力学の超基礎を令和2年環境計量士過去問(環物問6)でやってみる(そにょ2)
1.はじめに
前回記事で、結局触りしか入られなかった問題の解法です。問題の内容とかは前回記事をご参照ください。なお、画像などはより出来のいいのができたら記事修正で差し替え、追加などをすることはご了承ください。
R2環物6 水平から30°上向きに大きさ20m/sの初速度で地面から物体を投げた。物体が最高点に達したとき、地面からの高さはいくらか。ただし、重力加速度は10m/s^2、空気抵抗は無視、地面は水平で十分広いものとする。(抜粋:再掲)
2.解法1 速度と加速度の定義を使う
さて、前回少し説明しました運動を横軸(x軸)と縦軸(y軸)に分割して、それぞれの変化を見ていきましょう。
速度 (v) の定義:(微小なり、単位)時間あたりすすむ距離。
加速度 (a) の定義:(微小なり、単位)時間での速度の変化。
みんな大嫌い?数式が出てきますが、ある程度お友達になる必要もあります。でも、まずは数式の心がわかれば細かい数式は忘れても結構リカバリできますし、できれば出し方理解したほうがいいと思います。(そこで、高校なり大学の数学を駆使できれば一番ですし、ある程度直観的理解も一方で助けになります)
こいつは、上は、vというのはほんのちょっとの時間でどれだけ進むかというのが、速度の本来の意味よ。ということです。といわれてもわかんないので、Δtを例えば1秒(物理では1秒あたり何mという単位をよく使う)でどんだけどっちへ進むかが、速度、ということです。
次の加速度は、ほんのちょっとの時間で速度がどれだけ変わるの?ということですが、もっとわけわかんないと思います。これも、Δtを使って、1秒でどれだけ速度が変わるのか、それが加速度ととりあえず感じてください。
そうしたら、例えば30(m/s)で首都高速を走ってる車の時速(曲線や交通状況による減速は考慮しない)はいくらか、なんて聞かれたら1時間は3,600秒なので108,000m走る。ということは108km進む、これは時速108km/h(1時間で108km進む)なので思いっきりオービスや覆面パトカーのお世話になることがわかるというわけです。(首都高速の制限速度は60m/h以下のはずです。皆さんは無事故無違反安全運転でお願いします。)
例題1:このドライバーはしかも運転しながら20秒スマホを触っていました。この間に車は何m進んだでしょうか?
例題2:このドライバーは覆面パトカーがサイレンを鳴らしていることを600m走ってから初めて気づきました。あまつさえこのドライバーは気付いてから10秒間加速し時速144km/hとなりました。①覆面パトカーにサイレンならされてから何秒気づかなかったでしょうか?②加速時平均加速度は何m/sでしょうか。ただし、覆面パトカーはこの車のすぐ後ろでサイレンを鳴らしており、覆面パトカーの音がこの車に到達するまでの時間は考えなくてよいものとする。
はじき忘れても、速さの問題解けそうでしょ。こたえ:1は、30(m/s)×20(s)=600m、1秒あたり30mが20秒です(式は逆でもいいです)。2①は600(m)÷30(m/s)=20(s)、600mを走るけど1秒あたり30m走るから20秒かかった。2②は144km/h = 144,000m/3,600s = 40m/sなので、10秒間で10m/s速度が増えた。つまり平均加速度は1m/s^2です。あと、単位がどうなっているのかというのを見ながら理解するのもすごく便利ですし、窮地に立った時これを使って択一の答えを出すなんて裏技もあります。ですのではじきやくもわはわすれてね♡
さて、本題に戻ります。この問題では、斜め30°(π/6)で物体を発射しています。
(π/6:見慣れないけど、弧度法ではこう書きます。科学では弧度法のほうが圧倒的に
使いやすいですので、ぜひ慣れてください。半径1の円の1周の長さは2πになることに
着目して、360°(1周)を2πとおく角度の定義です)
その時の最高点の高さを求めろというわけですので、とりあえず鉛直(y軸)方向からみたことを考えると(正確にはベクトルを成分に分解してy軸のことを考える、です)。考え方としては、まず初速(はじめの速さ)を出す(v * sin(π/6) = 20 * 1/2 =10(m/s))で出ます。これが加速度g(m/s^2)、つまり1秒でvはgだけ減るので、g=10(m/s^2)だから、1秒後に鉛直方向のvは0になる。これが答えです。つまり1秒でどれだけ進んだかわかれば答えになります。これ、初速度と加速度の公式があって、初速度v、加速度aの物体について、t秒後の距離はいくらかという公式で、x(t) = v(0) * t + 1/2 a t^2というので、これに当てはめれば答えが出るのですが、この公式の雑な証明は後で補足しておきます。でも、なぜこうなるかは図形で見ておくとわかりやすいと思います。なお、答えは5(m)です。
3.補足、謝辞、Appendix
とりあえず記事を上げるのを先行します。雑な証明云々はこの記事を修正して加筆予定です。
数式作成は、奥村晴彦三重大学名誉教授のHPに掲載されているTeXを使ってみようを使用しました。ありがとうございました。