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幸せを叫べ

産休クッキーというものがあるらしい。
赤ちゃんの可愛らしいイラストとともに『産休をいただきます。ご迷惑をおかけします。』という文字がプリントされてあるクッキー。

このクッキーが炎上しているという記事を見た。(少し乗り遅れてるかもしれないけど。)
理由としては『不妊治療中の人への配慮がない』『仕事の穴埋めをする人の気持ちを考えていない』『幸せアピールがうざい』などなど。

なるほど、と思った。
なるほど、そういう考え方の人もいるのだな、と。

1つ目、2つ目の理由はネットで隨分議論されていたため一旦置いておくとして
3つ目の幸せアピールについては何が問題なのか正直よくわからない。

産休クッキーを配る人が幸せであることと、もらう人が今を幸せではないと感じていることは、なんの関係もないのだ。

『本当に私生活が充実している人、幸せな人はわざわざSNSにひけらかさない』

という考え方がある。

本当に幸福を感じていたら
わざわざ時間を費やして写真や文章を用意して
幸せであることを周囲に伝えることで自分の中で再確認する必要がない、ということらしい。

この言い分はわかるけど、
けど、と思う。
…それはまあ、人によるだろ、と。

わたしはどちらかというと、SNSで幸せを発信することが苦手なタイプだ。
それは、上記の思想を兼ねてから刷り込まれてきたことによってというのもある。

あとは、おめでとう、とか、いいね!と言われたら返す言葉がありがとうしかないというのもある。
この半ば強制的なやりとりが苦手なのだ。

けど、当然そうでない人もいる。
幸せな出来事を言語化して文章として書き残すことで、幸せを噛みしめることができる人もいる。

やりとりを目的としておらず、
後で自分で見返したときにそれがとても大切なお守りになるかもしれない。

本来SNSはそういう場所なのではないか。

自分が楽しいと感じたこと、幸せだと感じたことを綴っていく、発信していく。
『幸せ』と感じる事象は人によって違うから
あなたの幸せはこれなんだね、とそれもいいねって
私の幸せはこれなんだよ、って。

旅行に行った!ーーー  いい景色だね
美味しいものを食べた!ーー最高だね、美味しそうだね
結婚した!ーーー素敵な人と巡り合えたんだね
出産した!ーーー頑張ったね、かけがえのない家族ができたね
高いカバンを買った!ーーー素敵、かわいい、お仕事頑張ったんだね
好きなグループのライブに行った!ーーー大好きな推しに会えたんだね、最高じゃん
 
幸せを発信することによって、もしかしたら誰かを傷つけてしまうことがあるかもしれない。
でも、すべての人に配慮して発言するのは不可能なんだから、
故意に人を傷つけることをしなければいいんじゃないかと思う。


幸せだと感じたときに、幸せだと言うことで培われるセンサーがきっとある。
誰かが傷つくかもしれないから、不快になるかもしれないから
という理由で、気持ちを心の内に秘めていくことで幸せを感じるセンサーはきっとどんどん鈍くなっていってしまう。

幸せなことを幸せだと感じられなくなるのは、最も不幸なことだと思う。

だから今こそ、幸せを叫べ!
わたしはいろいろな人の幸せに触れたい。
発達したこのネットの世界がさまざまな種類の幸せで満ち溢れることを願って。













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