Winter loneliness

なぜ私は秋冬が好きだと思い込んでいたのだろう。記憶のどこを探しても楽しくなかった夏など見つからない。

今年の夏も楽しかった。この情勢、ほとんど友達にも会えず夏休みもなかったの同然だったが、楽しかった。心が軽かったのだ。毎晩、お気に入りの曲を聴いているだけで何の苦もなく、毎日朝を迎えられた。

秋。心地いい風は、その裏に孤独を感じさせる冷たさを持っていた。

もう秋は過ぎたのだろうか。寒くて窓を開ける気にならない。風は唯々冷たいものに。

毎日のように話しかけてくる友達が鬱陶しい存在になった。一緒に過ごしていて楽しい友達もいる。そいつとこいつは違うのだ。自分の利益しか考えずに接してきているように感じられるのだ。

じゃあ今までずっと鬱陶しい存在だったのか。それは違う。今思い返してみると俺の優しさによって受け入れてきたのだ。そのぐらい俺にも余裕があった。そいつと喋っていて楽しかった。

大人とたわいもない話がしたい。俺の周りにいる大人はいつも忙しそうで大人と話す機会ががめっきり減った。どの人も俺のために働いてくれている。正しくいうと俺と俺の周りにいる奴のために働いているのだが、周りの奴らはそれを受け取ろうとしない。大人たちは自分の努力が足りないと思い、もっと頑張る。俺は正直その努力には意味がないと思う。どうしようもないと思う。だから、俺だけのために働いてくれればいいのだ。それで十分なのだ。

大人と話がしたい。誰もが孤独を抱えているのならば、俺はそれを大人と共有したい。

俺は将来何者になりたいのか。世の中は俺を何者にするのか。俺はどこに向かえばいいのか。どうすれば冬も自分を乱さず過ごせるのか。俺でも誰かを、大人を救うことはできるのか。大人はどうやって孤独を消費しているのか。

大人の方がずっと孤独に違いない。だとしたら俺は変な部分だけ大人になってしまったのだろうか。

寒さは孤独を連れてくるような気がする。

だからといって、温かい風呂に入っても、熱いコーヒーを飲んでも、寒さは心をどこまでも刺していく。