力学の超基礎を令和2年環境計量士過去問(環物問6)でやってみる(そにょ3)

1.はじめに

これまでわざわざ?2回に分けて記事書いてきた問題の3回目の記事になります。前回記事及び前々回記事もご確認ください。これもアップ優先で、一定記事を先にアップしたうえで数式などは後で加筆する感じで行きたいと思います。一応これで最後にしようかなと思っています。なお、この記事は力学的エネルギー保存の法則で解いた場合のものになります。

R2環物6 水平から30°上向きに大きさ20m/sの初速度で地面から物体を投げた。物体が最高点に達したとき、地面からの高さはいくらか。ただし、重力加速度は10m/s^2、空気抵抗は無視、地面は水平で十分広いものとする。(抜粋:再掲)

で、実はこの方法でもう1問解ける問題があったのですがちょっと力尽きそうなのでこれに絞ります。

2.エネルギー保存則

さて、エネルギー保存則について、古典力学だけで考えると
運動エネルギー(K)+ポテンシャル(U)=力学的エネルギー(E)
というルールがあります。系(難しい言葉だけど、今回はボールとか、もうちょっと難しい問題だとぶつかるボール同士とかピストンの中の気体とか質量!とかいろいろありますし簡単には説明できません)のエネルギーは貰ったり失ったりしない限り一定というルールです。なお、平地で自転車のブレーキ踏んだら止まった、エネルギー保存されていないよーとつい思っちゃいますが、あれは運動エネルギーがブレーキや地面との摩擦で熱エネルギーに変わっているからです。全体のエネルギーは保存されています。

でも、今回の問題では幸い力学的エネルギーが保存されているので、それを使えば解けます。なお、問6も問8もボールなりおもりの力学的エネルギー保存則を使って解きます。

普通に、高校で習うであろう位置エネルギーと運動エネルギーの公式を使って、すぐ解けてしまうのですが、それでは若干芸がないので今一度物理ワールドの仕事(エネルギー)の復習をしてみます。

3.仕事(エネルギー)について

物理でよくみる、運動エネルギーは力(F)と変位(s)のベクトルの内積
W=F・s=Fs cosθ (J)
ちなみに、単位はJ(ジュール)です。(kg m^2/s^2)
になりますが、今回わかりやすくするために1次元で、しかも力を一定とみなせる短い距離(1cmとかでイメージしていいです)で考えてみると
W = FΔxとなります。もうちょっとxの距離が長かったら、しかも力一定ならW=Fxとなる。こんなわかりやすいのって?例えば位置エネルギーってそうですよね。ダンベルを1m持ち上げる時のエネルギーは重力から受ける力に逆らって力加えて1m動かしている。重力って、鉛直下(地面)の方向に加速度g受けてるのと同じです。力に直したらmg(N)です。単位はニュートン、kg m/s^2です。実は体重計は、この力を計っています。ただし、体重を出すためにニュートンじゃなくて重量キログラム(kgf)という単位で表示されるのですが、大体10Nの力がかかるときに(これって1kgの物体に10m/s^2の加速度を与える力(1kgf)になります。0.1Nだと10gfなので、キッチンスケールを手で押してみて力を覚えてみる、その力で未開栓(重要!)の缶ジュースなり缶チューハイを横倒しにして1秒も転がしたら結構早く転がる、でもそれを立てておいて押してもたぶん動かないという感じの実験なら、すぐお家で一人でできます。この時転がっている動きは運動エネルギーです。だから、力をかけるだけでは運動エネルギーは与えられない。転がって(動いて)、つまり力×距離で初めて運動エネルギーになるというのが体感できるかなと思います。

さて、ちょっと前振り長くなりましたが、物体を上に持ち上げるとか発射するときの位置エネルギーは重力加速度gと地表面からの距離hと物体の重さmを考えると片道だろうが一度もっと上まで上がってそれから戻ってこようが同じで(2hまで上げてhに戻すとき、確かに2h分仕事しないと持ち上げられないけど、帰りはhだけ仕事される(エネルギーもらえる))
U(位置エネルギー)= F・s = mgh (J)
で表せます。

次は、運動エネルギーを考えます。ここで、ごくごく短い距離を動く時を考えます、当然距離だからこの短い距離を進む時間×速度で言い表すことができますし、その時の時間はごくごく短い時間です。式で考えると次のような感じになります。やや天下り的な説明になってしまうのはゴメンナサイ。積分の意味がいまは分からない場合、最後の出来上がりの式が1/2 mv^2と速度の二乗、しかも1/2になるのは三角形の面積だって雑に感じてください。
F dx = ma dx
これを両辺積分すると
∫F dx = ∫ma dx
これの左辺は、まさに仕事の定義なので運動エネルギー(K)に一致(わかんないなら、F一定として積分記号外したらFx=Wとなり、仕事の定義になります。(天下り的説明すぎますが)
右辺について、加速度の定義を用いて
∫ma dx = ∫m dv/dt dx
ここで、速度の定義からdx = vdt として、数学的には雑な取り扱いだが
∫m dv/dt v dt = ∫mv dv =1/2mv^2
つまりK = 1/2mv^2というのが若干雑ですが思い出せました。(厳密な証明は、たぶん大学の教科書にあります)
なので、力学的エネルギーエネルギー保存則の公式を導出できて
E(一定)= U + K = mgh + 1/2 mv^2

画像1

あとは、角度とかを頑張って作図したのが上の図です。エネルギーが高さでどうなるかも書きました
E =1/2 m(v_0)^2 1/2 mv^2 (= 1/2 m (V_0sin(π/6))^2 + mgh
式に数値を代入して
1/2 m×20^2 = 1/2 m (20×√3/2)^2 + m 10 h、mを払って整理し
h=5 (m)

4.謝辞、Appendix

とりあえず、アップ先行しました。あとで図は加えます。わかりにくい説明でしたが最後までお読みいただきありがとうございます。



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