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【首都圏出身者の割合と合格可能性】早稲田大学 地域探究・貢献入試



はじめに

この記事は、早稲田大学 地域探究・貢献入試における首都圏出身者(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の割合と合格可能性について分析しています。

地域探究・貢献入試は、その名称から地方出身の受験生を対象としたイメージを抱きがちです。首都圏出身の方の中には、首都圏出身であることが本入試において不利になる可能性を危惧している方もいらっしゃることと思います。

首都圏出身者で地域探究・貢献入試の受験を検討されている方のご参考になれば幸いです。


01|首都圏出身者の割合(2019, 2018年度)

初めに、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)出身者の割合を確認します。2020年以降のデータは公表されていませんが、2019年度と2018年度の入試結果には首都圏出身者の志願者数が記載されています。

2019年度の入試結果

  • 志願者数:首都圏出身者は111名、全体の志願者数は259名でした。

  • 首都圏出身者の割合:111名÷259名=42.8%


2018年度の入試結果

  • 志願者数:首都圏出身者は136名、全体の志願者数は323名でした。

  • 首都圏出身者の割合:136名÷323名=42.1%

これらのデータから、地域探究・貢献入試では首都圏出身者が全体の志願者数の約40%、首都圏以外の出身者が約60%を占めていることが分かります。

次に、比較材料として一般入試・共通テスト利用入試(2024年度)のデータを見てみましょう。

  • 首都圏の実志願者数:30,796名

  • 総実志願者数:42,031名

  • 首都圏出身者の割合:30,796名÷42,031名=73.2%

一般入試・共通テスト利用入試における首都圏出身者の割合は約70%であり、その占有率は、地域探究・貢献入試の約40%を大きく上回っています。地域探究・貢献入試の約40%という数値を見て、首都圏出身者の志願者数が多いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、相対的に見れば、地域探究・貢献入試は地方出身者が多く志願する入試方式であることが分かります。

しかし、地域探究・貢献入試の2019年度および2018年度のデータには、首都圏出身者の志願者数のみが記載されており、首都圏出身者の合格者数や一都三県別の志願者数、合格者数の詳細は不明です。

そのため、首都圏出身であることが、地域探究・貢献入試において不利に働くかどうかを正確に判断することはできません。


02|首都圏出身者の競争率

続いて、首都圏出身者の合格可能性について別の側面から考えてみましょう。

地域探究・貢献入試はその名称から、地方出身の受験生を対象としたイメージを抱きがちです。事実、早稲田大学が公開する地域探究・貢献入試の紹介動画で登場する学生は京都府、福岡県、三重県出身者であり、地方出身の受験生を対象とする印象を強めています。


入学試験要項より

しかし、入学試験要項の概要では、「出身高校所在地や居住地は問いません」と明記されています。これは、地方の学生だけでなく、首都圏出身の学生も地域探究・貢献入試の対象であることを示す根拠となります。ただし、「地域の多様性を重視し、全ての都道府県からの受け入れを目標とします」という方針から、特定の地域に偏らないようにする意図が伺えます。

【概要】
これまで自身が取り組んできた地域での活動や経験、問題意識等を踏まえて、本学において主体的に学び、その成果を地域に還元する意欲を丁寧に評価する入試です。出身高校所在地や居住地は問いません。なお、地域の多様性を重視し、全ての都道府県からの受け入れを目標とします

早稲田大学 地域探究・貢献入試 入学試験要項


出身地のカウント要素

受験者の「都道府県」は「出身学校の所在地」または「住所」でカウントされることが明記されています。

※2 志願者は、それぞれ出身学校の所在地または住所でカウント

地域探究・貢献入試 入試結果(2019,2019年度)

「出身学校の所在地」と「住所」は同一の都道府県、少なくとも同一の地方に属するケースが大半ですので、出身地の判定についてはさほど問題ではないでしょう。

しかし、首都圏在住で地方の高校に下宿して通学しているなど、「出身学校の所在地」と「住所」が異なる場合、「地方出身者」「首都圏出身者」のどちらでカウントされるのかは不明です。


03|首都圏出身者の競争率が高くなる要因

以上より、首都圏出身者の競争率が高くなる可能性について、その要因を2つに大別することができます。

  • 首都圏出身者の割合
    首都圏出身者の割合が全体の約40%であるため、他の60%を占める地方出身者と比較して、首都圏出身者の競争率が高くなる可能性があります。

  • 地域多様性の重視
    地域の多様性を重視し、全ての都道府県からの受け入れを目標とする方針により、地方出身者が優先される場合、首都圏出身者の合格難易度が相対的に高くなる可能性があります。


まとめ

早稲田大学地域探究・貢献入試においては、首都圏出身者の割合が高く、地域多様性を重視する方針により、首都圏出身者の競争率が高くなる可能性があります。

しかし、1次選考(課題レポート)は例年倍率が1倍台と比較的低く、多くの志願者が合格します。出身都道府県が選考に影響するのはこの1次選考までであり、2次選考(総合試験)では出身地に関係なく、小論文の実力のみで評価されると予想されます。また、最終選考(共通テスト)では、共通テストで80%以上の得点を基準として判断されるため、首都圏出身者であることが不利に働くことはありません。

したがって、首都圏出身者で早稲田大学を志望する方は、可能性を広げるために地域探究・貢献入試を積極的に受験すべきであると考えます。

首都圏出身で地域探究・貢献入試の受験を予定されている方はぜひご参考にされてください。


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