サンプル無料公開:第二弾★自己肯定感に関するテキスト「心が傷つきやすいあなたに知っておいてほしい大切なこと」★
※ココナラで販売しているテキストのサンプルとして、2章目を無料公開いたします。
2.傷つきやすいあなたにもっとも必要なものとは?
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」とは、心理学者アドラーの言葉です。
つまり、人間関係こそが、悩みの源泉ともいえます。
人間関係の悩みの難しいところは、自分でコントロールできないこと。
将来の不安なら、自分で何とか努力のしようもあるけど、人間関係ばかりは自分一人の力ではどうしようもない。
たしかにそれもあるでしょう。
しかし、人間関係の悩みとて、自分の力で変えることができます。
その力こそが、「自己肯定感」です。
「自己肯定感」とは読んで字のごとく、自己を肯定する感覚のこと。
すなわち、自己を肯定する感覚を高めることであなたは傷つきにくいひとになれます。
“本当に?自己を肯定するだけで傷つかないって、どういうこと?”
「自己肯定感」とは一体なんでしょうか?
分かりやすくいうと、「自己肯定感」とは、心の「免疫力」です。
私たちの身体は、ウイルスや細菌など様々な外敵から身を守るために、免疫というシステムが整っています。
免疫は、風邪をひいた際に活躍することで知られていますが、がん細胞の増殖を駆逐する働きもするため、我々が生きていく上では欠かせないシステムであることは間違いありません。
これと同じことが、「自己肯定感」にもいえると思います。
すなわち、「自己肯定感」が低い状態は、免疫力が落ちている状態と同じですので、風邪を引きやすくなるのと同様に、心が傷つきやすい状態にあるといえます。
「自己肯定感」を高めて心の「免疫力」を養うことで、傷つきにくくなるばかりか、前向きに生きていけるようになり、幸せをより多く感じられるようになります。
他に心の悩みに効く方法としては、「レジリエンス」や「リフレーミング」(後で少し説明します)などがあります。
「自己肯定感」は、これらの方法の土台になるため、すべての基本ともいえます。
傷つきやすい心をどうにかしたいと思って、これまでいろいろな本を読んだり、様々な手法を試してきたというひともいるかもしれません。
でも「自己肯定感」がないまま、あれやこれやをやってみたところで肝心の土台ができていなければ、ほとんど効果は得られないため、注意が必要です。
傷つきやすいあなたにとって、真っ先に取り組んでほしいこと、それが「自己肯定感」を高めるということなのです。
すべての基本となる「自己肯定感」ですが、自己を肯定するだけで本当に傷つかない心が手に入るのか、ちょっと疑問に思うかもしれません。
たしかに、「レジリエンス」や「リフレーミング」といった手法は、折れない心を育てる方法としてよく紹介されています。
しかしながら、こうした方法が有効になるのも「自己肯定感」あってのことなのです。
そのことについて、少し詳しく見ていきましょう。
「レジリエンス」とは、抵抗力のことです。私たちの肌を指で押して離すと一度へこんだ肌は弾力で元に戻ります。
「レジリエンス」は、逆境や困難を押し返す心の力のことです。失敗を恐れず、チャンスと捉えるタフな精神力を身に付ける方法ですので、心に逞しい筋肉を備えるとイメージすれば理解しやすいかもしれません。
たとえ同じような失敗に見舞われても、すぐに立ち直るひとといつまでも引きずるひとがいます。
「レジリエンス」では、失敗を”よい失敗”と”わるい失敗”などに分類します。
”よい失敗”とは、チャレンジしようとした結果として生まれたような失敗のことで、”わるい失敗”とは、軽率なミスなどから生まれた失敗のことを指します。
例えば、“よい失敗”はあってもよい失敗ですが、そこから学びを得て次に活かすことが重要です。
一方、“わるい失敗”は、しっかり受け止めて次は気を付けるように注意するなどして対策していきます。
これは「レジリエンス」のほんの一例ですが、失敗から学んで、次の行動をポジティブに結び付けていくことで、逆境や困難を跳ね返す逞しい心の筋肉を養うことが期待されます。
心に強さがほしいと思うひとにとって、「レジリエンス」はよい方法かもしれません。
もうひとつの「リフレーミング」は、簡単に説明すると、自分の固定概念を外してものの見方を変える手法のひとつです。
私たちは、いつも自分たちがそれぞれ持っている固定概念というフレーム越しに物事を見ています。
窓から見える景色は、外に広がる景観の一部に過ぎないことは分かっています。
心の窓もいわばそれと同じなのですが、私たちは心の窓という自分の世界観で切り取った一部の景色をあたかもすべてであるかのように錯覚してしまうのです。
ひとはネットなどで異なる2か所から同じ情報を得たら真実だと認識してしまうといわれています。
あるとき誰かさんに冷たくあしらわれたように感じたことがあって、気のせいかと思っていたら、別のひとからその誰かさんがあなたの悪口をいっていたと聞いたらどう思いますか?
“やっぱり、あのひとはわたしのことが嫌いなんだ、そうだと思った”などと本人に真実を確かめようともせず、すぐに信じてしまうでしょう。
「リフレーミング」は、そうした自分の固定観念にしばられないように、心の窓を広くしたり、窓の外側を想像してみたりすることで、心の捉え方を変えてみる方法です。
小さいことにくよくよしたくないひとには、「リフレーミング」がよいかもしれません。
しかし、「レジリエンス」や「リフレーミング」は、傷つきやすいひとにとって、あまり有効とはならないことが多いのです。
なぜなら、これらの方法は対処法であって根本的解決に役立つものではないからです。
「レジリエンス」によって、心を強くすることはできますが、いますでに傷ついている心をいきなり鍛えるのには少々無理があります。
これは怪我人にいきなり筋トレをさせるようなものかもしれません。
もちろん、「レジリエンス」にまったく効果がないといいたいのではありません。
傷ついた心をきちんと治してから、「レジリエンス」で心を強くするという順序であれば効果が期待できます。
「リフレーミング」は、自分の心を広くしたいひとやものの見え方や考え方を変えていくことで、悩みを解消したいといったひとには向いているかもしれません。
ところが、いくらひとから気にするなといわれても気になることは気になります。気持ちの衝動はなかなか抑えられるものではありません。
心が傷つきやすいひとは、自分でもどうすることもできない衝動を抱えているひとが多いため、まずは心の傷から生まれている衝動をきちんと把握してから、「リフレーミング」に取り組むのであれば効果が期待できます。
少しまとめると「レジリエンス」や「リフレーミング」によって、心を強くしたり、心を大きくしたりすることができますが、その前に、心の傷をしっかり治し、心の衝動について把握することがまずは必要ということです。
心の傷を治し、心の衝動を知るためには、自己としっかり向き合う必要があります。
では、心が傷つくとき、私たちの心の中では何が起きているのでしょうか。
そのことについて次で詳しく見ていきましょう。
読んでいただき、ありがとうございます!