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あの人は怖いんだ。でも、大事な人なんだ。

あの人はとても怖いんだ。あの人と対話をすると心の中を覗かれてる感じがして怖いんだ。でも僕にとって本当に大事な人なんだ。

僕が思っていた上っ面だけの「優しさ」を改めさせてくれた人だ。
あの人は生きづらさを抱えていて常にぎりぎりな状態で生きているのかもしれない。今にも消えてなくなりそうな感じがしなくもない。だから、他者である僕を試すことで自分の存在を確かめていたのかもしれない。

あの人に僕は試されていたんだ。「あなたはどんな人なの?」って。

その問いに答えるために、僕は自分と向き合っていたんだ。
僕もあの人もとても揺らいでいたんだと思う。お互いがお互いの違いのなかで怖がっていたんだと思う。触れてほしくないけど、触れないと分からない、僕自身すら知らなかった、知ろうしなかった心の奥底にある大事ものに、あの人は触れてきたんだ。

だから、あの人は怖いんだ。その時、僕は自分と向き合うことをおそらく初めてしたんじゃないかな。今までそんなことはしたことなかったから、余計怖かった。自分と向き合うことは、他者との違いに向き合い苦しむことなのかもしれない。他者や社会の当たり前と自分の当たり前の違いを知り、嘆くことかもしれない。

僕は傷つきたくなかったんだ。でもあの人は勇気を持って、僕と傷つくことを選んでくれたんだ。

この社会のなかに「生きる意味」を見つけて、生きていくことは大変なことかもしれない。この社会に「居る」ということは、「人と関わる」とはどういう意味があるのかを、僕は必死に考えていたのかもしれない。その答えをあの人に教えてもらいたかったんだ。

今度、あの人に4か月振りに会う。出会ってから1年経つかな。
あの人に出会ってから、少しは人に対して優しくなれたかな。人の言葉の背景にある大事なものは何かを考えられているのかな。

聞こう。「生きる意味」「居場所」「優しさ」「生きづらさ」とは何かを。
あの人にとって僕は何だったのかを。

尼崎ENGAWA化計画メンバー きど


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