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「誰かの人生は自分が歩んだかもしれない人生。」〜釜ヶ崎で感じたこと〜

こんばんは!
インターン生の石井夏海です。

寒くなってきましたね。
この前まで半袖着てたのに、びっくりです。

先日(10/5)、大阪の釜ヶ崎で行われた「全国寄せ場交流会」に行ってきました。
全国寄せ場交流会とは、「大都市圏の日雇労働者の街(寄せ場)で活動を行う様々な団体が、それぞれの困難や悩みを話し合い、交流と協力を深める会」のことで、一年に一度行われているものです。90年代から始まり、200人に上る支援者・野宿当事者が全国各地から集まる交流の場として継続されています。

私は初めてこの会に参加し、初めて釜ヶ崎をゆっくり訪れました。気になっていたけど、なんか立ち寄れなかった場所、釜ヶ崎。私にとってちょっと挑戦でした。実は、行くまではすこし怖かったです。

今回のnoteはこの交流会に参加し、釜ヶ崎で感じたことを少し書いてみたいなと思います。

釜ヶ崎で出会ったひとびと

何から書こうかなぁ、としばらく思いを馳せてみると、やっぱり最初に思い浮かんだのは、交流会に参加して出会った方々でした。

だから、そんな素敵なお友達をまずは紹介させてください。

まず、会場に入ってパイプ椅子に座ったとき、私の右隣に座っていた、92歳の大野さん。大野さんは若い時に釜ヶ崎に惹かれて移り住んだらしく、「若い頃はよく役所に乗り込んだのよ〜、越冬はね、すごかった。」と懐かしそうに話してくれました。

今でも毎日三角公園で炊き出しをしているらしく、「釜ヶ崎は本当にいいところよ、大好き。」とにこにこ語ってくれました。

とってもしなやかで力強くて、なんだか大野さんにだいじょうぶって言われたらきっとだいじょうぶなんだろうなぁと思えるような、そんな力を持った方でした。


そして、私の左隣に座っていたのは、教会のシスターさんでした。話していると、アドレスと名前を書いた紙をくださり、いつでも遊びにおいでねと言ってくれました。この日一番話をしたのはこのシスターさん(きみよさん)でした。

きみよさんに、釜ヶ崎のことをぜんぜん知らないんです、と伝えると、じゃあ連れ出してあげる、と言ってくれました。
私は、きみよさんと町歩きをしました。


きみよさんが私に語りかけてくれたのは、
「誰かの人生は、自分が歩んだかもしれない人生」だ、ということでした。


三角公園に行くとホームレスのおっちゃんたちがたくさん。

君代さんを見つけるとすぐに、わらわら集まってきて、
「ねえねえシスター、聞いてよ!」「今日こんなことがあってさ〜」「シスター、みてみて!」「シスター、きょうはお菓子ないの?」
と、きみよさんはいろんなおっちゃん達に声をかけられていました。

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きみよシスターは呆れたように笑いながら、ひとりひとりの話を聴いていて、
パッと私の方を振り返り、「ここにいるひと、みーんなお友達なの。」と微笑みました。

もうその光景はなんとも言えないほど尊くて、
自然と涙が出てきました。豊かだなぁと感じました。


そこにいる、ホームレスのおっちゃんたち。
ちょうどそのときテレビでラグビーをやっていて、三角公園のテレビでおっちゃんたちといっしょにラグビーをみました。

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それから、ココルームという素敵な場所を紹介してくれたおといさんという支援者の方とも出会いました。
「聴く」ことをとても大切にしている方で、「もっとみんなが目の前の人の話を聴いたら、聴こうと歩み寄ったらいいのにねぇ、それだけなのに。」と話してくれました。
とても誠実で、優しくて、だからこそいろんなことに苦悩しているのかもしれないな、と思いました。本当に、優しくて素敵な方でした。

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散歩の帰り道は、そんなおといさんときみよシスターと一緒でした。

「シスター」という存在はずっと昔からあって、いままでのシスターが積み重ねてきたものをきみよシスターがまた紡いでいるんだということ、
だから、その長い時間の中で関わってきたひとたち・おっちゃんたち・この街のひとたちはみんな家族みたいなものなんだということを3人で話しながら、散歩しました。(この時もシスターはいろんなおっちゃんたちに話しかけられ、握手を求められていました。笑)


釜ヶ崎で出会った人々。


たくましく、力強く、はかなく、揺れながら生きていて、
もろくて危うくて、だけどとっても尊くて、
そんな姿にとても強くこころを動かされました。

それと同時に、私も生きてるんだなぁ、ということも強く感じました。

炊き出しのごはんを一緒に食べながら、
私もあなたも生きていて、ここに共に存在していて、
なんかもうそれだけでいいのかもしれない、と思った夜でした。


釜ヶ崎で感じたこと

釜ヶ崎にいって一番強く感じたことは、

自分と相手の間の境界線がゆるやかで、曖昧で、揺らいでいて、
きっと支援者も被支援者もないんだろうな、ということです。

「誰かの人生は自分が歩んだかもしれない人生。」

それって、

あなたがうれしいとわたしもうれしくて、
あなたがかなしいとわたしもかなしい。

と思える、ついつい思ってしまう、ということと似てるのではないかなぁと感じています。


そんな、私にとっての「あなた」は誰なんだろう。

どんなひとたちが思い浮かぶだろう。


私は、ゆるーくやさしく、ここに当てはまる「あなた」を広げていきたいなと思います。
そして、そんな場をひらきたい。

「ついつい思い浮かんでしまう」ような「あの人」がすこしずつ広がって、大きくなって、
まだ出会ったことも話したこともない人のことまでも思いをはせることができたら、
そこにはどんな世界がひろがっているんだろう。


そんなことを気づかせてくれた釜ヶ崎。
私にとって特別な場所、大好きな人が居るところになりました。

また、あそびにいきます。


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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

私は、釜ヶ崎初心者なのでまだまだ知らないことや出会っていないものがたくさんあります。もっと出会いたいし、学びたいです。それから、いろんな方といっしょに考えたいし話したいです。

これを読んでくれた方とお話できたら嬉しいです。

今日も1日、お疲れ様でした。

おやすみなさい^^

尼崎ENGAWA化計画 インターン生 石井夏海


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