見出し画像

朝ドラから考える"本当の強さ"

長男を幼稚園に送り、帰って洗濯を干したら
ちょっとひといき、朝ドラを観ます。
主婦の小さな楽しみです。

菅波先生とモネの進展具合に、朝からひとりで
キャーキャー言いながら
"そんな時期、自分には紀元前ほどはるか遠くの記憶…"
と心では思ってみたり。

先週は莉子ちゃんが
「"傷ついた経験" それがある人は強い」
そうモネに話してましたね。

でも、近くで聞いてた菜津さんが
「傷ついて動けなくなってしまう人もいる」
と、宇田川さんのことを思いながら言ってました。

先日、私も友人から
「あなたは強いね」と、言われました。

その理由は

それはもうすぐ一才を迎える次男が、一年前、病気を持って生まれてきたからです。

生後3日目に異常が判明し、次男は隣県の大きな病院へ救急搬送、私はひとり産院に取り残されました。
まだ授乳もおむつ交換もしてない、別れ際に30分抱っこしただけでした。

このまま一生の別れになってしまうのか…
次男誕生の歓喜から一気にどん底へ落ち、絶望し、三日三晩泣き続けていました。
眠ることも食べることも動くこともすべての気力が失われ、心が死んでました

コロナ禍での出産だったので面会はできず、心配してくれた家族や友人からの励ましの電話やメールも拒んでました。

"私は確実に産後うつになる"
と、思い込んでいました。
でも徐々に現実を受け入れられるようになりました。

そのきっかけは、母乳でした。
赤ちゃんがいなくても体は勝手に母乳を作り出すんですね。最初はそれが惨め惨めで、泣きながらタオルに絞って捨ててました。
でもNICUにいる次男に母乳が必要なことがわかり、
"こんな私でも私にしかできないことがあるんだ"と、
ハッとしました。

搾乳機から滴る一滴一滴に"絶対に元気になるよ"と、渾身の祈りのパワーを込めて、酪農の牛のようにせっせと母乳を出荷しました。

自分にしかできないのことがある。
それが唯一の希望であり、この子のため頑張ろうと思える、大きな原動力になりました。

大それた言い方にすると、「使命」ですかね。
それを自覚すると動き出せるきっかけになるんじゃないかと振り返って思いました。


朝ドラの話に戻すと、
モネの震災の経験のように、私も辛い経験、傷ついた経験をしました。

それを乗り越えたから強いのか?
乗り越えられないと弱いのか?
あのまま心が死んだままで本当に産後うつになっていたら、私は弱い人間なのか?

私は本当に強くなったのか?

でももし3人目を授かり、その子も同じように出産後、病気がわかって離れ離れになったら、やっぱり同じように確実に絶望します。

きっとそれだけで人間の強さ、弱さは決められない。
色んな要因もありますからね。
ですが、辛い経験から"新たな学び"もありますし、希望を見出すこともできます。

宇田川さんは部屋に引きこもってるけど、
夜な夜なお風呂掃除したり、大判に習字で文字書いたり
できることをやってますよね。
宇田川さんは完全に動けなくなってる訳じゃない、
少しずつ動こうとしてる。

それがきっかけでもっと前に進めるかもしれない、
宇田川さんのペースで今できていることをこれからも続けて欲しいなと思いました。

結局、菜津さんの言う通り
"辛い経験はしないほうがいい"

それもそうかもしれません。


でも私は次男の病気から、同じように子どもの病気や障害で苦しむ親御さんの気持ちが前よりもっとわかるようになりました。

健康で生まれること、毎日元気で生きていることが
いかに奇跡なことか。

ひとりの命を救うためにたくさんの人の支えがある。

本当に辛かったけど、経験できて良かったと今は思います。私が辛い経験から学んだことを子供達にも学んでほしいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?