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早稲田合格へのロードマップ【STEP7:第1志望学部で合格者下位レベルに到達する】



はじめに

この記事では、「早稲田合格へのロードマップ」の【STEP7:第1志望学部で合格者下位レベルに到達する】について詳しく解説します。

前回の記事はこちらをご覧ください。



1. 合格者下位レベルの得点水準を把握する

【STEP3:早稲田合格に向けた受験戦略を策定する】では、「早稲田合格者の得点ランク」と「各教科の得点目標」を確認しました。


早稲田合格を目指す上で必要なのは、合格に必要な得点基準を把握することです。早稲田合格者の上位層・中位層・下位層の得点を確認し、最終的に到達すべき目標をイメージします。最終的に目指すべきは「中位層」ですが、このSTEPでは、その前段階として「下位層」への到達を目指します。

早稲田合格者の上位層
各科目の得点
・各科目が【A】(受験者平均点+15%)以上
・そのうち2科目が【S】(受験者平均点+20%)
合計点:【S】(合格最低点+10%)

■ 早稲田合格者の中位層
各科目の得点
・各科目が【A】(受験者平均点+15%)以上
・そのうち1科目が【S】(受験者平均点+20%)
合計点:【A】(合格最低点+5%)

■ 早稲田合格者の下位層【★】
各科目の得点
・各科目が【B】(受験者平均点+10%)以上
・そのうち2科目が【A】(受験者平均点+15%)以上
合計点:【B】(合格最低点±0%)

続いて、 早稲田合格者の「下位層」の得点レベルへの到達目標時期を確認します。遅くとも「12月末」までに、下位層の得点に相当する「STAGE3」への到達を目指します。

■ STAGE1(到達時期:10月末)
目標1:全科目で【D】(受験者平均点±0%)以上
目標2:得意科目で【C】(受験者平均点+5%)以上

STAGE2(到達時期:11月末)
目標1:全科目で【C】(受験者平均点+5%)以上
目標2:得意科目で【B】(受験者平均点+10%)以上
目標3:合計点で【D】(合格最低点-10%)以上

■ STAGE3(到達時期:12月末)【★】
目標1:全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上
目標2:得意科目で【A】(受験者平均点+15%)以上
目標3:合計点で【B】(合格最低点±0%)以上
*早稲田合格者の下位層に相当

STAGE4(到達時期:1月末)
目標1:全科目で【A】(受験者平均点+15%)以上
目標2:得意科目で【S】(受験者平均点+20%)
目標3:合計点で【A】(合格最低点+5%)以上
*早稲田合格者の中位層に相当


2. 早稲田合格者下位レベルの得点をイメージする

2-1. 全科目で「受験者平均点+10%」を目標にする

改めて、合格者下位層の得点は以下の通りです。

■ 早稲田合格者の下位層【★】
各科目の得点
・各科目が【B】(受験者平均点+10%)以上
・そのうち2科目が【A】(受験者平均点+15%)以上
合計点:【B】(合格最低点±0%)

学部によって多少の差はありますが、各教科の受験者平均点は概ね以下の得点に収束する傾向にあります。早稲田合格のためには、全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上を取ることが必須条件であり、そのうち2科目は【A】(受験者平均点+15%)以上が基本となります。したがって、まずは全科目で「受験者平均点+10%」の水準を達成することが優先事項となります。その上で得意な2科目は【A】(受験者平均点+15%)以上を取ることが求められます。

■ 受験者平均点
英語:40-50%
国語:50-60%
選択科目:60-70%

■ 受験者平均点+10%
英語:50-60%
国語:60-70%
選択科目:70-80%


2-2. 「受験者平均点+10%」とはどの程度のレベルか

早稲田の過去問における「受験者平均点+10%」とは、他の試験ではどの程度のレベルに相当するのでしょうか。ここでは、共通テストと明治大学の一般入試の得点と比較します。

■ 受験者平均点+10%
英語
:50-60%
国語:60-70%
選択科目:70-80%

■ 「受験者平均点+10%」と同等のレベル
英語

・共テ(リーディング):80-90点
・明治大学:70-80%
国語
・共テ:140-160点
・明治大学:70-80%
選択科目
・共テ:90-100点
・明治大学:80-90%

