少しだけ過去と未来を語ろう
木漏れ日がさす道路をニャコモンと歩く。
ニャコモンと出会ったのは何年か前の東京だった。
当時恵比寿に住んでいた私のお気に入りの散歩道は中目黒だった。
桜の季節を別として、冬が始まる前の日曜日の夕方は、たいがい人影もまばらで、そんな中を二人で肩を並べて歩くのが好きだった。
中目黒の川沿いを歩いていった、ちょうど角のところにクラフトビールと簡単なサンドイッチを置くカフェがあって、そこがいつもの休憩場所だった。
あれから数年。
ニャコモンがイタリアに戻ることになり、二人でイタリアにやってきた。
イタリアと日本の生活は大きく変わったとも言えるし、こうやって静かな日曜日の何気ない道路を散歩していると、何も変わっていないようにも見える。
ただ二人の歩んできた道が少しだけ長くなっただけ。
頬を撫でる風に、これからもずっとこんな風にいられますようにと、そっと心の中でつぶやく。
今日も平和な一日が終わろうとしている。
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