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ラスト10メートルの家路

マンションのエントランスから二回曲がると長い廊下。
一番奥の玄関に灯りがともる。
遠くで扉が少し開くのが見える。
僕の顔が緩む。

君は走ってくるときもあれば、
小さな車に乗ってやってくるときもある。

小さな車から僕を呼んだり、
何も言わないで静かに走ってきたり、
髪が少し濡れていたり、
僕の手提げを見て指差したりして、
いつも反応は違う。
ずっと君が笑っている以外は。

僕は少しだけ疲れを忘れる。
そして今日もまた無事に終えたことの
喜びを君から教わる。

読んでいただき、ありがとうございます!