夢だけど、やっと会えた

鳴るアラームに意識を覚醒され、ぼんやりと記憶を辿ると、逢いたい人に夢で逢えました。

後ろめたさも無く、健全に。

ちょうど４年前のこの時期位から、他人とは違う思いを募らせる人と、色々な出来事があったなと過去を反芻していました。

とりあえず、肌寒い曇天、やるべき事を片さないと…と思いながらベットから飛び出ました。

もう朝から

あの人が現れてくれたから今日は幸せな日だな。

と思えました。

夢に出てきた人と云うのは、舞台の仕事の裏方さんで老舗のご子息です。

私の勤めていた職場とは格が違う、と親方も若も一歩退いて接していたような、大きなお店です。

10代でその仕事に就き、連獅子かと思ったと揶揄されるような髪の毛に、ピアスが20個、スカジャン、愛想もそっ気もまるでない、ジーパンの裾を引きずって親方には

忠臣蔵の長袴か

と歌舞伎を知らない子には全く分からんであろう揶揄されるような尖りに尖っていた世間知らずのヤバい私を面白がってくれた、他の業者の先輩の人です。

(書いてて本当にすごかったなと自分で冷や汗が出てきましたね(笑)

その人は何だかいつもわいわいわいわい、オッサンなのに元気だな、位の冷めた目で私は見ていました。

様々な裏方さんともその人は仲が良く、朗らかにお話をしている

コミュ力の高い、ちゃらいオッサン

という印象でした。

現場で同じになるとつっけんどんな私にも

『何を読んでるの？』だのなんだの感だのと言われて、貸し借りもお互いにすることがあるので私も緊張しつつもその方なら話しやすいといつの間にか現場で一緒になれたら楽しいなと思っていました。

何かの打ち上げで私が苦手なマッコリをその日は調子こいて飲んだんですね。

シャンパン、ワイン、ビール、マッコリ、ウイスキー…ありとあらゆるものをチャンポンし、その人に粗相をしてしまったんです。

しかも、白パン…。

もうこれは生きていけない、失態だ、死ぬしかない…

とりあえず、連絡先を教えてもらってクリーニング代と謝罪をさせてくださいとお伝えをしたんですが

飲んでりゃこんなこともあるよ～大丈夫だよ～

って言ってくれて、ああ人には寛容にならねば…と思ったんですね。

思い出したくないそのときの記憶を思い出していくうちに、私が粗相をし終わった時、その人が頭を撫でて

しんどかったね、よしよし！だいじょうぶか～！

ってしてくれてたことを思い出したんです。

初めて頭を撫でられたかも、しかも悪いことをしてるのに怒られず心配された

その事がとてもうれしくて、その人が特別に感じてしまった自分がいました。

その人はとてもいいお父さんなので、子供のように扱ってくれただけだと思いますけどね。

椎名林檎さんや東京事変、欅坂46の二人セゾン、乃木坂46のサヨナラの意味、ここら辺を聴くと昨日の事のように様々なことを思い出します。

私の家の近所のワインバーで、私の好きなウイスキーを二人で一本近く飲み耽ったこと、

６人くらいで行ったスナックで、知らないおじさんに頭はたかれてスイッチバッチリ入って

もう帰る

って一人で飛び出して、後を追って来た皆に

なんで一言言ってくれなかったの？

って言われて

だって皆楽しんでるのに水差したくなかったんだもん～(泣)

眼鏡落として拾って貰ったり、

辞めちゃってから、楽屋の雰囲気がなんだか寂しくなって距離が空いちゃった気がするよ。

って言ってくれて号泣したり…

だけどお父さんである彼はいろんな葛藤も抱えてたんでしょう、私も甘えすぎて、会わなくなりました。

懸命だったし、健全だったと思います。

幸せには出来ないからもっといい人を見つけてね。

別に幸せにしてくれなんて頼んでないし、求めてないですけど！？

って最初はキレてました。

じゃあなんであんなこと言ったの？あんなことしたの？

そんなこともたくさんあったから。

だけどお酒が入っちゃえばトロントロンな意識のなかで分別付かなくなるのは世の常で。

とってもしんどかったとき、いつもいつもきちんと話を聞いて慰めてくれて力をくれたあの人が居たから今私は居られます。

今でもありがとうはずっと胸に、会う日には幸せですと素直に言って笑えるようになるのが恩返しだなと思っています。

あの人は思い出すことなんて無いんだろうけど、私の胸の小さなところに、ずっと居ます。

老舗のボンボンに行ってきました。平日なのにわんさか人がいて流石です。