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劇場版 幼女戦記『ガションガションしてる対空砲が格好いい』映画感想
作品名:劇場版 幼女戦記
評価:4/5
放映日:2019/02/08
監督:上村泰
原作:カルロ・ゼン
劇場版幼女戦記を視聴しました。
テレビ版はもちろん視聴済み。
今回の劇場版はテレビ版の内容からの続きで、テレビ版最後で出来た亡命政府をタイトル表示前にサクッと吹き飛ばして映画スタート。
本編では連邦と多国籍義勇軍を相手にします。
本当に世界の敵って感じですね帝国。
作品は話、作画、音響共にシリーズ視聴者には満足な出来。
特に空戦シーンの超作画は流石の劇場作品パワーといった感じでした。
あと敵首都での国歌斉唱、大侵攻開始時の地上戦描写などが個人的にはお気に入りです。
その代わり、ギャグコントかちょっと薄めに感じましたが、劇場版という限られた尺を考えれば仕方がないところかと。
もし、テレビシリーズ視聴済みで劇場版を見てないファンには強くオススメです。
ちなみに、前述の通りにテレビシリーズからの地続きな作品で、独自の世界観か用語が解説なしでぶっ込まれてくるので、シリーズ未視聴者には非推奨の映画になっていますのでご注意ください。
という訳で以下本編の感想、ネタバレ注意。
未来の回想からのスタート。
いきなりのピンチからのテレビ版の天丼展開。
「閣下、御免!」(ポイ捨て)
無事勝利、からの「どうしてこうなった!?」でタイトル表示。
レルゲン大佐との会話。
揺れるターニャちゃんのアホ毛がKAWAII!!
帰投からの無慈悲すぎる即出荷がテンポ良すぎて笑う。
列車砲の弾丸でっけえ!
ターニャちゃん共産主義者滅茶苦茶嫌ってるな?
「赤の広場に民間セスナで着陸できると保証しよう」
楽しそうに語った未来ギャグが伝わらなくて言い直すターニャちゃん。
「精算は十分。ただ政治が許容するかどうかの確認でしょう」
ターニャちゃん大嫌いなのに以心伝心のレルゲン大佐。
唐突に出てくるロリコンおじさん。
敵国指導者の立像を見て、「目標、糞の塊」、「「「目標、糞の塊」」」で笑う。
敵国で国旗を掲げながら国歌斉唱するとかいう畜生の発想。
歌のリズムに合わせて射撃するのが面白すぎる。
というか敵地のビデオ撮影で、自分が撮影担当になって記録に残らないようにしてるな?
メアリーがターニャちゃんにキレて勝手に出撃。からの敗北。
ドレイク中佐「軍人を語るならまず命令を守れ」←ぐうの音も出ない正論。
レルゲン大佐「どうしてこうなった…」
貴方がターニャちゃんを帰還早々再出荷したからです……。
しかし再出荷されたターニャちゃんと同じセリフ言うのは、皮肉というか魂の部分で似た者同士というか。
敵(てき)と敵(かたき)を混同するなって言われて泣いちゃうメアリーちゃんかわいそう。
かわいそうなんだけどあんまり同情する気にならないのは本人が軍規違反しすぎだからかな……。
境遇は凄く可哀相な娘なんだけど。
ターニャちゃんが主役だからかわいそうすぎないように調整されてるのかもしれないけど。
会議で揺れるターニャちゃんのアホ毛かわいい!
「ん?」ってなったあとツーカーで地図の前にターニャちゃん用の台を置く中尉がいいよね。
「えへへー」←かわいい。
急に入るロリコンおじさんの演説。目がやべえ。
「遺族年金がいくらになることやら」って言い回しが皮肉が効いてておもしろい。状況は1ミリもおもしろくないけど。
ベッドからぽとっておりるターニャちゃんかわいい!
悪寒を感じるターニャちゃんの声がいい演技だなー。台詞はなんとも文字に起こしづらいけど。
地上の描写が入ると突撃!塹壕!スコップ刺殺!機関銃!対空砲!戦車!って感じでまんま第一次世界大戦。
ここもだけど、ガションガションしてる対空砲好き。
そういえばこの世界だと毒ガスは無いのかな?
