[海外大学院出願] つくろう!本気のパーソナルステートメント

 こんにちは、あめです。
大学院出願フェーズのすべての過程が終わり、無事大学も卒業し、最近は一息つけています。久々に時間の余白を楽しめています。ありがたい。そうこうしている中で、最近、自分の経験を生かし、これから応募される方々の支援ができればいいなと思い始めました。

「私に何ができるだろうか..」と考えた末、自分が最も好きな文章媒体で気軽に発信できる、note記事の執筆に落ち着きました。ここからは、[海外大学院出願]シリーズと題してnote記事をいくつか書いていこうと思います。リクエストもガンガン受け付けます!Twitter (Astudyy_)のDMなどでお気軽にどうぞ。

今回は記念すべき第1回目。今回取り上げるのは、海外大学院(特に英国)の出願において、切っても切り離せない、Personal Statement (通称PS)で私が参照、利用したリソースについてお伝えします。

当たり前のことを言いますが、PSはとても大切です。なぜなら、大学側がapplicantsから受け取る情報はたった、


(1) 学部時代の成績表
 (2)IELTSのスコア
(3) Personal Statement  (※ 一部大学は以上3点に加えてCV)

の3つのみだからです。
英語力や成績の優秀さは重要な要素です。それは否めません。
しかし、これらはあくまで数字の羅列。そこから、人柄や熱意は見出せません。
そこで、カギとなるのがPSです。500-1000wordsという限られた字数の中で、ありったけの学問愛を詰め込むのです。私は、PSはラブレターに近しいものがあると思っています。学問に対する熱意、大学のカルチャーや価値観に対するフィット感、さらに自身の「なぜその分野を専攻したいのか?」という学びの根源(モチベーション)を徹底的に示す必要があるからです。

「同じ学生を受け入れるなら、専門分野に関する経験、もしくは学問に対する強い探究心を持った学生を選びたい」。この気持ちを抱いているのは、どこの大学も同じ。そして、世界中から集まった数あるapplicantsの中で、「自分こそがこの大学の、このcourseに相応しいんだ!!!!」と猛アピールする唯一の手段がPSなのです。

Twitterにも投稿したので受験結果を何度も公開するのは恐縮なのですが、私は1ヶ月半くらいかけてPSにこだわり続けた結果、

合計6校からオファーをいただきました。(2月後半、エジンバラもOfferをいただきました!)

より質の高いPSを作るためのアドバイスとして、この記事では、以下の内容が含まれています

1.PSを作る際、参考にしていた媒体
2.執筆時に意識していたこと
3.使用した添削リソース
4.PSを書く際のTips

1. PSを作る際、参考にしていた媒体

"Personal Statement"のリソースはネット上に膨大にあります。興味本位でちょっとググってみると、ヒット件数はなんと約4,020,000,000 件。天文学的数字です。
"Tips for Personal Statement"や "Strategies"と銘打っているウェブサイトも、この中には山のようにあります。しかし当然のこと、全てのサイトが信頼できる情報を載せているわけではありません。ネットの情報は玉石混交です。

その中で私が実践していたのは、とにかく「自分の専門に近い分野」で「志望する大学院の合格者のPS」を読み、研究することでした
そこで活用していたツールは、以下2点です。

1.BEO 会員が読める合格者のPSリスト (2万円デポジットの基本コースでも読めます)
2. Studential  Personal Statement Examples  Universityhttps://www.studential.com/university/applying/UCAS-application-guide/personal-statement-examples/universities

 まずは1つ目、BEOからお話しします。
大学院進学準備(特に英国)において、BEOはとてもおすすめのツールです。基本コース(デポジット2万円のみなので実質無料)だけでも、留学カウンセラーとの個人面談、出願代行(5校まで)、PSチェック、定期的なオンラインイベントの参加権など特典満載です。

