旅先を仕事にしてみる、ということ。
隠岐は、海士町は、17年前には旅先だった。
22歳の秋に初めて3泊4日で訪れて、その半年後に訪れた2回目の来島が引越だった。3年間をこの島でまちづくりを経験してみようと決めてみて、自分の力不足が悔しくて観光に打ち込んだ20代。ふと気づくと、ホテル業にまでがっつりと関わり、自分の会社まで立ち上げることになっていた30代。あっという間に40歳になったなんて自分でもびっくり。なんか加速してないか、この時間の感じ方。
若手と言われていた方だったはずなのに、気づけば若い人は、なんて言葉が口を出ているようになってきた。そう、若い人がこの島には驚くほどに増えている。この若い人が、若い力が、まぶしいくらいにこの島の風景を変えてくれている。
特に旅に関わる仕事やチームにおいて、この若い力、まっさらな視点は本当に貴重だ。僕たちは旅に関わる仕事を、媒介者と表現し始めている。媒介者にとって最も怖いのは「当たり前」になること。旅先で驚いたこと。旅先で感動したこと。涙したこと。こんな心揺さぶられたはずのことが「当たり前」になってくる。そんな当たり前を壊してくれるのが、いつも旅人であり、まっさらな若い眼差しだった。
2023年度。島の観光業にはたくさんの大人の島留学生、そしてTOUCA生、インターン生、と若い眼差しが持ち込まれている。常に流動する人材を受入れ指導する現場の先輩たちの苦労は間違いなくある。それでも、チームが動き、磨かれ、刺激を与え続けてくれている。このメンバーの数名は来年もこの島に残るかもしれないし、数名は海外にまで飛び出すかもしれない。この化学反応の中で生まれることが、確実に、ある。
慎重に自己分析をしながら、市場予測をしながら、丁寧に丁寧にする就職活動だってあるだろう。同じように、大好きになった風景に住み、縁ができた旅先を仕事にしてみる。そんな直観のキャリアだって、びっくりするくらいに楽しい、刺激的なキャリアだったと胸を張って僕は言える。
卒業後の仕事を探している学生の皆さん。社会に出てみたけれども、次のステージへと挑戦したくなってきた若手の皆さん。違和感に向き合うことにしてみた社会人の皆さん。それぞれの想いや気持ちを大切にしながら、ちょっと仕事のことを一緒に話してみませんか?
1029・東京飯田橋。
久々にこんなテーマのトークイベントに参加させてもらいます。今月下旬、東京で開催します。2024年度の大人の島留学。TOUCA。名前もついていない働き方。少しでも新しい可能性に出逢えたらとても嬉しいです。