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二度心臓を止めた息子へ願うこと

心臓に疾患を持って生まれてきた息子は
一度目の手術は生後7日目に、
体重はわずか2キロしかなかった。

二度目の手術は前回の3倍近くの
大きさになっていたが、まだ一才の体。

私も手術は胆嚢炎で腹腔鏡手術を一回、
帝王切開を二回経験しているが
術後のダメージは本当にしんどい。

ましてや心臓、
それも小さな体で。

心臓の手術は、硬い胸骨の切開にはじまり心臓を止めて人工心肺に繋いで行われる。
小さい体の中に大人の手が入るように、胸に大きくメスが入れられ、術後には心臓に2本の排液ドレーンが突き刺さって胸から管が出ていた。

心臓の手術では当たり前に行われる過程すべてが
普通の健康な一才児では無縁のこと。

こどもの病気は共通して成長段階と共に回復していく。
大きくなるということはカタチが変わるということ。
だから何度か繰り返し治療が必要になる場合がある。

病棟で久しぶりに再会した親子もいる。

前回の手術後、
思春期で大きく身体が成長する時期に
再手術が必要となる場合がある、と言われた。

しかし、経過観察をしていくうちに
医師の予想とは違うカタチへ。
結果、一年後に再手術となった。


退院前に執刀した医師から、
たいてい体の成長が止まる18歳ごろまで
経過観察を続けていくけど、
30年以上経って再手術するケースもあった、という
話を聞いた。

*(全てに当てはまるわけではない)


私が息子の病気を通じて思ったことは
先天性の疾患はある意味で奇形であり、
治療で完璧な普通のカタチを取り戻せたわけではない。
だから一生フォローしていく必要があると思う。

この子がいずれ私たち親の元から離れ、
就職や結婚、30歳、40歳
そういう人生の節目節目にはしっかりと
自分の体をチェックするよう
物心ついたら伝えていこうと思った。

自分の体は自分が一番に大切にしてほしい。
胸に残った大きな傷も愛してほしい。
それは二度も心臓を止めて闘った偉大な勲章だから。
誇りに思って欲しい。
たくさんの人に励まされ支えられたことを
きっと覚えてないだろうから
胸に手を当てて考えてほしい、想像してほしい。

自分のことを愛せる大人へ
周りの人たちに感謝できる人へ
成長していって欲しい。

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