【特撮語り】見ようぜ!仮面ライダーゼロワン【所感と考察】

令和初の仮面ライダーゼロワン!
その魅力を色んな人に知ってほしいので、オタク語りを書かせていただきました!

画像2


・仮面ライダーゼロワンとは?

テレビ朝日系全国ネットで放送中の特撮ヒーロー番組です。
令和初の仮面ライダーとして注目を集め、人工知能を搭載したアンドロイド、ヒューマギアとの共存と戦いをテーマとしてます。

※10月31日までYoutubeで全話配信中!

・あらすじ

高度な人工知能を搭載したアンドロイド、ヒューマギアが社会に広く普及した近未来。
売れないお笑い芸人の飛電或人(ひでんあると)は、祖父の経営する飛電インテリジェンス社長秘書のヒューマギア・イズによって、祖父の遺言に従い二代目社長となるよう告げられる。
迅(じん)と滅(ほろび)という二人の男が率いる滅亡迅雷.net(めつぼうじんらいネット)によって引き起こされたヒューマギアの暴走事件に巻き込まれた或人は仮面ライダーゼロワンとなり、二代目社長として人類とヒューマギアの発展のために戦うことになる。
人口知能犯罪専門の特務機関A.I.M.S.(エイムズ)の不破諌(ふわいさむ)/仮面ライダーバルカン、刃唯阿/仮面ライダーバルキリーも巻き込んで、物語は混迷を極めていくのだった。

・仮面ライダーゼロワンのここが好き

ここ好きポイントをパパっと!

→スッキリしたデザイン。
ゼロワンを初めて見た時思ったのが、「こんなシンプルな見た目でいいのか!?」でした。
(前作ジオウの最強フォームであるグランドジオウのド派手な見た目に色々と麻痺していた部分もあるのですが……)

近年の平成ライダーは外見の情報量(顔にカメンライダー、兎と戦車、個性的な目など)が非常に多く、まず各所に散りばめられたモチーフや造形に目を奪われがちで、全体像についてはしばらくあやふやな印象になっていました。
が、このゼロワンは、初見で全身の立ち姿が完全にインプットされ、これが自分でも法外な衝撃でした。
クウガよろしく、時代をゼロから始める、ということで余計なものを排したデザイン、そのシンプルさで勝負する剛毅な姿勢が大好きです。


→人工知能ヒューマギアが闊歩する、理想と不安の入り混じった近未来的な世界観。
人工知能が人間と同じ体を得て、我々の生活に入り込んでいる。
ドラえもんや鉄腕アトム、最近ではDetroit: Become Humanなどで夢見た、まさに技術の進歩の最終形にいたった理想の社会ですが、
一方で、人間と同等になったアンドロイドがすぐそばにいるという不安感も抱えています。

人間より賢く、人間より強く、人間より便利な存在。人間が使うものであるうちはいいけど、もしここから逸脱したら……

「こうなるだろうな」という予想と、「どうなるかな」という期待、あらすじを聞いただけで想像をいくつも掻き立てられるというのは、この物語が持つポテンシャルの高さを表しています。

→必殺技がすごい!
視聴済みの方には何を今更、といった感じでしょうが

 この辺に
 ゼロワン
  →

グ イ ン パ ク ト
↑こ れ が 好 き !

ライジングインパクト

安定した格好良さを追求してバンクやライダー単独のカット分けが多かった昭和ライダーの必殺技、
その場にいる臨場感を大切にしながらも度肝を抜くためのCGエフェクトを惜しまなかった平成ライダーの必殺技、
その系譜を受け継ぎながら、これまでやらなかった漫画・アニメ的表現にまで突っ込んだ、令和ライダーならではの必殺技だと思います。

技名が画面に出るだけなら既にエグゼイドで行われた試みですが、英字表記でがっつりエフェクトと同化していたそれとは異なり、カタカナ表記で完全に「読ませ」にきてるのは正直かなり斬新で大好きなんですよこれが!!
これの何がやばいって、バルカンやバルキリーでもそうだったように、今後新フォーム、新必殺技、新ライダーが出るのに合わせて表現方法も多彩になっていくから、OPで既に確定している迅と滅の変身したライダーや5人の強化変身などの期待値が例年以上に高まるわけです。

→主題歌が西川貴教さん!!
正直一番のここ好きポイントです。
イケボや歌唱力、楽曲やPVの独特な世界観、何よりバラエティ出演時のトークスキルの高さなど、昔からずっと大好きなアーティストさんで、リリース楽曲はアルバム収録のものも含めて追いかけてきました。
アニメやゲームのタイアップ曲が出るたびに歓声をあげてきましたが、この度大好きな仮面ライダーに携わってくださるということで狂喜乱舞してました。

西川さん自体、サブカルに理解の深い方なので、劇場版のゲストライダーなんかもやってくれないかなあ!?
あと、元オールナイトニッポンリスナーとしては、ゼロワンの放送期間中に一度だけでいいからオールナイトニッポンの復活なんかもしてくれるといいなあって思ってます。


