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スクラムマスターへの期待を揃える啓蒙活動の重要性

こんにちは。天野です。

スクラムに関わったことがある人は、一度は必ず「スクラムマスターは何をするの?」と疑問に思ったことがあるはずです。当のスクラムマスターも日々自分自身にこの問いを投げかけています。

スクラムマスターを職能としている自社でもまだまだこの疑問を持つ人は多く、どうしたらいいだろうねとよくスクラムマスターの話題に上ります。コミュニティでもよくあがるテーマです。

なかなか理解してもらえないと嘆いたり愚痴を吐くこともできますが、私はスクラムマスターとして、この問いには真剣に向き合いたいと考えています。というのも、スクラムマスターが周囲の人にとって何を期待したら良いか分からない存在、あるいは誤った期待を向ける存在(スクラムマスターの求人情報を調べると、「それスクラムマスター…?」というのがよく見つかります)になってしまうと、社会的な損失が大きいです。

スクラムマスターへの期待がずれてしまうと、チーム・組織は本来スクラムマスターが活躍していれば得られたメリットを享受できず、スクラムマスターの能力を開発する機会も組織の中に埋もれたままになってしまいます。これは本当にもったいないことです。

このような社会的な損失を生まないためにも、スクラムマスターは、自分にどのような期待を向けてほしいのか伝える啓蒙活動をすることがとても大切です。


定義を伝えることは重要だが期待のイメージはしづらい

スクラムガイドには「スクラムを確立させることの結果に責任を持つ」「チームの有効性に責任を持つ」などの記述があります。自社の職能の定義でも「チームを健全に保つことに責任を持つ」と表現しています。

定義をするとこのような書き方になることは納得しますが、スクラムマスターと一緒に働いたことがない人にこれを伝えても、「ふーん」と流されるか、「具体的には何をするの?」と疑問に思われて終わります。定義を説明する時に具体的な活動をあれこれ挙げると、その場では納得してもらえますが、日常の業務に戻ったあとそれを思い出す機会はほぼありません。

啓蒙活動によって実現したいのは、スクラムマスターでない人が、日常の中で遭遇する様々な問題や困難に直面した時に、「これスクラムマスターに相談できないかな?」と想起するようになることです。このような状態を作るためには、多くの人が経験する具体的な問題について、スクラムマスターが役に立つ事例を多く共有することが重要だと思います。

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