(現実世界の)史実ではもう実戦投入されてるタイミングだと思うけど。
メアリーがスキー型なのは一人だけ魔力量が多いから?もしくは前の戦闘で自分の乗り物ぶっ壊したから?
ターニャちゃんとドッグファイトする作画の都合もありそうだけど。箒型だと肉弾戦できないし。
全然関係ないけど国によって飛行装置が、お弁当箱型、おまる型、箒型、スキー型で面白いよね。
メアリーの攻撃。ガンダムみたいなビーム兵器しやがって。
ドレイク中佐もドン引きしてるし。
建物の合間を飛ぶ作画が超高速で流れていく背景の中を泳ぐようにドッグファイトしていく二人。
まるで実際にジェットコースターに乗っているかのような迫力、スピード感が共に圧倒的。
戦闘機ぶった切りイケメンすぎでは?
爆撃機の迎撃に8人で飛び上がったのに最終的に4人しか残れてない困難なミッションを越えて爆撃機を撃破。
暗い地上から雲を抜けて明るくなるのが良い演出。
ターニャちゃんが水面に写った自分を見て「これでは似たようなものか」と反省して理性的に敵を排除するために深呼吸。
確かに幼女とは思えないひどい顔。
敵の攻撃を誘導して利用した塔崩しの発想と実行できるセンス、そこからのゼロ距離砲撃がすごい。作画もすごい。
爆炎から出てくるメアリーの演出が鬼気迫ってる。
ステンドグラス割って入ってくる時の、スロー再生の中でガラスだけが速く飛んでいく演出がすごい美しい。
「できれば殺したかった、いや、殺すべきだったのに」
えっ、あれで死んでないの?メアリー不死身か?
味方敗走の報を聞いて、メアリー「どうして……」←君が命令違反で司令部叩かなかったからです。
終戦後に、土嚢に寄りかかってる兵士が隣の兵士にタバコ吸わせてあげるのがなんか好き。
最後の死体が並んでるところで映る顔、救援で駆けつけた時にターニャちゃんが話した指揮官の少佐かー。合掌。
後方送りを希望するターニャちゃんに、
「まるで子供の駄々ではないか。実際彼女は小さいが。まさか、反抗期か!?」
上層部との現場担当の板挟みで胃を痛める中間管理職の鏡。
喜びのダンス。
からの最前線再出荷告知。
「どうしてこうなった!」
エンディングの全体的に英語に聞こえるちょっとだけ英語が混じった日本語の歌詞が物悲しくて好き。
歌詞は戦争の悲しみを歌ってるから、どちらかと言えばターニャちゃんよりメアリーちゃんの歌。
最後に、この作品を視聴して唯一残念に感じたところは、ストーリーのテーマ性の弱さでした。
テレビ版ファンに向けた、テレビ作品の続きとしては満点なこの作品。
しかし単品の劇場作品としてみると、戦争の悲劇を感じるにはメインキャストがほぼ健在で、戦争の虚しさを感じるにはターニャちゃんがヒロイックすぎる。そしてメアリーの悲惨さに共感するには独断専行が酷い。
まあ元々小説の一部を劇場版にした作品で、アニメからしても心に強く訴えかけてくるシナリオがあるような作風じゃないのである意味当然なんですが。
しかし、ターニャちゃんが理性的に存在Xからの苦境へ反逆する物語としては、あえて感情に訴えかけないこの作品の正しい在り方なのかな?
と言ってもそれを貶している訳ではなく、作品の方向性と私自身の劇場作品に求める個人的な嗜好のミスマッチといった感じなのでご容赦ください。
全編通して好きなところは、超作画空戦ドッグファイト、ガションガションしてる対空砲、大隊メンバーの歴戦の兵士らしい活躍っぷり、塔崩しと爆炎から憎悪に塗れた形相で歩いてくるメアリー、ドレイク中佐のステンドグラスぶち破り、エンディングテーマ、あと最序盤の閣下ポイ捨てでした。
ターニャちゃん側からは敵だけど、閣下とドレイク中佐は好きなキャラなのでこれからも生き残って登場を期待したいです(原作未読者)。
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