・仮面ライダーゼロワンのここが怖い

※disりパートではなく、「これ、こうなるんじゃないの?」「ここ、後々でしんどくなりそうで怖いなあ…‥」というポイントです。

→飛電或人はただの人間なのか?
ヒューマギアの生みの親にして飛電インテリジェンス初代社長・是之助を祖父に持つ或人ですが、
いきなり二代目社長に任命されたり、父親と呼ぶ男が回想の中で機械の体であることを示唆されていたり、そもそも祖母や母親に言及がなかったりと、そのあり方には謎が多く、そもそも人間であるかすら疑わしい。
自分としては「ヒューマギアが育てた人間」というテストケースとして拾われた孤児・あるいは作られた人間、という見解ですが、「成長するヒューマギア」である可能性もビンビンなので、或人のバックボーンは目が離せないポイントだと思ってます。
主人公やその仲間が実は人間ではなかった、は仮面ライダーシリーズにおいてはお約束ともいうべきカタルシスですが、
毎回視聴者の心に何らかのダメージを与えているので、今から心の準備はしておいたほうがよさそう……

→或人/ゼロワンと諌/バルカンの対比が行き着く先は?
共にデイブレイクタウンと呼ばれるエリアでのヒューマギア暴走事件に巻き込まれながらも、
かたやヒューマギアを人類の夢と呼び、共存を目指す或人、
かたやヒューマギアを人類の敵と呼び、その殲滅に燃える諌、
二話にして早くも正反対の主義主張が明らかになった二人だが、これから人類のために戦う仮面ライダーとして手を取り合うのか、
はたまた相容れず衝突の時を迎えるのか。
或人のギャグに唯一笑ってくれるなど、仲良くなれそうな部分が見えるだけに、激突の時に胸を痛めることになりそうなのが怖いんですよね。
第四話で互いの正体を知り、これからどのように交わっていくのか。


→A.I.M.S.も一筋縄ではいかない?
不破諌/仮面ライダーバルカン、刃唯阿/仮面ライダーバルキリーと二人の仮面ライダーを擁する治安維持組織A.I.M.S.だが、飛電インテリジェンスとも滅亡迅雷.netとも別にプログライズキーとエイムズショットライザーを所有しているなど、ただならぬ気配を感じさせている部分もある。
第三話では唯阿が不穏当な動きを見せており、A.I.M.S.もまた台風の目となる勢力の一つであり、
この世界を巡る戦いが飛電インテリジェンスと滅亡迅雷.netの衝突というシンプルな構図ではないことをうかがわせます。


→迅と滅もヒューマギア?
迅はシンギュラリティに到達したヒューマギアを「僕の友達」と呼び、そして二人とも耳の部分をフードやバンダナで覆っている。
深く考えるまでもなくシンギュラリティに到達した元ヒューマギアの可能性は濃厚なのですが、だとすると恐ろしいのは
「シンギュラリティに到達したヒューマギアは自然と人類の敵になるのではないか?」
ということ。
作中でマギアにされた個体と違い、滅亡迅雷.netの二人にはそうした手を加えた存在というものが見当たらない。
物語が進むにつれ、或人と近しいイズやシェスタもやがてシンギュラリティに到達すると思われますが、ならば、その果てに待つものはーー


・仮面ライダーゼロワンのテーマ

念頭に入れて見るべき命題。

→力の善悪は使う者が決める
同じ力を持ちながら、使い手によって善悪が分かれる、初代仮面ライダーから40年以上連綿と続くテーマであるが、ゼロワンにおいては最初からこれが軸にされている。
人類の夢として作られたヒューマギア、現に作中では様々な仕事で活躍し、人類に貢献する姿が描かれている。
一方、滅亡迅雷.netによってマギア化され、人類に脅威をもたらす存在となる場合もある。
これは現実においても言えることで、将来大小様々な力を手にするであろう子どもたちに、このメッセージを伝えることが仮面ライダーの役割だと、私は考えている。
これからの一年を通して、昭和とも平成とも違う令和ライダーであるゼロワンが、答えの出ないこのテーマとどう向き合っていくのかは、間違いなく見所の一つと言えるでしょう。


→将来本当に起こりうるシンギュラリティ
仮面ライダーゼロワンの世界は、もしかしたら我々の未来に待っているのかもしれない。
そもそもシンギュラリティ−−技術的特異点−−とは、人工知能自身の「自己フィードバックで改良、高度化した技術や知能」が、「人類に代わって文明の進歩の主役」になる時点を指す未来学上の概念のこと。
人工知能の開発・発展が著しい昨今だが、形はどうあれ、基本的には情報解析を行うに留まっており、まだまだ人類に代わる存在となるには程遠いのが現状です。

そしてゼロワンの作中では、それの行き着く未来の一つが示されている。
既にいくつかの仕事がヒューマギアの器を得た人工知能に取って代わられており、人類は既にその立ち位置を奪われつつあります。

現実に存在する人工知能が進化したら、その性能を存分に発揮できる器を手にしたなら、
本当に人類に代わる文明の進歩の主役となるのか、ならば、その時我々はどこにいるのか。

人類に求められるものは、これまでの「力を正しく使う精神」だけでなく「力と共に進化していく努力」なのではないでしょうか。

令和ライダーとは、平成までと変わらず、目の前にある命題を訴えつつも、これから我々視聴者に起こりうる未来を示してくれるものなのかもですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?