つまり、合格者下位層は共通テストで合計約80%、MARCH上位の明治大学で合計約75%程度を取る実力があるということになります。共通テストで合計80%とは、共通テスト利用でMARCH下位学部(例:法政大学現代福祉学部、立教コミュニティ福祉学部)に合格できるレベルです。また、明治大学で合計75%とは、明治大学に余裕で合格できるレベルです(明治大学の合格最低点は約65-70%)。このように、たとえ合格者の下位層(=ギリギリ合格できる人)であったとしても、早稲田合格者にとってMARCH合格は低いハードルになります。実際には、早稲田合格者でもMARCHに不合格になるケースはありますが、基本的にMARCHの勝率が50%以下になることはありません。したがって、早稲田合格を目指す受験生は「MARCHは余裕で合格できる」という状態に到達することが前提となります。


3. 1つの学部を極める

早稲田志望者は、まず合格者の下位層に相当する「STAGE3」の達成を目指す必要がありますが、この段階も非常に高いハードルです。もちろん、初めて過去問を解いた段階でこのレベルに達している方もいるでしょうが、多くの方はこのSTAGE3を目標に取り組むことになります。

■ STAGE3(到達時期:12月末)【★】
目標1:全科目で【B】(受験者平均点+10%)以上
目標2:得意科目で【A】(受験者平均点+15%)以上
目標3:合計点で【B】(合格最低点±0%)以上
*早稲田合格者の下位層に相当

では、STAGE3に到達するために何をすべきでしょうか。この記事では、共通テストで70%程度の得点を取る方を読者と想定していますので、その前提でお話させていただきます。

共通テストで70%程度取れる方は、インプット知識、読解力ともに早稲田の過去問に取り組む素地ができていますので、早稲田の過去問を通じて、合格点を取る感覚を養います。

具体的には、任意の学部を1つ選び、その学部の過去問を最低3周繰り返します。重要なポイントは、「任意の学部を1つ選ぶこと」と「最低3周繰り返すこと」です。

一般的に、早稲田志望者は複数学部を受験しますが、最初は複数の学部に手を広げるのではなく、第1志望の学部に絞って集中的に対策を行うことが重要です。この学部の過去問で合格基準に達した感覚を身につけた後に、次の学部に進む方法が推奨されます。

例えば、商学部が第1志望の場合、まずは商学部の過去問を「3年分×3周」実施し、合格点を安定的に取る戦略を構築します。商学部で合格点が安定したら、次に第2志望や第3志望の学部に順次取り組み、同じ要領で合格点を目指します。

1つの学部に絞って繰り返し対策することで、その学部の過去問で合格点を取るコツが次第に掴めてきます。1つの学部で得たコツは、他の学部でも応用可能です。したがって、まずは1つの学部に集中して、早稲田の過去問で合格点を取るための基盤を築くことが肝要です。

ここで選択する学部は、基本的に第1志望の学部が良いでしょう。第1志望の学部であれば、モチベーションが高く、極めようとする意欲も自然に湧いてきます。もちろん、志望順位が低くても、自分に合った形式で比較的得意な学部を選んでも問題ありません。


4. 1つの学部を極める方法

極める学部を選択したら、第一にその学部の過去問を3年分×3周実施します。この3年分を徹底的に習得し、全科目で受験者平均点+10%をとる感覚を養います。


4-1. 3年分の選定方法

3年分の過去問を選ぶ際に厳密なルールはありませんが、できるだけ直近の年度を選ぶことを推奨します。特に英語は形式や難易度が変わっている場合があるため、現行の内容に近い年度を選ぶのがベストです。ただし、過去3年以内のうち1年分は直前期のシミュレーション用として取っておくため、解かずに保留します。

例えば、最新の過去問が2024年度の場合、2023年度はシミュレーション用として残し、2024年度・2022年度・2021年度を3年分の対象として選びます。【STEP2:現在地と目標のギャップを把握する】で最新年度の過去問を解いている方は、その年度も3年分の中に含めて構いません。

■ 選定する3年分
① 最新年度(例:2024年度)
② 2年前の年度(例:2022年度)
③ 3年前の年度(例:2021年度)

