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見返したいと思って生きてきた話

数年前までは、車いすや私の体を指差して笑った人、馬鹿にした人、否定してきた人は親族だろうと一人残らず見返す対象に認定し地の果てまで追っていた。つまり他者しか見えていなかった。でもそうでもしないと、自分の感情をどうしていいかわからなかった。病気があるからといって一生懸命やっていても馬鹿にされるしできないことがあっても馬鹿にされる。小さな頃から理不尽ばかりだった。理不尽ということばは小学生のとき『あぶない刑事』で覚えた。多分ラストシーンで薫ちゃんが連呼している回があると思う。閑話休題。

見返したいから良い高校・大学・企業に入ることを目指した。高校は地域で一番の進学校だったので皆を黙らせることに成功したが、大学以降は「何それどこの学校」「それを専攻して何になる」「そんな会社の名前聞いたことがない」と言われ、躍起になって勤め続けた。まあ勤め先は日本の会社ではなかった上インターネットも今ほど普及していない時代に田舎の人間はそういった事情を知らなくてもやむをえないところもある。周囲の言うなりの会社に入って勤めることで、「ほら私の言った通りにやればうまくいくじゃない」と上から目線で勝ち誇られるのが何より嫌だった。

会社勤めをおよそ15年経験し、いくつか大きな買い物もできた。そして正直『見返す』ことが面倒くさい感じになってきたのが現在のところだ。かといって自分が何をやりたいか明確に定まっているわけでもない。そうして今日も文章を書いている。

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