしそれでも、戦争さえ無ければ、そのひとは「良き隣人」なはずなのです。

そして、どんな戦争もいつかは終わりが来ます。例え今どんなに相手とわかり合えなくても、戦争が終われば、再び仲良くするチャンスはあるのです。

だから、その日を待って、とにかく今を生き延びましょう。

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