PS作成の際、私はBEOが提供している「合格者PSまとめ」に掲載されているPSをいくつも読みました。ただ、私の専攻、"Migration Studies"のPSはなかなか見つかりませんでした。そのため、比較的近い分野である"Sociology"や"International Relations"、内容によっては"international Politics"などのPSも合わせて参考にしていました。比較的マイナーな分野を専攻する方は、このようなアプローチが効きます。それらも合わせて、恐らく10-15本のPSを読みました。
PC、スマホへのダウンロードも可能なので、特にいい内容だと感じたものはプリントアウトし、繰り返し読みました。

読む際に意識していたのは2点。構成と、エピソードの出し方です。
いくつも読んでいると、受かるPSには構成において共通点があることが見えてきます。例えば「原体験」を最初に持っていくこと。個人のエピソードで始まるPSは基本的にインパクトがあり、目を惹きます。
"Personal"と冠している通り、内容も本当に”Personal"でいいのです。専門用語をふんだんに盛り込んだ、難しいエッセイは求められていません。インターンやゼミなどでのコンテスト優勝、雑誌論文への掲載などの実績をあげていたら評価の対象にはなりますが、必要条件ではありません。現に、私も表彰実績などはありません。

※といっても、関連する職歴、経験、アクティビティ(大学のプログラムなども含む)があれば、PS、もし字数の関係で難しければCVにも、できる限り全て書くべきだと思います。分野に関連する経験は評価の対象になりますし、自分の関心の高さも強調できます

 2つ目のStudential  Personal Statement Examples は完全無料です。そして、あらゆる分野のPSを読むことができます。ほぼ全範囲カバーしている気さえします。そのPSでアプライして合格/不合格だったスクールも一緒に出ているので、大体のレベル感を見られます。ちなみにここでは、オックスブリッジレベルのApplicantsのPSも読めます。志望している方はぜひ!

私はPS研究というよりも、ほぼほぼ趣味で読んでいました。特にOxfordのLiteratureコースに進んだ人たちのPSは素敵な表現の宝庫なので、読んでいて勉強になります。ゴージャスなボキャブラリー、洗練された表現...読みながらうっとりできるレベルです。ただ、気をつけて欲しいのは、自分のPSと比較して悲観的にならないこと。レベル感を見るのは大切ですが、「あれも足りない...これも足りない...」となってしまうと精神的にも良くないですし、自信の欠如に繋がります。誰が見てもパーフェクトなPSなんて存在しません。自分なりの高得点を目指しましょう!

2.執筆時に意識していたこと

 PSは自分のパッションを最大限表現する場所です。なので、優先すべきなのは「自分がどんな人間なのかを知ってもらう」ことです。この際、たくさんの功績を書いて自分を大きく見せる必要はありません。学問に対して興味を持った経緯を、ひとつの目を引くストーリーに落とし込んで書くことを意識していました。

例えば私の場合は、

(1) 国際結婚で来日した母の元で生まれ、地方の小さなコミュニティで疎外される移民女性の姿を、幼い頃から常に見ていた
→「自分のお母さんはどうして周りと違うのか?どうして社会から取りこぼされてしまいがちなのか?」という疑問を持っていた

(2) 大学での授業、韓国の西江大学との共同フィールドワークなどを通じ、
→"Intersectionality" (女性,移民など複数のマイノリティ性を持つ人々) という概念を学び、自分の母はこの"Intersectionality"故に不平等な待遇を受けていたのかと謎が解けたような気がした

(3) それらの興味をより深く掘り下げるため、卒論はフィリピン人結婚移民が抱える社会的軋轢をテーマとした。
→インタビューを通して、日本社会におけるマイノリティの声を直に聞くことができた。移民研究に関して専門性を持つ大学院において、移民女性の脆弱性と社会的エンパワメントについて学びを探求したいと思った

