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朝の愉しみ

 朝5時に起きる。
 起きてすぐに洗面所に向かい、口の中をゆすぎ喉のうがいをする。初老になったためなのか、寝起きの口臭が臭くネバネバするのだ。先月、妻にセッツかれて歯医者に行ったばかりなので、歯周病ではない。
 そして珈琲を淹れる。
 時間に余裕があるときは、あらかじめ挽いておいた豆を使うが、大抵はインスタントコーヒーかボタン一つで出来上がるマシーンを使う。
 出来上がった珈琲を持って書斎もどきに籠る。これからが朝の至福のときだ。
珈琲をチビリチビリと口に運びながら本を読む。
 世俗の雑音も無く、ただ鳥のさえずりと蝉の鳴き声が遠くで聞こえる。
 ああ、贅沢な時間。
 今日読んでいる本は開高健のエッセイだ。
若い頃、釣りに凝っていて、釣り関連の本をよく読んだ。その中で開高健の「オーパ」に辿り着く。
 最近、何十年も放置していた実家の部屋を整理し始めたのだが、埃を被って黄ばんだこの本を見つけたのだ。
 開高健の物や情景の比喩、描写が圧倒的に上手い。 
 これなんだよな、この駄文との差は…




 

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