4-2. 3年分×3周解く

3年分の過去問を選定したら、3周解きます。1周目・2周目・3周目それぞれ目的が異なるため、必ず目的を確認したうえで解くようにしましょう。

【STEP6:過去問演習の方法を理解する】の内容と同様のため、すでに理解している方はスキップしていただいて構いません。

■ 各周の目的
【1周目】正しい読解・思考プロセスをインストールする
【2周目】正しい読解・解答プロセスを80%再現する
【3周目】正しい読解・解答プロセスを完全に再現する


【1周目】正しい読解・思考プロセスをインストールする
まず自己採点を行い、正解を確認したら、なぜその選択肢が正解になるのかを「解説を見ずに」自分で特定します。文章を最初から読み返し、なぜ正解は②なのか、解答の根拠を自分で考えます。根拠が特定できたら、解説を確認して、その根拠の導き方に齟齬がないか確認します。この「解説を見ずに自分で解答の根拠を探す」段階が非常に重要です。

社会科目であればすぐに解説を確認し、知識をストックすることが効果的ですが、英語と国語では異なります。すぐに解説を確認してしまうと、正しい読解・解答プロセスがインストールされず、単に正解・不正解の確認と知識のストックに終わってしまいます。過去問の復習では、正しい読解・解答プロセスをインストールすることが最も大切です。多くの受験生はこのプロセスを省略し、単なる英単語や英熟語のストックに偏りがちですが、英語と国語はこのプロセスをしっかり行うことで大きく力が付きます。

特に間違えた問題やたまたま正解した問題に対しては、解説を見ずに自分で解答の根拠を探し出す作業を行います。

■ 復習の対象
A:根拠を持って正解できた問題
B:間違えた問題
C:たまたま正解できた問題

Aはスルーして構いません。B・Cの問題に対して「解説を見ずに解答の根拠を探し出す」作業を行います。


【2周目】正しい読解・解答プロセスを80%の精度で再現する
2周目の目的は、1周目でインストールした正しい読解・解答プロセスを再現することです。解答を覚えていても問題ありません。大切なのは、その正解に至るまでの読解・解答プロセスを正確に再現できるかを確認することです。

理想は100%の再現ですが、1周目で覚えた内容を忘れている場合もあります。その際は再度復習し、3周目で完全に再現できるように準備を整えます。


【3周目】正しい読解・解答プロセスを完全に再現する
3周目では、正しい読解・解答プロセスを完全に再現することが目的です。解答を覚えているかどうかは気にせず、全問正解に加えて、その正解を導くための読解・解答プロセスを完全に再現することが重要です。これが再現できれば、その年度の過去問は終了です。


4-3. 英語の過去問音読

過去問音読の重要性
過去問を解いた後、すべての長文読解の大問を音読用(速読用)の教材として活用します(会話文は除いてOK)。早稲田の過去問を音読することで、英単語や文法の習得だけでなく、実際の試験で出題される英文に対する耐性が身に付きます。早稲田の過去問は他の教材に比べて字数が多く、難易度が高いため、音読用教材としては負荷が大きいですが、その分得られる効果も非常に高いです。過去問を使って速読の訓練を行うことで、モチベーションを高め、早稲田の英文に慣れることができます。


過去問音読の手順
⓪ 問題文を2枚準備する(書き込み用+音読用)
① 長文中の単語と文構造を理解する
② 脳内に英文の意味と構造を生成しながら読む
③ 可能な限り速いスピードで読む
*過去問音読の目安として、毎日30分~1時間を目標に行うと効果的です。


音読用過去問のストック方法
音読用として使用する過去問は、A4サイズのクリアファイルに整理し、オリジナルの音読用テキストを作成します。音読用として必要なのは本文ページのみで、書き込みのない「白文」をクリアファイルに入れておきます。

音読用過去問のストック方法


おわりに

「早稲田合格へのロードマップ」【STEP7:第1志望学部で合格者下位レベルに到達する】では、まずは下位層の得点水準を目標とし、具体的なSTAGEごとの到達目標を明確にすることが大切です。特に、全科目で「受験者平均点+10%」を目指し、1つの学部を徹底的に攻略する戦略が、合格のための重要なステップとなります。

次の記事では、【STEP8:すべての志望学部で合格者中位レベルに到達する】について解説します。この記事が、早稲田合格に向けた皆さんの学習の一助となれば幸いです。


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