まず初めに、専門に関する経験や、参加したイベントなどを全て書き出し、その際に自分が抱いた感想や考えなどをまとめました。

ここまでくれば、ネタ出しはできた状態です。あとは一つの物語を構成する、パラグラフを作っていきます。
大筋はあくまで、「どうして自分がその分野に興味を持ったか」です。そして興味を持った、もしくは考えを深めるきっかけとして職歴、ボランティア、フィールドワークの話を入れていきます。避けたいのは、自分の功績の羅列になってしまうこと。それはCVの役目です。

何事もまずは自己分析から。いいPSの第一歩は、丁寧に自分の過去を見つめ直すことです。

3.使用した添削リソース 
 

 留学にはお金がかかります。もっというと、準備段階からお金がかかります。なので、「できるだけ安く添削を受けたい!」と思うのは至極真っ当な気持ちです。色々とお話を聞いた上で、(Twitterのフォロワー様にも大変お世話になりました!) 最終的にこちらのサイトで、2枚のPSの添削をお願いしました。

ここが大正解でした。安いのにとてもしっかり添削してくれて、ありがたかったです。文法だけではなく、よりアカデミックに聞こえる表現も提案してくれます。添削→返却までは時間がかかるのが常なので、できるだけ早い段階に見てもらうのが吉です◎

また、BEOのベーシックコースにもPSの無料添削 (1枚、文法チェックがメイン)がついています。追加料金なしなので、ここも見逃さず、活用しておきましょう。

4.PSを書く際のTips


私は学部からそのまま院に進学するので、ここでは現在学部生で海外の大学院を検討している方に向けて、Tipsをいくつかご紹介します〜

(1) 大学教授とは仲良くしよう
 
大学教授、特にゼミの担当教員や自分の興味と近い教授とは、良好な関係を築いておくべきです。なぜなら、海外院の出願には教授からの推薦状が必要不可欠だからです。それだけではなく、多くの奨学金申請においても、推薦状は必要になってきます。
もちろん、ごまをする必要はありません。しかし最低限、授業は出て、課題もこなしましょう。報告・連絡・相談も大事です。信用がない学生に対して、わざわざ時間を割いて推薦状を書く人はいません。「この学生なら大丈夫だな」と思ってもらえるような行動は、大事だと思います(自戒を込めて!)

(2)  興味のあるイベントには積極的に参加しよう
  実はこのタイトルは、私の1-2年生のときのモットーでした。1-2年性の時から、なんでも興味があることに参加する癖をつけておきましょう。このアドバイスは直接的にはPS執筆には関係ないかもしれませんが、PSのネタ作りという意味ではとても大切です。その当時の動機が決して誉められたものではなかったとしても、後で重要な意味を持つこともあるからです。

例えば私の場合、PSにも盛り込んだ韓国の西江大学との共同研究プログラムの参加は、当初「(大学から補助が出るし)格安で韓国に行けるのいいな〜」という極めて邪な理由がありました。しかし、結果として、移民労働者が働く段ボール工場や、難民保護シェルターを訪れる機会に恵まれ、マイノリティの権利を取り巻く環境に対してさらに問題意識を育むきっかけになりました。

なので、なんでも飛び込みましょう。思い立ったが吉日。「失敗したら...」とか考えるのは、とりあえず後!です!

(3) 大学の特色を調べよう
 「行きたい大学のオタクになる」のは、自身の熱意を伝える方法の一つです。
大学のホームページ、コースのホームページは入念に見ましょう。できれば、自分の行きたいコース、かつ自分の学びたい分野に近い教授の著書や論文に目を通してみましょう。たくさんの大学院に出願するので、そこまでは難しい...という場合でも、最低限研究分野と関係するモジュールの名前くらいは拾って、PSに書いておきましょう。
「そこまでうちの大学について調べてくれたのか...!」と読み手に思ってもらえるように、必要な工夫です。

長々と書きましたが、コツさえ掴んでしまえば、PS作りは出願プロセスの中で最もクリエイティブで、楽しいものでした。ぜひこの記事を参考に、自分の熱意や思いをありったけ伝えてみてください。応援しています。

最後に、全ての海外大学院出願者に幸あれ!


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